内部リンクとは、同じサイト内のページ同士をつなぐリンクです。ただし「貼れば順位が上がる」施策ではありません。効果が出る条件と、出ない条件があります。
この記事は、内部リンクについて世の中でよく言われている説を、Googleの公式文書で1つずつ確認し直したものです。あわせて、当社が実際に測った2つの数字を出します。1つは運用を引き継いだクライアントサイトが引き継ぎ時点でどうなっていたか、もう1つは公開記事763本で「被内部リンクの本数」と「平均掲載順位」の関係を測った結果です。
先に結論を書くと、確認できた通説は一部だけでした。裏が取れなかったものは「取れなかった」と書きます。
この記事でわかること:
- 内部リンクの効果と、その効果が出ない条件: Google公式文書に書かれている範囲と、書かれていない範囲を分けて整理
- 実測2本: 引き継ぎ時点のクライアントサイト53ページ、および763記事での被内部リンク数と平均順位の関係
- 通説5つの答え合わせ: 完全一致アンカー、リンクの位置、3クリック以内、本数の上限、AI検索への影響
- 今日やる順番: 実測から導いた、手をつける優先順位
内部リンクとは?外部リンクとの違いと基本の仕組み
内部リンクとは、同一ドメイン内のページ同士をつなぐリンクのことです。リンク先が自分のサイトの中にあるかどうかだけで決まります。
たとえば、SEOの解説記事からキーワード選定の詳細記事へ飛ぶリンクが内部リンクです。一方、外部リンクは別ドメインのページへのリンクを指します。自サイトから他サイトへ向けるものを「発リンク」、他サイトから自サイトへ向けられるものを「被リンク」と呼びます。
| 種類 | 向き先 | 主な目的 | 自分でコントロールできるか |
|---|---|---|---|
| 内部リンク | 同一ドメイン内 | 発見・評価分配・回遊 | できる |
| 外部リンク(発リンク) | 別ドメインへ | 参照・出典の提示 | できる |
| 外部リンク(被リンク) | 別ドメインから | 外部評価の獲得 | できない |
【公式仕様】Googleは「通常、リンクが href 属性を持つ <a> HTML要素である場合のみ、Google はリンクをクロールできます」と明記しています。<a href="/shoes/" onclick="goTo('shoes')"> のようにJavaScriptのイベントを含んでいても、href 付きの <a> になっていればクロール可能です。逆に、href の無い <a> や <span onclick="..."> のようにスクリプトだけで遷移する実装は、URLを信頼できる形で抽出できないとされています(出典:Google検索セントラル「リンクをクロール可能にする」)。
つまり内部リンクで最初に確認すべきなのは、貼り方の巧拙よりも「そもそも href 付きの <a> タグになっているか」です。実際の貼り方の手順は内部リンクの具体的な貼り方で解説しています。
内部リンク・ページ内リンク・サイト内リンクの違い
3つは指す範囲が違います。内部リンクとサイト内リンクはほぼ同義で、ページ内リンクだけは別物です。
| 呼び方 | 指すもの | HTMLの書き方 |
|---|---|---|
| 内部リンク/サイト内リンク/記事内リンク | 同じサイトの別ページへのリンク | href="/other-page/" |
| ページ内リンク(アンカーリンク) | 同じページの中の別の場所へ移動するリンク | href="#section2" |
| 外部リンク | 別サイトへのリンク | href="https://example.com/" |
ページ内リンクは目次によく使われるもので、ページからページへ評価を渡す性質はありません。「サイト内リンク」「記事内リンク」という呼び方は内部リンクとほぼ同じ意味で使われます。SEOの文脈で議論されるのは、原則として内部リンクのほうです。
内部リンクがSEOに与える3つの効果と、効果が出ない条件
内部リンクの効果は「発見」「評価の分配」「回遊」の3つです。ただし2つは、サイトの規模と状況で効き方が変わります。
「内部リンクを増やせばSEOに効く」という説明は、条件を落としています。どの条件で効いて、どの条件では効かないのかを先に切り分けておくと、無駄な作業を避けられます。サイト全体をどう組むかについてはサイト全体設計の章で扱います。
効果1:クローラーに発見される(発見は必須。ただしクロール効率の改善は別の話)
リンクをたどって発見されることは規模を問わず必要です。一方「クロール効率が上がる」は、小規模サイトには関係ありません。
【公式仕様】Googleは「新たなページの発見のほとんどはリンクを通じて行われています」としています(出典:Google検索セントラル「SEOスターターガイド」)。ここは規模に関係なく成り立ちます。
混同されやすいのが「クロールバジェット」の話です。【公式仕様】Googleのクロールバジェット管理のガイドは、対象を「重複のないページが100万以上で、コンテンツが中程度に(1週間に1回)更新されるサイト」または「重複のないページが1万以上で、コンテンツがかなり頻繁に(毎日)更新されるサイト」と明記しています。そのうえで「サイト内で頻繁に更新されるページがそれほど多くない場合や、ページが公開日と同じ日にクロールされると考えられる場合は、このガイドを読む必要はありません」と書かれています(出典:Google検索セントラル「大規模なサイトのクロールバジェット管理」)。
数百ページ規模のサイトであれば、クロールバジェットの最適化を優先課題にする必要は通常ありません。Googleが「気にする必要はない」としているのがこの範囲です。ここで優先すべきなのはクロール効率の改善ではなく、単純に「どこからもたどり着けないページを無くすこと」のほうです。
【実測】当社が運用・支援している記事メディア6サイト・公開記事763本を調べたところ、本文中から内部リンクを1本も受けていない記事140本のうち、112本はSearch Consoleに検索での表示があります。本文中の内部リンクが0本でも、サイトマップやカテゴリーアーカイブから到達できていれば、インデックスされないわけではありません(測定期間:2026年6月8日〜9月5日)。
効果2:重要ページに評価が集まる
内部リンクを通じて、ページの評価がサイト内を移動します。リンクを多く集めるページほど、サイト内では重要だとみなされやすくなります。
この評価の移動は、SEOの現場で「リンクジュース」と呼ばれることがあります。ただし、これはGoogleの公式用語ではありません。公式文書に出てくるのはPageRankという概念のほうで、具体的な計算方法や分配の比率は公開されていません。「リンクを1本足すと評価が何%移る」といった数値が書かれている記事があれば、それはGoogleが公開していない数字です。
【自社経験】当社の案件では、既に検索流入のある記事から、順位を上げたいページへ内部リンクを追加する手を最初に検討します。新しく公開したページに内部リンクが1本も無い状態は、評価の観点から見て機会損失だからです。ただし、これで必ず順位が動くわけではありません。次章の実測がその根拠です。
効果3:ユーザーの回遊が伸びる(自分で検証できる唯一の効果)
関連ページへの導線があれば、読者はサイト内を回遊します。3つのうち、施策の結果を読者の行動として直接測れるのはここだけです。
発見されたかどうかはSearch ConsoleのURL検査で1ページずつ確認できますが、評価がどう分配されたかはGoogleの内部処理なので外からは測れません。一方、回遊はGA4の「経路データ探索」でページ間の遷移として直接見られます。リンク1本ごとのクリック数まで取りたい場合は、GA4の標準設定では取れないため、クリックイベントの実装が別途必要です。
内部リンクの施策で最初に確認すべきなのは、順位ではなくここです。ただし、クリックされていない理由は1つではありません。読者に必要とされていないのか、置いた位置や前後の文脈が合っていないのか、アンカーテキストで内容が伝わっていないのか、そもそも表示回数が足りないのかを分けて見てください。
【実測】内部リンクは、引き継いだ時点でどうなっているのか
当社が引き継いだクライアントサイト4件では、53ページ中45ページ(84.9%)が本文中から1本もリンクを受けていませんでした。
【実測】対象は、当社が運用を引き継いだあと、まだ内部リンクに手を入れていない状態のクライアントサイト4件です(2026年9月時点。クライアント名は伏せます)。WordPressのREST APIで公開ページの本文を取得し、本文中の <a href> で自サイトの別ページを指しているものだけを数えました。
| サイト | 公開ページ数 | 本文中の被内部リンクが0本 | 同じく1本以下 |
|---|---|---|---|
| A社 | 9 | 9ページ(100%) | 9ページ(100%) |
| B社 | 14 | 14ページ(100%) | 14ページ(100%) |
| C社 | 24 | 16ページ(66.7%) | 24ページ(100%) |
| D社 | 6 | 6ページ(100%) | 6ページ(100%) |
| 合計 | 53 | 45ページ(84.9%) | 53ページ(100%) |
4件とも、本文中の被内部リンクは最大でも1本でした。内部リンクの設計が甘かったという話ではなく、本文中の内部リンクという概念自体がサイトに入っていない状態です。
この数字を誤読しないための注記:4件はいずれもグローバルナビゲーション・パンくずリスト・フッターを備えており、そこからは全ページに到達できます。ここで数えたのは本文中のリンクだけなので、「クロールされていない」「インデックスされていない」という意味ではありません。また4件はページ数の少ない事業会社サイトで、記事を数百本抱えるメディアとは条件が違います。
【自社経験】それでも、この状態には実務上の意味があります。本文中の内部リンクが無いサイトでは、どのページが重要なのかというサイト側の意思表示が、グローバルナビの並び順以外にどこにも存在しません。記事を増やしていく段階に入ったとき、最初に詰まるのがここです。
【実測】内部リンクを増やすと順位は上がるのか|763記事で測った結果
763記事で測った限り、本文中の被内部リンクが多い記事ほど平均順位が良い、という関係は出ませんでした。むしろ逆向きに見えます。
【実測】当社が運用・支援している記事メディア6サイトの公開記事763本について、本文中の被内部リンク数と、Search Consoleの平均掲載順位(2026年6月8日〜9月5日の90日間、表示回数で加重)を突き合わせました。サイト名と流入数は公開しません。
| 本文中の被内部リンク数 | 記事数 | 構成比 | 検索での表示がある記事 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| 0本 | 140 | 18.3% | 112 | 26.7位 |
| 1本 | 143 | 18.7% | 133 | 30.9位 |
| 2〜4本 | 292 | 38.3% | 267 | 26.4位 |
| 5〜9本 | 136 | 17.8% | 128 | 30.4位 |
| 10本以上 | 52 | 6.8% | 51 | 37.1位 |
この表から言えること:内部リンクの本数を増やせば順位が上がる、という関係を当社の実測データで示すことはできませんでした。
この表から言えないこと:「内部リンクは順位に効かない」とは言えません。この数字には逆因果が含まれている可能性が高いからです。内部リンクが集まるのは、そのサイトで最も力を入れている記事、つまり競争の激しいキーワードを狙った記事です。難しいキーワードを狙っているから順位が低く、力を入れているからリンクが集まる、という説明で表の形は説明できてしまいます。また、平均掲載順位は記事が拾っているクエリの数と種類で大きく歪みます。
この2つを分けずに「内部リンクを増やすと順位が下がる」と読むのは誤りです。ここで言いたいのは、内部リンクを本数として増やす作業に、順位を根拠にした期待値を置かないほうがよい、ということだけです。
内部リンクの通説をGoogle公式文書で検算する
内部リンクの解説記事でよく見る5つの説を、Googleの公式文書に当たって確認しました。裏が取れたのは2つだけです。
| よく見る説 | Google公式文書の記述 | 当社の結論 |
|---|---|---|
| 完全一致アンカーの使いすぎはペナルティ | ペナルティの記述は無い。「キーワードを詰め込むことは避けてください」とはある | ペナルティの根拠は確認できず |
| 本文中のリンクはフッターより評価が高い | 公式文書に位置による重み付けの記述は無い | 決着していない |
| 重要ページはトップから3クリック以内 | 階層の深さの数値推奨は存在しない | 公式には無い |
| 1ページ2〜5本、150本以下に抑える | 現行の公式文書に本数の上限は無い | 出典を確認できず |
| 内部リンクを整えるとAI検索に引用される | AI検索の引用と内部リンクを結ぶ記述は確認できず | 相関の報告はあるが本数は中立 |
完全一致アンカーの使いすぎはペナルティになるか
内部リンクのアンカーテキストにペナルティがあるという公式の記述は確認できませんでした。詰め込みを避けよ、とはあります。
【公式仕様】Googleは良いアンカーテキストについて「内容が具体的で、適度に簡潔で、テキストが掲載されているページとリンク先のページの両方に関連があるテキストです」と書き、続けて「可能な限り自然に記述し、リンク先のページに関連したキーワードを詰め込むことは避けてください」としています(出典:Google検索セントラル「リンクをクロール可能にする」)。書かれているのは「詰め込むな」であって、「同じ語を繰り返すとペナルティ」ではありません。
【公式仕様】内部リンクのアンカーテキストを最適化する効果について、GoogleのJohn Muellerは2020年6月24日のGoogle Webmaster Central hangoutで「it’s not something where you would see a visible effect in search(検索結果で目に見える効果が出るようなものではない)」と述べています。アンカーテキストは、リンク先の内容を伝える文脈のシグナルであって、順位を動かすレバーとしては扱われていません。
なお「内部リンクに過剰最適化のペナルティは無い」というGoogle側の発言が複数のSEOメディアで紹介されていますが、当社では発言そのものの一次記録を確認できませんでした。ここでは、確認できた公式文書と発言の範囲だけを根拠にします。
実務上の結論:アンカーテキストは、リンク先の内容が読者に伝わる語にしてください。「こちら」「詳しくはここ」のような語は、読者にもGoogleにも情報を渡していません。一方で、ペナルティを恐れて不自然な言い換えを量産する必要はありません。
本文中のリンクはフッターより評価が高いか
この説は決着していません。Googleの特許と、Google広報の発言が食い違っているためです。
根拠として引かれるのは「リーズナブルサーファーモデル」です。Googleが2010年5月に取得した特許(US 7,716,225、2016年に更新)で、クリックされる可能性の高い位置にあるリンクほど重く扱うという内容が含まれています。特許が実在することは確認できます。
一方で、GoogleのJohn Muellerは2022年1月のSEO office-hoursで、ヘッダー・フッター・本文のどこにリンクがあるかについて「It’s pretty similar. Content matters based on where it is in the page, but not links.(だいたい同じです。コンテンツは位置によって扱いが変わりますが、リンクは変わりません)」という趣旨を述べたと伝えられています。なお、これはoffice-hoursの要約記事を経由して確認したもので、当社は動画の原文を確認していません。
特許を取得していることと、その仕組みを現在の検索で使っていることは別です。Googleは取得した特許の多くを実装していません。「リーズナブルサーファーモデルだから本文中が有利」と断定している記事は、特許の存在を実装の証拠として扱っています。
実務上の結論:SEOの重み付けが分からなくても、置く場所は決められます。読者が「この続きを読みたい」と思ったところにリンクがあればクリックされ、フッターに並べただけならクリックされません。クリック率は自分で測れるので、そちらを基準にしてください。
重要ページはトップから3クリック以内が必要か
Googleの公式文書に、階層の深さについての数値推奨はありません。「3クリック以内」はGoogleが出した基準ではありません。
【公式仕様】GoogleのSEOスターターガイドを確認しましたが、リンクとナビゲーションについて書かれているのは「Google でも、新たなページの発見のほとんどはリンクを通じて行われています」という趣旨と、論理的な構造を推奨する記述までです。「ホームから何クリック以内」という数値は出てきません。
「3クリック以内」はもともと、ユーザビリティの分野で語られてきた経験則です。SEOの文脈に持ち込まれるうちに、Googleの基準であるかのように扱われるようになりました。
実務上の結論:クリック数そのものより、「そのページにたどり着く導線が存在するか」を見てください。5クリック先でも導線が明確なら発見されますし、2クリック先でもリンク元が無ければ発見されません。
1ページに貼ってよい内部リンクの本数
Googleの現行の公式文書に、内部リンクの本数の上限は書かれていません。よく見る「2〜5本」「150本以下」も出典不明です。
かつてGoogleのガイドラインには「1ページのリンクは妥当な数に抑える」という記述があり、その前提には1ページあたり100KBまでしか処理しないという当時の技術的な制約がありました。現在この制約は無く、本数の上限も明示されていません。
とはいえ、本数が増えるほど1本あたりの意味が薄まるのは構造上そうなります。本数を増やすことと評価が分散することの関係は、内部リンクは何本まで貼ってよいかで詳しく扱っています。
内部リンクを整えるとAI検索に引用されやすくなるか
内部リンクを増やせばAI検索に引用される、という根拠は見つかりませんでした。相関の報告はありますが、本数は中立とされています。
Googleの公式文書を確認した範囲では、AI Overviewsなどでの引用と内部リンクを結びつけた記述はありませんでした。
民間の調査では、SEOツールを提供するRankability社が、AI検索に引用されたページを分析した結果として「98.5% of cited pages had internal links and the median page had 12(引用されたページの98.5%が内部リンクを持ち、中央値は12本だった)」という数字を公開しています。ただし同社は同時に「link count was nearly neutral for citation order(リンク本数は引用の順序に対してほぼ中立だった)」としています。なお当社は、この調査のサンプル数と実施時期を確認できていません。
ただし、この2つは相関であって因果ではありません。「引用されたページの98.5%に内部リンクがあった」は、内部リンクが0本だと引用されないという必要条件を示したものではありません。この調査から言えるのは、本数を増やせばAI検索の引用が増える、という根拠にはならない、という範囲までです。
ChatGPTやPerplexityがサイト内のリンク構造をたどって引用先を決めている、という説明も見かけますが、これは現時点では仮説です。裏付けとなる公表データは確認できませんでした。
内部リンクの設置場所と優先順位
設置場所は本文中・ナビゲーション・フッターの3つです。優先すべきは本文中ですが、その理由はSEOの重み付けではありません。
本文中のテキストリンク
本文中のリンクを最優先にする理由は、アンカーテキストを自由に設計でき、読者がクリックする位置に置けるからです。
- アンカーテキストを文脈に合わせて書けるので、リンク先の内容が読者にもGoogleにも伝わる
- 読者が「続きを知りたい」と思った箇所に置けるので、クリックされる
- 置く位置とリンク先を記事ごとに変えられる(ナビやフッターは全ページ共通で固定される)
先に書いたとおり、Googleが位置によってリンクの重みを変えているかどうかは確定していません。それでもここを最優先にするのは、クリック率と設計の自由度という、自分で確認できる理由があるからです。
パンくずリスト・グローバルナビ・フッター
パンくずとグローバルナビは、サイト構造を伝える内部リンクです。載せすぎると1本あたりの意味が薄れます。
パンくずリスト(「トップ > カテゴリ > 記事」のような階層表示)は、構造化データ(BreadcrumbList)と合わせて実装すると、検索結果での表示にも反映されます。グローバルナビゲーションに載せるのは最重要ページだけに絞るのが原則です。
フッターリンクは補助として扱います。網羅性のために置くのは構いませんが、ここに置いたから評価が集まる、という前提では設計しないほうが安全です。
ブログカード vs テキストリンク、SEO的にどちらが正解か
本文中の内部リンクはテキストリンクが基本です。ブログカードは記事末尾の関連記事など、補助的な用途に向いています。
| 比較項目 | ブログカード | テキストリンク |
|---|---|---|
| アンカーテキスト | 記事タイトルで固定される | 文脈に合わせて自由に設計できる |
| クリック率 | 広告と見分けがつかず避けられることがある | 文中に溶け込むのでクリックされやすい |
| ページ表示速度 | サムネイル画像の読み込みが発生する | テキストのみで影響が小さい |
| 実装の手間 | プラグインやテーマ機能に依存する | エディタ上で数秒で設置できる |
| 向いている場面 | 記事末尾の関連記事一覧 | 本文中の内部リンク全般 |
【自社経験】当社では、本文中の内部リンクをテキストリンクに統一しています。アンカーテキストを文脈に合わせて書けること、実装コストが低いこと、表示速度に影響しにくいことの3点が理由です。ブログカードそのものが悪いわけではなく、本文中に何枚も並べると読者が読み飛ばす区画になりやすい、という運用上の判断です。
本文中のブログカードが何枚まで許容されるかについては、本数の考え方とあわせて内部リンクは何本まで貼ってよいかで扱っています。
内部リンクの貼り方|設計ルールと最低限の手順
貼る作業そのものは数秒で終わります。時間をかけるべきなのは、どのページからどのページへ張るかを決める段階です。
貼る前に決める3つの設計ルール
関連性・アンカーテキスト・URLの正規化の3点を先に決めておくと、あとから記事が増えても運用が崩れません。
1. 関連性のあるページ同士にだけ設置する
リンク元とリンク先のテーマが関連している場合にのみ設置します。テーマの異なるページへ機械的に張ると、読者の離脱を招きます。関連性の判断は「読者がこの文を読んだあと、その続きとしてリンク先を読むか」で決めます。
2. アンカーテキストはリンク先の内容が伝わる語にする
「こちら」「詳しくはここ」ではなく、リンク先に何が書いてあるかが分かる語を使います。同じリンク先に対して毎回まったく同じ語を使う必要はありませんが、ペナルティを避けるために不自然な言い換えを作る必要もありません(理由は通説の検算の章で述べたとおりです)。
3. リンク先は正規URLに統一する
末尾スラッシュの有無、wwwの有無、httpとhttpsなど、同じページを指す複数の書き方が混ざらないようにします。表記が揺れると、リダイレクトを1段挟むぶん無駄が出ます。
WordPressでの最小手順
ブロックエディタなら、テキストを選択してリンクアイコンを押し、リンク先を選ぶだけです。3手順で終わります。
- リンクにしたい本文のテキストを選択する
- ツールバーのリンクアイコン(鎖のマーク)をクリックする
- 検索ボックスにリンク先の記事タイトルを入力し、候補から選んで確定する
クラシックエディタの場合、複数ページへの一括設置、アンカーテキストの決め方、設置後の確認方法までは内部リンクの具体的な貼り方で解説しています。
内部リンクのサイト全体設計|孤立ページを作らない構造づくり
個別のリンクを増やすより先に、どこからもリンクされていないページを無くしてください。一度やれば終わります。
【実測】先ほどの763記事のうち、本文中から1本も内部リンクを受けていない記事は140本(18.3%)、1本以下は283本(37.1%)でした。記事を書き続けているサイトでも、この状態は自然に発生します。新しい記事を公開するとき、その記事から他へ張ることは意識しても、既存の記事から新しい記事へ張り直すことは忘れられるためです。
Search Engine Journalは2026年6月に「内部リンクの静かな劣化」というテーマを扱っています。内部リンクが効かなくなったのではなく、サイトが大きくなるにつれて本命のページへのリンク供給が細っていく、という問題設定です。この見方は、上の実測とも合います。
URL自体の設計も、あとから直すと内部リンクの張り替えが必要になります。着手前にSEOに強いパーマリンクの決め方を確認しておくと、やり直しを避けられます。サイト構造全体の考え方はSEOを意識したサイト構造の設計で扱っています。
ピラー×クラスターの相互リンク設計は2026年にどう変わったか
ピラーとクラスターという枠組み自体は今も使われています。変わったのは、ピラーを長大な網羅記事にする作り方のほうです。
トピッククラスターモデルは、テーマ全体の入口となるピラーページを中心に、個別テーマを扱うクラスターページが相互にリンクし合う構造です。ピラーからクラスターへ張り、クラスターからもピラーへ返します。
2026年に入って、この型の作り方については見直しが議論されています。AI検索の解説記事で繰り返し出ているのは、次の3点です。いずれも二次情報であり、Googleが公表したものではありません。
- 網羅性を売りにした長大なピラー記事は、AI Overviewsがより包括的な要約を出すようになったため相対的に価値が下がった。短い入口ページと、内容の濃い個別記事の組み合わせのほうが機能しやすい
- ピラーとクラスターの往復だけでなく、クラスター同士の横リンクが必要
- 大きなクラスターを設計して途中で放棄するより、10本前後の密なクラスターを完成させたほうが機能する
【自社経験】この構造は、設計するより維持するほうが難しいものです。片方向だけ張られてもう片方が抜けている、という状態は放置すると必ず発生します。設計手順そのものはトピッククラスターの作り方で解説しています。
Search Consoleで孤立ページを見つける手順
Search Consoleの「リンク」レポートで孤立の候補を絞れます。ただしサンプルなので、確定にはサイトのクロールが要ります。
- Search Consoleにログインし、対象プロパティを開く
- 左メニューの「リンク」をクリックする
- 「内部リンク」セクションの「その他」を開き、内部リンク数の少ない順に並べ替える
- リンク数が0または1のページを書き出す
- そのページの内容に関連する既存記事を探し、本文中からリンクを追加する
ここには2つの限界があります。【公式仕様】1つ目は網羅性です。Googleは「このレポートは、サイト上のすべてのリンクを網羅したものではありません。サイトの全体的なリンクプロファイルを把握するのに役立つ、内部リンクと外部リンクのサンプルが表示されます」と明記しており、表の行数も1,000行に制限されています(出典:Search Console ヘルプ「リンクレポートについて」)。ここに出てこないことは、リンクが無いことの証明にはなりません。
2つ目は、ここで数えられている内部リンク数に、グローバルナビやフッターからのリンクも含まれることです。全ページ共通のナビに載っているページはリンク数が大きく出ます。
このためSearch Consoleは「孤立している候補を絞り込む」用途に使ってください。本文中のリンクが本当に0本かを確定させるには、サイト全体をクロールしてページ間のリンクを一覧にするか、CMSから本文を取り出して数える必要があります。この記事で出した実測値も、WordPressのREST APIで本文を取得して数えたものです。
内部リンクの管理を自動化すべきか
候補出しは自動化できますが、採用は人が判断してください。無人で回すと関連性の薄いリンクが混ざります。
内部リンクを自動で挿入するツールやプラグインは複数あります。2026年の議論を見る限り、「提案はツールやAI、採用は人間」という組み合わせが主流で、完全自動を評価する声はツールの提供側以外ではあまり見られません。指摘されているのは、キーワードの一致だけで挿入すると、アンカーテキストと本文の文脈がずれる、同じアンカーが量産される、リンク先が消えていても気づかない、といった問題です。
ただし、自動化を避けた結果として孤立が積み上がるのもよくあることです。先ほど示したとおり、当社が引き継いだクライアントサイト4件は53ページ中45ページが本文中の被内部リンク0本でした。ツールを使わないことが正解なのではなく、記事が増えたときに誰も全体を見ていない状態が問題です。
【自社経験】当社では、リンク候補の抽出は機械で行い、実際に本文へ入れるかは記事ごとに判断しています。候補の抽出だけでも、孤立ページの見落としは大きく減ります。
やってはいけない内部リンクのNGパターン
避けるべきなのは、読者の役に立たないリンクと、放置されたリンクです。この2つは根拠がはっきりしています。
1. 関連性のないページへの大量リンク
テーマの異なるページへ機械的に張ると、読者は途中で離脱します。Googleのスパムに関するポリシーでも、検索順位の操作を主目的としたリンクは対象とされています。
2. リンク切れの放置
リンク先が削除・移転されると404になります。読者は行き止まりに当たり、クローラーも無駄な巡回をします。記事を削除したりURLを変えたりしたときは、そこへ張っていた側を必ず直してください。
3. アンカーテキストが「こちら」だけ
リンク先に何があるか分からないので、読者はクリックの判断ができません。Googleにもリンク先の内容が伝わりません。
4. 画像リンクのalt属性が空
画像をリンクにする場合、Googleはalt属性をアンカーテキストとして扱います。altが空だと、そのリンクは内容を伝えないリンクになります。
5. hrefの無い擬似リンク<span onclick="location.href='...'"> のような実装は、見た目はリンクでもクローラーがURLを抽出できません。内部リンクとして機能していない可能性があります。
逆に、よく「NG」として挙げられる完全一致アンカーの使いすぎについては、ペナルティの根拠を確認できませんでした。過度に神経質になる必要はありません。
まず何から手をつけるか|今日やる順番
孤立ページの解消、本命ページへの供給、アンカーテキストの見直しの順です。この順番は実測から決めています。
763記事の実測で、本文中の被内部リンクが1本以下の記事は37.1%でした。引き継いだクライアントサイト4件では、53ページのうち53ページすべてが1本以下でした。つまり多くのサイトで、内部リンクは「最適化する」段階の前に「そもそも存在しない」段階で止まっています。
| 順番 | やること | 終わったと判断する基準 |
|---|---|---|
| 1 | サイトをクロールするか、CMSから本文を取り出して、本文中の内部リンクの一覧を作る(Search Consoleの「リンク」レポートは候補の絞り込みに使う) | 全ページぶんのリンク一覧ができている |
| 2 | 被内部リンクが0本のページに、関連する既存記事の本文中からテキストリンクを1本ずつ足す | 手順1の一覧で、被内部リンク0本が0件になった |
| 3 | 検索流入のある記事から、順位を上げたい本命ページへリンクを足す | 本命ページに、流入のある記事からのリンクがある |
| 4 | 「こちら」などになっているアンカーテキストを、内容が伝わる語に書き換える | 汎用表現のアンカーが残っていない |
| 5 | GA4の「経路データ探索」で、追加したリンクの先へ実際に遷移が起きているかを見る | 遷移が起きていないリンクについて、理由が説明できる |
1と2は一度やれば終わります。3以降は記事を追加するたびに発生する作業なので、記事公開のフローに組み込んでください。「公開したら、関連する既存記事から1本張る」を手順に入れるだけで、孤立はほとんど発生しなくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 内部リンクを追加してから、順位が動くまでどのくらいかかりますか?
A. Googleは期間を公表していません。前提として、内部リンクの追加だけで順位が動くとは限らないことは本文の実測で示したとおりです。先に確認できるのはGA4のクリック数と回遊で、こちらは追加した翌日から見られます。順位を判断材料にするなら、リンク追加以外の変更を同時にしないこと、最低でも1か月は待つことをおすすめします。
Q. 古い記事から新しい記事へ張るのと、逆はどちらが良いですか?
A. 新しい記事に評価が無い段階では、既に検索流入のある古い記事から新しい記事へ張るほうが理にかなっています。ただし、その古い記事の文脈に合う場合に限ります。合わないところへ無理に差し込むと読者が離脱するため、リンク先の話題に触れている段落があるかを先に確認してください。
Q. nofollowを内部リンクに付けて、評価の流れをコントロールできますか?
A. できません。かつてPageRankの流れを制御する目的で内部リンクにnofollowを付ける手法(PageRankスカルプティング)が広まりましたが、Googleは2009年6月にこの扱いの変更を公表しています。nofollowを付けたぶんの評価は他のリンクへ回るのではなく、そこで失われます。内部リンクにnofollowを付ける理由は、通常はありません。
Q. 同じページへ1つの記事から2回リンクしても意味がありますか?
A. 読者にとって必要なら置いてください。SEO上の扱いについてGoogleは公表していませんが、同一ページへの重複リンクで評価が2倍になるという根拠はありません。判断基準は、その位置で読者がリンク先を必要としているかどうかです。
Q. 記事を削除したとき、その記事へのリンクはどうすればよいですか?
A. 張っていた側の本文を直してください。削除した記事へリダイレクトを設定した場合でも、リンク元の本文はそのままだと文脈がずれます。リダイレクトは検索エンジンとURLを直接開いた読者への対処であって、本文中の説明までは直しません。
Q. 内部リンクの効果は、どうやって自分で検証できますか?
A. 読者の行動として直接測れるのは回遊です。GA4の「経路データ探索」で、リンク先への遷移が起きているかを見てください。内部リンク1本ごとのクリック数を取りたい場合は、GA4の標準設定では取得できないため、クリックイベントの実装が別途必要です。評価の分配はGoogleの内部処理なので測れず、Search Consoleの表示回数と平均順位の推移から間接的に判断するしかありません。他の変更が混ざると切り分けられなくなります。

