「LSIキーワードを入れるとSEOに効く」と聞いて、使うべきか迷っている方に向けて、Googleの公式発言と資料で事実を整理します。
LSIキーワードは、Googleが順位付けに使っていないと否定している俗称です。英語の「LSI SEO」「LSI keywords」も同じで、GoogleのJohn Mueller氏は2019年に「LSIキーワードというものは存在しない」と投稿しています。
この記事でわかること
- LSIの正体: 「LSI」は1988年に特許出願された検索技術の名前で、SEOやツールでは別の意味に転じて使われています。
- Googleの見解: Mueller氏は2019年と2023年にLSIキーワードを否定しており、Googleが公式に説明しているのはRankBrainやBERTなどのシステムです。
- 関連語の使い方: 「他の人はこちらも検索」や「関連する質問」から次の疑問を拾い、見出しの問いにして本文で答えます。
LSIキーワードとは?「LSI」が指すものは3つある
「LSI」は、1988年に出願された検索技術、英語圏SEOの関連語、国内ツールの再検索語の3つを指します。
「LSIキーワード」にはGoogleによる定義がなく、場面によって指すものが違います。
| 呼び方 | 中身 | 使われる場面 | Googleとの関係 |
|---|---|---|---|
| Latent Semantic Indexing(原典) | 語の背後にある意味の構造を統計で扱い、文書を探す検索技術 | 1988年の米国特許出願(Bell Communications Research) | Googleが検索に使っているという公式の説明はない |
| LSI keywords(英語圏のSEO) | 主題と意味的に関連するとされる語 | 英語圏のSEO記事・ツール | GoogleのMueller氏が2019年と2023年に否定 |
| LSIキーワード(国内の一部ツール) | 検索結果の「他の人はこちらも検索」に表示される語 | 国内の一部のキーワード調査ツール | Googleの機能としての名前は「他の人はこちらも検索」 |
LSIキーワードの本来の意味(Latent Semantic Indexing)
LSIはLatent Semantic Indexingの略で、語と文書の潜在的な関係を統計で見つける検索技術の名前です。
【公式仕様】原典は、米国特許US4839853A「Computer information retrieval using latent semantic structure」です。1988年9月15日に出願、1989年6月13日に登録された特許で、原権利者はBell Communications Research、権利期間はすでに満了しています。要約の冒頭には、文書の中の語の使われ方には潜在的な意味の構造があると仮定し、情報を統計的に扱って文書を検索する方法だと書かれています(Google Patents「US4839853A」)。
本来のLSIは、ページに入れる「キーワード」の種類ではなく、38年前に出願された情報検索の手法の名前です。
国内の一部のキーワード調査ツールでは「他の人はこちらも検索」をLSIと呼ぶ
国内の一部のキーワード調査ツールは、検索結果の「他の人はこちらも検索」に出る語をLSIキーワードと呼んでいます。
【公式仕様】あるキーワード調査ツールの公式ヘルプは、LSIキーワードを「他の人はこちらも検索(関連性の高い検索)」に表示されるキーワードと説明し、「他の人はこちらも質問」に出る質問をPAAと呼んで区別しています。「再検索キーワード」と「LSIキーワード」を同じものとして並べるツールもあります。
これはツールごとの呼び方で、Googleや原典の特許による定義ではありません。
共起語・サジェスト・再検索キーワードとの違い
似た5つの呼び方は、どこで取得する語か、検索の前と後のどちらの行動を表すかで区別できます。
| 呼び方 | 何を指すか | どこで見るか | 表す行動 |
|---|---|---|---|
| LSIキーワード | 場面で意味が変わる俗称(上の表の2行目・3行目) | 英語圏のSEOツール・国内の一部ツール | 使う人によって違う |
| 共起語 | ある語と同じ文章の中で一緒に使われやすい語 | 上位ページの本文を集計するツール | 書き手の文章(検索行動ではない) |
| サジェストキーワード | 検索窓に入力している途中で表示される候補(Googleの機能名はオートコンプリート) | 検索窓 | 検索する前 |
| 再検索キーワード | 検索結果に表示される「他の人はこちらも検索(関連性の高い検索)」の語 | 検索結果ページ | 検索した後 |
| PAA(関連する質問) | 検索結果に表示される、ほかの人が調べている質問 | 検索結果ページ | 検索した後 |
共起語は書き手が書いた文章から集める語で、サジェスト・再検索キーワード・PAAは検索する人の行動から出てくる表示です。
LSI SEOは効く?Googleは2019年と2023年に否定した
GoogleのMueller氏は2019年に「LSIキーワードは存在しない」と投稿し、2023年にも否定を重ねました。
【公式仕様】GoogleのJohn Mueller氏は、2019年7月にX(旧Twitter)で、LSIキーワードというものは存在せず、そうでないと言う人は間違っていると投稿しました(John Mueller氏のX投稿(2019年7月30日))。米国のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableは、翌日にこの投稿を報じています(Search Engine Roundtable「Google Says There Is No Such Thing As LSI Keywords」)。
2023年1月にもMueller氏はXで、何年たってもLSIキーワードを使うよう勧める人は間違っているという趣旨の投稿をしたと、Search Engine Roundtableが報じています(Search Engine Roundtable「Google Says LSI Keywords Have No Effect」)。
英語で検索される「LSI SEO」「LSI keywords SEO」「LSI in SEO」は、どれも英語圏のLSI keywords(最初の表の2行目)をページに入れて順位を上げる手法を指します。Googleの答えは、日本語の「LSIキーワード」と同じく「存在しない」です。
Mueller氏の発言:英語の原文と意味
英語の原文は「There’s no such thing as LSI keywords」で、存在しないという意味です。
“There’s no such thing as LSI keywords — anyone who’s telling you otherwise is mistaken, sorry.”
訳:LSIキーワードというものは存在しません。そうでないと言う人は間違っています。
(当社の読み方)否定されているのは、LSIキーワードという種類の語を入れると評価が上がるという説明です。関連する語を書くことや、疑問に答えることまで否定した発言ではありません。
Googleが実際に使っているのはRankBrain・ニューラルマッチング・BERT
Googleは、語と概念の関係やクエリの意味を理解するシステムとして、RankBrainやBERTなどを公式に説明しています。
【公式仕様】Googleは2022年2月の公式ブログで、検索に使っているAIのシステムを導入された順に説明しています(Google「How AI powers great search results」)。
| システム | 導入の年 | 公式ブログの説明 |
|---|---|---|
| RankBrain | 2015年 | 語が概念とどう関係しているかを理解する |
| ニューラルマッチング | 2018年 | キーワードだけでなく、クエリやページ全体を見て背後にある概念を理解する |
| BERT | 2019年 | 語の組み合わせが表す意味と意図を理解する |
| MUM | 2021年 | BERTの1,000倍強力で75の言語を扱う。検索では順位付け全般ではなく特定の用途に使う |
公式ブログはLSIに触れておらず、これらのシステムをLSIの後継や置き換えとは説明していません。LSIキーワードの有無を数える仕組みは、この説明の中に出てきません。
それでも「関連語を入れたら上がった」と感じる理由
検索語と同じ語があることは今も基本のシグナルで、関連語は疑問に答えた結果として本文に入るからです。
【公式仕様】Googleは「Google によるランキング結果の決定方法」で、「情報の関連性を評価するための最も基本的なシグナルは、検索クエリと同じキーワードがコンテンツに含まれているかどうかです。」と説明しています。同じページは、「犬」で検索した人に必要なのは「犬」という単語が何百回も使われているページではなく、犬の画像や動画、犬種のリストなど関連性の高いコンテンツだ、という例を挙げています(Google「Google によるランキング結果の決定方法」)。
【公式仕様】同じページには、高度な類義語システムによって、完全に一致する言葉が含まれていない場合でも関連性のあるドキュメントを見つけられる、とも書かれています。
(当社の読み方)関連語を足して順位が上がったように見えるとき、効いたのは語の数ではなく、語と一緒に足した段落が検索した人の疑問に答えたことだと当社は考えています。リライトでは語と答えを同時に足すため、1回の順位の変化から「関連語が効いた」とは切り分けられません。
2026年5月にGoogleが公開した生成AI検索向けのガイドが言い換えの網羅を不要とした点と、それでもキーワード設計が要る理由は「SEOキーワードは意味ない?意味がないのはmeta keywordsだけ|Google公式で整理」で整理しています。語を並べる代わりに、ページが何について書かれているかを明確にする設計は「AI検索のエンティティ設計|構造化データはどこまで効く?2026年実測」で扱っています。
当社の実測:LSIキーワードは検索されなくなっている
「lsi キーワード」の日本での月間検索数は、2025年9月の210回から2026年8月の20回に減りました。
【実測】当社がGoogle広告のキーワードプランナーのデータをAPIで2026年9月17日に取得した、日本・日本語の月別検索数です。「lsiキーワード」は「lsi キーワード」に、「lsi in seo」は「lsi seo」にまとめて集計されています。
| キーワード | 12か月平均 | 2025年9月 | 2026年1月 | 2026年5月 | 2026年8月 |
|---|---|---|---|---|---|
| lsi キーワード | 70 | 210 | 140 | 30 | 20 |
| lsi seo | 20 | 30 | 20 | 30 | 10 |
| lsi keywords seo | 10 | 10 | 0 | 10 | 0 |
| 共起語 | 480 | 720 | 590 | 390 | 260 |
「12か月平均」は2025年9月〜2026年8月の平均、残りの列は単月の回数です。「lsi キーワード」の平均70回は210回あった2025年9月を含んだ値で、2026年8月の単月は20回でした。関連語の呼び方として近い「共起語」も、単月で720回から260回に減っています。
(当社の読み方)「lsi seo」などは月0〜30回で、1か月の差を増減とは読めません。この表が示すのは呼び名の検索数の減少で、関連語を調べる作業が要らなくなったことまでは示していません。
関連語(いわゆるLSIキーワード)の正しい使い方3ステップ
関連語は入れる語の一覧ではなく、検索した人の次の疑問を拾って見出しの問いにする材料として使います。
(自社経験)当社の事例では、記事制作で「LSIキーワード」を狙って語を足す作業は原則として採っていません。リライトで先に確かめるのは、検索した人の疑問に記事が答えているかです。
手順1 「他の人はこちらも検索」「関連する質問」で次の疑問を拾う
主キーワードで検索し、検索結果に出る「関連する質問」と「他の人はこちらも検索」を書き出します。
LSIキーワードを表示する国内の一部のツールを使う場合も、集まるのは「他の人はこちらも検索」に出る語なので、検索結果を自分で見ても材料は揃います。たとえば「〇〇 やり方」という語が出ていれば、「どう進めるか」という次の疑問がある、と読み替えて書き出します。
手順2 拾った疑問を見出しの問いにする
書き出した語は並べて使わず、「〜とは?」「〜の違いは?」のような疑問の形に直して見出しにします。
同じ答えで済む語は1つの見出しにまとめ、記事の主題から外れる疑問は別の記事に回します。検索した人が何を知りたいのかの読み取り方は「検索意図の調べ方|上位を逆算する実務手順とAI検索時代の新常識」で手順を解説しています。
手順3 本文で答え、語の回数は数えない
見出しの直後で問いに答え、関連語が何回出てくるかや出現率は目標にしません。
Googleは、同じ単語を何百回も使ったページではなく関連性の高いコンテンツを評価すると説明しています。問いに答える文を書けば、答えに必要な語は文の中に入ります。(当社の読み方)読み返して拾った語が1つも無ければ、語ではなく答えを書き足します。
やってはいけないLSIキーワードの使い方
関連語を回数や出現率で詰め込むと、Googleのスパムポリシーが定めるキーワードの乱用に当たるおそれがあります。
【公式仕様】Googleのスパムに関するポリシーは、キーワードの乱用を「Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むこと」と定義し、例として同じ単語や語句を不自然なほど何度も繰り返すことを挙げています(Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」)。
起きやすい使い方は次の3つです。
- 出現率に合わせて語を増やす: ツールが示す割合を目標に、同じ語を繰り返す。
- 答えの無い見出しに語だけを並べる: 見出しに語を入れ、その下で答えていない。
- 意図の違う記事にまとめて入れる: ツールで出た語を、主題の違う記事にも差し込む。
サジェストの表示を人為的に操作する手法と、正規の削除申請の違いは「サジェスト対策とは?グレーな操作と正規の削除申請の違い」で解説しています。
LSIキーワードのよくある質問
Q. 英語の記事で「LSI keywords」を勧める手順は、そのまま使えますか?
A. 語のリストを集めて本文に入れる部分は、Mueller氏が「There’s no such thing as LSI keywords」と否定した考え方なので使えません。検索した人の疑問を洗い出して答える部分は、関連語の使い方3ステップと同じ作業として使えます。
Q. GoogleがLSIを使っていたことはありますか?
A. GoogleがLSIを検索の順位付けに使っていると公式に説明した資料は、当社が確認した範囲にはありません。Mueller氏は2019年に、LSIキーワードそのものを否定しています。
Q. 検索結果に「他の人はこちらも検索」が表示されないときは、何を材料にしますか?
A. 「関連する質問」、検索窓のオートコンプリートの候補、上位ページの見出しから疑問を拾います。材料が変わっても、問いにして答える手順は同じです。
Q. 共起語とLSIキーワードは同じものですか?
A. 同じではありません。共起語ツールが出す語と割合は上位ページの本文を集計した結果で、Googleが示した基準ではありません。上位ページに共通する話題を知る材料にはなりますが、割合を合わせても順位が上がる根拠にはなりません。
Q. LSIキーワード調査ツールは使っていいですか?
A. 検索した人の次の疑問を拾う材料として使うのは問題ありません。表示された語を回数や出現率の目標にして詰め込むと、Googleのスパムポリシーが定めるキーワードの乱用に当たるおそれがあります。
Q. LSIキーワードは今も意識するべきですか?
A. LSIキーワードという考え方で語を選ぶ必要はありません。検索語と同じ語をページに入れることは今も基本のシグナルなので、主キーワードを押さえたうえで、検索した人の疑問に本文で答えることを優先します。
まとめ:LSIキーワードは使わず、関連語は疑問を拾う材料にする
LSIキーワードはGoogleが否定した俗称で、関連語は検索した人の疑問を拾って答えるための材料です。
- LSIの意味: 原典は1988年出願の検索技術で、英語圏のSEOと国内の一部ツールでは別の意味で使われています。
- Googleの見解: Mueller氏は2019年に「LSIキーワードは存在しない」と投稿し、2023年にも否定しています。
- 検索数: 「lsi キーワード」の12か月平均は70回で、単月では2025年9月の210回から2026年8月の20回に減りました。
- 関連語の使い方: 次の疑問を拾い、見出しの問いにして本文で答えます。回数や出現率は数えません。
関連語を拾う前に、記事で狙う主キーワードを決める手順は、キーワード選定の記事にまとめています。
→ キーワード選定のやり方|AI時代に難しいを解消し勝てるKWを見極めるコツ
参考情報
- John Mueller氏のX投稿(2019年7月30日)
- Search Engine Roundtable「Google Says There Is No Such Thing As LSI Keywords」(2019年7月31日)
- Search Engine Roundtable「Google Says LSI Keywords Have No Effect」(2023年9月4日)
- Google Patents「US4839853A Computer information retrieval using latent semantic structure」
- Google「How AI powers great search results」(2022年2月3日)
- Google「Google によるランキング結果の決定方法」
- Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
- Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」

