悪質なSEO業者とは、順位や成果を根拠なく約束したり、検索エンジンのガイドラインに反する手法を提案したり、解約しにくい契約で発注側を縛ったりする業者を指します。Google公式は「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と明記したうえで、詐欺的な業者については米FTC(連邦取引委員会)への苦情提出を案内しています。ただし実務で多いのは、あからさまな順位保証よりも「なぜ順位が取れるのか」を説明できない提案のほうです。
創業直後や事業拡大期には、SEO業者からのDMや営業電話が一気に増えます。すでに契約していて「成果が出ていないが、これは自社の問題なのか業者の問題なのか分からない」という状態の方も多いはずです。本記事では、悪質な業者が現れる3つの層(営業トーク・施策・契約)を分解し、契約前のチェック、すでに契約している場合の抜け方、検索被害からの回復までを、Google公式の記載と当社が実際に受けた相談をもとに整理します。
この記事でわかること
- 手口は3層に現れる: 営業トーク・施策の中身・契約条件のどこか1つでも異常があれば、その時点で立ち止まる判断材料になります。
- 知名度は判定基準にならない: 名前が知られ始めた会社に1年依頼して、月間トラフィックが500程度しか積み上がっていなかった相談を実際に受けています。
- 抜けるときは「記録」から確保する: ドメインやアカウントが自社名義でも、作業記録と計測設定がなければ何をされたのか検証できません。
結論|悪質なSEO業者は「営業トーク・施策・契約」の3層に現れる
悪質な業者を1つの特徴で見抜こうとすると失敗します。「順位保証を口にするかどうか」だけを見ていると、保証という言葉を使わずに根拠の薄い見込みを語る業者や、施策は普通でも契約で縛る業者を取りこぼすためです。実務では、業者との接点を営業トーク・施策の中身・契約条件という3つの層に分け、それぞれで異常を点検するほうが確実です。
(アイダイム分析)この分け方には、臨床検査の精度管理(QC)の考え方が下敷きにあります。検査の現場では、測定値が平均から標準偏差の2倍を超えて外れたときに「外れ値」として一旦立ち止まり、原因を確認します。重要なのは、どの程度外れたら何をするかをあらかじめ決めておく点です。業者選びも同じで、異常のシグナルが出たら確認に進むという基準を、契約前に自分の側に持っておくことが最大の防衛になります。
以降のH2でこの3層を順に見ていきますが、その前に、いま契約している業者が危ないかどうかを自分で判定できるようにしておきます。
いま契約している業者が危ないか|10項目セルフ判定
すでに契約している場合、「成果が出ないのは自社のサイトが悪いからだ」と説明されて判断がつかなくなることがあります。次の10項目のうち、当てはまるものがいくつあるかで温度感がつかめます。
| 点検する場所 | 危険なサイン | 健全な状態 |
|---|---|---|
| 順位の話し方 | 「1位を保証します」と断言する | 見込みは示すが保証はしない |
| 提案の根拠 | なぜそのKWで取れるのかを説明できない | 現状の順位と競合状況から手順を示せる |
| Googleとの関係 | 「特別な関係がある」と主張する | 公式ドキュメントを根拠として示す |
| ツールの説明 | 「Google公認ツール」を強調する | スコアの算出根拠を説明できる |
| 外部リンク | リンクの購入・大量設置を提案する | リンクは結果であって施策の主役にしない |
| 記事の作り方 | 本数だけを約束し、中身の設計を示さない | 狙うKWと読者の課題を1本ずつ設計する |
| 作業の記録 | 何をしたかの一覧が受け取れない | 実施内容と日付が残る形で共有される |
| 計測の設定 | 問い合わせや資料請求が計測されていない | 成果地点がアナリティクスに設定済み |
| 契約期間 | 長さの根拠を説明できない | 期間の理由と解約条件を先に説明する |
| 名義と権限 | ドメインや管理画面が業者名義のまま | すべて自社名義で、業者は権限を借りる |
1つでも当てはまれば即解約という話ではありません。当てはまった項目について根拠の説明を求め、それでも説明が返ってこない場合に、次のH2以降の判断へ進みます。
Q. 悪質なSEO業者の見分け方は?
A. 営業トーク・施策の中身・契約条件の3層で点検します。順位保証や「Google公認」といった言葉だけでなく、施策の根拠を説明できるか、作業記録が残るか、解約条件が明示されているかまで確認すると、言葉巧みな業者も判別できます。
手口①営業トーク|「順位保証」より多いのは『根拠の薄い順位獲得見込み』
営業トークの層でまず知っておきたいのは、順位保証が構造的に成立しないという事実です。ただし現在の日本のBtoBでは、露骨に保証を口にする業者より、保証という言葉を避けながら根拠の薄い見込みを語る業者のほうが実際には多く見られます。
Google公式は「1位を保証できる者はいない」と明言している
検索順位は、Google側のアルゴリズム評価、競合サイトの動き、年に複数回行われるアルゴリズム更新という、業者が制御できない変数で決まります。Google公式のドキュメントでも、掲載順位を保証すると主張する業者には注意が必要だとしたうえで、「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と明記されています。つまり保証を掲げること自体が、公式の記載から外れた主張になります。
それでも保証を掲げられる場合、検索数が極端に少ないキーワードを対象に選び、そこでの1位を成果として報告するという形が取られることがあります。契約上は「1位達成」でも、実際の集客にはつながりません。
(自社検証)当社がタイ・台湾で実施したSEOでは、対象キーワードで2週間以内に1位を獲得した実績があります(競合が比較的少ないローカル系キーワードを中心とした条件下)。海外SEO対策では+255%の急上昇を記録したキーワードもあります。ただしこれらはすべて「結果」であり、依頼前に「保証」したものではありません。過去の実績は示せても未来の順位は保証できない、というこの区別自体が、業者を見極める基準になります。
実務で多いのは、獲得根拠を説明できない提案
(実務知見)当社は他社の提案資料を見せられて意見を求められる場面が多くありますが、そこで順位保証が明記されていたことはほとんどありません。代わりに目立つのが、順位獲得の根拠が薄いまま提案が組まれているケースです。実際に見た資料では、競合との比較や生成AIでの引用状況は詳しく整理されている一方で、なぜ自社がそのキーワードで上位に行けるのかという説明が抜けていました。示された実績も「キーワードと検索順位」の一覧だけで、その順位が流入や問い合わせにどうつながったかには触れられていませんでした。
この結果から言えるのは、資料の厚さや分析の細かさは判断材料にならないということです。見るべきは「現状こうだから、この手順でこう変わる」という接続部分が書かれているかどうかです。
(実務知見)もう1つ、体制図も確認する価値があります。ある提案資料では、実際に作業を担当するロールの欄に「別途アサイン」とだけ書かれていました。窓口と責任者の名前は載っていても、手を動かす人が契約時点で決まっていないという状態です。
『Google公認ツール』・特別な関係の主張
業者は契約時や報告時に各種SEOツールのスコアを提示することがあります。ここで注意したいのが、Google公式が第三者製のSEOツールを評価または推奨しておらず、Google検索で「許容される」「承認される」と主張するツールに注意喚起している点です。「Google公認のスコア」や「Googleの内部データに基づく指標」という説明は、原理的に成り立ちません。
(アイダイム分析)ツールのスコア自体が無意味なわけではありません。問題は、それをGoogleの内部評価そのものであるかのように説明することです。業者がツールを使う際は、そのスコアが何をどう計算した値なのかを説明でき、公式ガイダンスと矛盾しないかを確認できる姿勢があるかどうかを見ます。
知名度は判定基準にならない
(実務知見)2026年8月から当社で引き継ぐ案件は、名前が知られ始めているSEO会社に1年間依頼していたサイトです。1年経った時点で月間のトラフィックは500程度にとどまっていました。トラフィックがすべてではないものの、1年という期間に対しては明らかに物足りない水準です。
この経験から言えるのは、社名の知名度や会社の規模は品質の担保にならないということです。悪質な業者と聞くと無名の詐欺的な事業者を思い浮かべがちですが、実際に相談として持ち込まれるのは、名前が通り始めた会社との契約であることも珍しくありません。
Q. SEOの順位保証は本当に可能ですか?
A. 不可能です。検索順位はアルゴリズム評価・競合の動き・アップデートという業者が制御できない変数で決まります。Google公式も「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と明記しており、保証を掲げる業者は検索数の少ないキーワードで実績を演出している場合があります。
営業トークで異常が見つからなくても、次の層である施策の中身に問題があるケースがあります。
手口②施策|被リンク販売と低品質記事の量産が招くもの
施策の層で代表的なのが、外部リンクを売る提案と、記事を本数だけで売る提案です。どちらも短期的には数値が動くように見えますが、検索順位を下げる方向に働くことがあります。
リンクスパムとされる行為はGoogle公式に列挙されている
Googleのウェブ検索スパムに関するポリシーは、リンクスパムを「検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為」と定義しています。具体例として、リンクやリンクを含む投稿について金銭・物品・サービスをやり取りする有料リンク取引、相互リンクのみを目的としたパートナーページ、自動化されたプログラムによるリンク作成、記事広告での作為的なアンカーテキストリンクの大量配布、質の低いディレクトリやブックマークサイトからのリンク、フォーラム投稿への作為的なリンクが挙げられています。
同ポリシーでは、違反しているサイトは「検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります」とされ、対応は自動システムと必要に応じた人間による審査で行われ、場合によっては手動による対策が実施されると記載されています。業者が「安全な被リンクを設置します」と説明する場合、その設置方法が上記のどれにも当たらないかを、公式の記載と照らして確認する必要があります。
「月◯万円で記事◯本」型の量産
記事制作を本数で売る提案も、施策の層で警戒したいパターンです。1本あたりの狙うキーワードと読者の課題が設計されないまま本数だけが積み上がると、既存ページと検索意図が重なって食い合いを起こしたり、内容の薄いページがサイト全体の評価に影響したりします。契約前に確認すべきは本数ではなく、1本ごとにどのキーワードで誰の何を解決するのかが決められているかどうかです。
順位の低下と「手動による対策」は別物
用語を分けておくと、被害の状況を正しくつかめます。ガイドライン違反による順位の低下は、必ずしもSearch Consoleに通知されるとは限りません。一方、Googleの担当者が審査して適用する「手動による対策」は、Search Consoleの手動による対策レポートで実施の有無と履歴を確認できます。レポートに何も表示されていなければ、少なくとも手動による対策は受けていないと分かります。
(アイダイム分析)業者から「アルゴリズム変動の影響です」と説明されたときは、まずこのレポートを見ることをおすすめします。手動による対策が出ているのに変動と説明されていれば、その時点で説明の整合性が崩れます。
Q. 業者が設置した被リンクで順位が下がることはありますか?
A. あります。Googleはランキング操作を主目的としたリンクの作成をリンクスパムと定義し、違反サイトは掲載順位が下がったり表示されなくなったりする場合があるとしています。有料リンク取引や自動生成リンクが該当するため、設置方法を契約前に確認してください。
施策が健全でも、契約の作り方で身動きが取れなくなることがあります。
手口③契約|長期縛り・自動更新・名義という『出られない』設計
契約の層は、発注側がもっとも見落としやすく、そして被害が長引きやすい部分です。典型は、長い最低契約期間、気づかないうちに延長される自動更新、そしてドメインや管理画面の名義が業者側にある状態の3つです。
長期の契約そのものが悪いわけではありません。問題になるのは、期間の長さに対する説明がないまま縛りだけが設定されている場合、そして途中で抜けるための条件が契約書に書かれていない場合です。名義についても同様で、ドメインやサーバーの契約者名が業者のままだと、乗り換えを申し出た時点でサイトそのものを人質に取られた形になります。
(アイダイム分析)契約の層で起きる問題は、施策の良し悪しとは独立しています。施策が普通であっても、抜けられない契約と記録が残らない運用が組み合わさると、成果が出ていないことを検証すらできないまま費用だけが積み上がります。この記事で契約の層を独立して扱っているのは、そのためです。
なお、業者から「口コミを増やします」「自然な形でレビューを投稿します」といった提案を受けた場合は、契約前に手法を確認してください。日本では、広告であることを隠した表示が景品表示法のステルスマーケティング告示(令和5年10月1日施行)の対象になり得ます。ここで重要なのは、措置命令の対象が商品・サービスを供給する事業者、つまり発注した自社側であり、依頼を受けた業者やインフルエンサー等の第三者は規制の対象にならないという点です。業者に任せた施策であっても、責任を負うのは自社になります。
Q. 業者に口コミ施策を任せた場合、責任は誰が負いますか?
A. 発注した自社です。景品表示法のステルスマーケティング告示(令和5年10月1日施行)では、措置命令の対象は商品・サービスを供給する事業者とされ、依頼を受けた第三者は規制の対象になりません。手法は契約前に確認してください。
契約の層に加えて、2026年に入ってから増えているのがAI検索を売り文句にする提案です。
AEO・GEO・LLMOを『別物』として売る営業への注意
AEO(Answer Engine Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)、LLMOは、AI Overviewsや生成AIの回答での露出を狙う最適化の呼び方です。Google公式でも、これらに関する助言について、その内容がGoogle検索の公式ガイダンスに沿っているかを確認するよう記載されています。つまり、AI検索への最適化そのものは正当な領域であり、この言葉を使う業者がただちに悪質というわけではありません。
注意したいのは、AI検索対策をSEOとまったく別の施策であるかのように説明し、根拠なく高額で販売する売り方です。「AI検索で必ず引用されます」といった保証型の表現は、順位保証と同じ構造の異常値と考えてよいでしょう。判断の軸は業界の評判ではなく、その主張が公式ガイダンスと整合しているかどうかに置きます。AI検索最適化の全体像は「【栃木版】LLMO対策の教科書:AIに選ばれる検索戦略とコンサルティング」で整理しています。
Q. AEO・GEOを謳う業者は依頼すべきですか?
A. サービス自体は正当な領域です。Google公式もAEO・GEO向けの助言について、公式ガイダンスに沿っているか確認するよう記載しています。SEOと別物として売り、根拠なく高額を提示する売り方かどうかで判断してください。
ここまでが手口の話です。次に、契約前に何を確認すればよいかを整理します。
契約前チェックリスト|事業用のSEO契約は原則クーリング・オフの対象外
最初に押さえておきたい前提があります。特定商取引法は、契約者が「営業のために若しくは営業として締結する」契約を適用除外としています(同法第26条)。法人や個人事業主が事業のために結ぶSEO契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。ただしこれは相手が法人だから自動的に対象外になるという意味ではなく、その契約の目的・内容が営業のためのものかどうかで判断されます。いずれにせよ、契約後に無条件で戻れる制度は期待できないと考え、契約前の確認に労力を割くのが現実的です。
| 確認する条項 | 危険なパターン | 契約前の聞き方 |
|---|---|---|
| 最低契約期間 | 長さの根拠がなく、割引などの対価もない | 「この期間が必要な理由を教えてください」 |
| 自動更新 | 更新の通知がなく、停止の申し出期限も不明 | 「更新の何日前までに何をすれば止まりますか」 |
| 中途解約 | 解約条件や違約金の記載がない | 「途中でやめる場合の条件を条文で見せてください」 |
| 作業範囲と料金 | 「おまかせ」で内訳が示されない | 「何を・いくらで・どこまでやるかの内訳をください」 |
| 名義と権限 | ドメインや管理画面を業者名義で用意する | 「すべて当社名義で、御社に権限を付与する形で可能ですか」 |
| 記録と報告 | 報告が順位表だけで、実施内容が残らない | 「実施した作業の一覧を日付付きでもらえますか」 |
このうち発注側が判断に迷いやすいのが最低契約期間です。長ければ悪いというものではないため、次に当社の設定を基準として開示します。
最低契約期間は「長さ」でなく「根拠と対価」で見る
(実務知見)当社の場合、最低契約期間は半年に設定しています。理由は、SEOの場合、6か月ほどの期間がないと成果が出にくいためです。そのうえで、最初から1年で契約したいという会社もあり、その場合は割引を適用しています。
この設定から言えるのは、期間の妥当性は長さそのものではなく、なぜその長さが必要かを説明できるか、そして長期化に対して発注側にも利点があるかで判断できるということです。1年や2年の縛りであっても、理由と対価が示され、途中解約の条件が明示されていれば、それ自体は異常ではありません。逆に、半年であっても理由の説明がなく解約条件が書かれていなければ、確認が必要です。
健全な業者の見積書はこう書かれている
作業範囲と料金の開示についても、実例で示します。(自社検証)当社の構造化マークアップ代行は1ページあたり1,000円からを基準としていますが、重要なのはこの金額が作業範囲と環境で変動する点です。コードを作成して納品するだけなのか実装まで代行するのか、WordPressのようなCMSが導入されているのかいないのかで、工数が変わります。一律の金額を提示せず、条件によって費用が変わることを正直に説明できること自体が、内部の工程が整理されている証拠になります。外注全体の費用感は「SEOを外注するメリット・デメリットとは?業者の選び方も解説」でも整理しています。
📌 構造化マークアップの代行をお考えの方はこちら
→ 構造化マークアップ依頼の費用と相場を徹底解説
なお、これから業者を選ぶ段階で、選定の基準や比較の進め方を知りたい場合は「【図解】SEO会社の選び方|失敗しない7つの基準と悪質業者の見分け方」を参照してください。本記事は、すでに怪しい兆候が見えている場合の対処に絞っています。
すでに契約している場合|解約前に確保する「資産・権限・記録」
契約中の業者に不信感がある場合、先に解約を伝えてしまうと、必要なものを回収できなくなることがあります。順番としては、記録と権限を確保してから解約を申し出るのが安全です。
記録|作業ログと計測設定
(実務知見)2026年8月から当社で引き継ぐ案件では、前の会社に1年依頼していたにもかかわらず、作業表が存在せず、この1年で何が行われていたのかが分からない状態でした。加えて、アナリティクスのキーイベント(成果地点)の設定もありませんでした。アカウント自体はクライアントが保有していたためそこは問題なかったものの、実施内容の記録と成果を測る設定の両方が欠けていたことになります。
この経験から言えるのは、乗り換えでもっとも取り返しがつかないのは、ドメインやアカウントよりも記録だという点です。権限は交渉や再発行で取り戻せますが、1年間何をしたかという記録は、失われた時点で再現できません。解約を申し出る前に、実施した作業の一覧、公開・改修したページのURL一覧、順位や流入の推移データを、日付が分かる形で受け取っておいてください。
権限|Search Console・アナリティクス・CMS・広告アカウント
管理画面の権限は、業者側の管理者権限が残ったままだと、解約後に設定を変更されたり、逆に自社が締め出されたりする可能性があります。Search Console、Googleアナリティクス、CMSの管理者、広告アカウントについて、自社アカウントが所有者になっているかを確認します。所有者が業者側になっている場合は、解約を伝える前に移管を依頼するのが安全です。
資産|ドメイン・サーバー・バックアップ・制作物・URL一覧
ドメインとサーバーの契約者名義が業者になっているケースは実際にあります。名義が業者側のままだと、乗り換え時に移管費用を請求されたり、最悪の場合はドメインを手放してゼロから作り直すことになります。あわせて、サイト全体のバックアップ、記事や画像などの制作物の権利の帰属、既存URLの一覧とリダイレクト設定の情報も回収対象です。URL一覧とリダイレクト情報が失われると、サイトを移したときに検索評価を引き継げなくなります。
| 区分 | 確保するもの | 業者側にある場合の対処 |
|---|---|---|
| 記録 | 実施作業の一覧(日付入り)・改修ページのURL一覧 | 解約を伝える前に書面で提出を依頼する |
| 記録 | アナリティクスの成果地点(キーイベント)設定 | 未設定なら自社で先に設定し、計測を始める |
| 権限 | Search Console・アナリティクスの所有者権限 | 自社アカウントへの所有者移管を依頼する |
| 権限 | CMSの管理者アカウント・広告アカウント | 自社の管理者を作成し、権限構成を確認する |
| 資産 | ドメインとサーバーの契約者名義 | 移管の可否と費用を、解約前に文面で確認する |
| 資産 | サイト全体のバックアップ・制作物の権利の帰属 | 契約書の権利条項を確認し、データを受領する |
| 資産 | 既存URL一覧とリダイレクト設定の情報 | サイト移行前に必ず控えを受け取る |
7点がそろってから解約と乗り換えの話に進めば、業者側の対応にかかわらず運用を継続できます。
Q. SEO業者を乗り換えるとき、最初に何をすべきですか?
A. 解約を伝える前に記録の確保から始めてください。実施作業の一覧と改修ページのURL一覧、アナリティクスの成果地点設定は、失うと再現できません。そのうえで管理画面の権限、ドメイン名義などの資産を確認します。
最後に、すでに検索順位やインデックスに影響が出ている場合の回復手順を整理します。
検索被害からの回復|手動による対策の確認と再審査リクエスト・通報先
まず、Search Consoleの「手動による対策」レポートを開きます。ここでは、サイトに対する手動による対策の実施の有無と履歴を確認できます。表示される種類には「サイトへの不自然なリンク」「サイトからの不自然なリンク」のほか、ユーザー生成スパム、構造化データの不正利用、質の低いコンテンツ、クローキングと不正なリダイレクトなどがあります。
手動による対策が出ていた場合の流れは、詳細を確認し、影響を受けるページを確認し、問題を修正したうえで「審査をリクエスト」を選択し、結果をメール通知で受け取るという順序です。公式ヘルプでは、ほとんどの再審査は数日から数週間かかるとされています。リンク関連の場合は通常より時間がかかる可能性があります。
一方、レポートに何も表示されていないのに順位が下がっている場合、再審査リクエストという仕組みは使いません。この場合はコンテンツと構造の見直しが対応になります。
リンクの否認ツールについても、使いどころを誤らないようにしてください。公式ヘルプでは、スパム行為のあるリンク・人為的リンク・品質が低いリンクが数多くあり、それが手動による対策の原因になっている、または今後なる可能性がある場合に使うツールとされ、「ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」と明記されています。新しいリストをアップロードすると既存のリストが置き換わり、否認の解除にも数週間かかるため、条件に当てはまらないまま使うべきものではありません。
詐欺的なSEO業者に関する通報先も用意されています。Google公式は、虚偽または不正なビジネス行為についての苦情窓口として、FTCのオンライン申し立てまたは電話(1-877-FTC-HELP)を案内しており、米国外からはeconsumer.govを案内しています。悪評の拡散やサジェスト汚染など、検索結果そのものに被害が出ている場合の対処は「【図解】逆SEOとは?不都合な検索結果を押し下げる仕組み・費用・業者選び」で解説しています。
(アイダイム分析)通報や法令は最後の手段です。本来は、契約前の段階で3層の異常を検出し、契約に進まないことが最善の防衛になります。すでに契約している場合でも、記録と権限を確保したうえで冷静に抜けることが、回復への最短距離です。
Q. 悪質なSEO業者はどこに通報できますか?
A. Google公式はFTCへのオンライン申し立てまたは電話(1-877-FTC-HELP)を案内し、米国外からはeconsumer.govを案内しています。日本国内では、広告であることを隠した口コミ投稿等が景品表示法のステルスマーケティング告示の対象になり得ます。
📌 いまの業者の提案が妥当か、第三者の目で確認したい方はこちら
→ SEO無料相談で失敗しない!プロに聞く診断内容と業者の選び方
参考情報
- SEO業者の利用を検討する(Google Search Central 公式ドキュメント): https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/do-i-need-seo
- Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google Search Central 公式): https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies
- 手動による対策レポート(Search Console ヘルプ): https://support.google.com/webmasters/answer/9044175
- サイトへのリンクを否認する(Search Console ヘルプ): https://support.google.com/webmasters/answer/2648487
- ステルスマーケティングは景品表示法違反です(消費者庁): https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
- 特定商取引に関する法律 逐条解説(消費者庁): https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20220601la03_06.pdf

