検索クエリの調べ方とは、ユーザーが実際にどの言葉で検索して自社サイトにたどり着いたかを、Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートでクエリ単位に確認することです。GA4(Googleアナリティクス4)単体では検索キーワードの大半が「not provided」となり取得できないため、まずSearch Consoleを見るのが最短になります。本記事では、Search Consoleでの手順、GA4で見る場合の連携方法、クエリが表示されないときの対処、そして「表示は増えたのにクリックが減る」ときの切り分け方までを、当社の実測データつきで解説します。
この記事でわかること
- まずSearch Console: 検索クエリは無料のSearch Console「検索パフォーマンス」で、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位と一緒に見られます。
- 見えない理由は2種類: GA4の標準ディメンションに自然検索のキーワードはありません。ただし実際に見られない原因は、仕様よりSearch Console連携やレポートの公開設定であることが多く、そちらは直せます。
- クリックだけが減るとき: 順位が下がっていないのにクリックだけ減ることがあります。当社の支援先の実測(月間表示5万回規模)と、この記事自身の実測で切り分け方を示します。
検索クエリの調べ方|Search Consoleの検索パフォーマンスで見る
検索クエリは、Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートをクエリ単位で確認します。
無料で、サイトの所有権確認さえ済んでいればその日から見られます。Search Consoleは、ユーザーが自社サイトを訪れる「前」の検索データを持つ唯一の一次データです。検索アナリティクスという旧称で覚えている方もいますが、現在の名称は「検索パフォーマンス」に変わっています。流入キーワードを調べる目的なら、まずここを開けば足ります。
手順|クエリと4つの指標を読む
[検索パフォーマンス]を開き、[クエリ]タブでクリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位の4指標にチェックを入れます。
4つの指標はそれぞれ意味が違い、混ぜて読むと判断を誤ります。Google Search Consoleのヘルプは、各指標を次のように定義しています(公式仕様)。
| 指標 | 公式ヘルプでの定義 | 読み方 |
|---|---|---|
| クリック数 | ユーザーがGoogle検索の検索結果からサイトをクリックした回数 | 実際に来た人数に最も近い数字 |
| 表示回数 | サイトが検索結果に表示された回数 | 需要の大きさ。多いほど市場がある |
| CTR(クリック率) | クリック数を表示回数で割った値 | 検索結果での見せ方の成績 |
| 平均掲載順位 | 検索結果におけるサイトの最上位の平均掲載順位 | その語での現在地 |
期間は既定で過去3か月が表示されます。まず「表示回数が多いのに平均掲載順位が11位以下」の語を探してください。すでに需要があるのに2ページ目にいる語で、伸ばしやすい順に並びます。
ページ単位で見る|そのURLがどのクエリを受けているか調べる
[ページ]タブでURLを1つクリックすると、そのページに絞り込まれた状態で[クエリ]タブに戻れます。
実務で使うのはこの逆引きです。サイト全体のクエリ一覧は語が多すぎて打ち手に落ちませんが、「このページはどの語で表示されているか」に絞ると、記事とクエリのズレがすぐ見えます。狙って書いた語ではなく別の語で表示されている記事は、タイトルか見出しが検索意図とずれているサインです。
逆に、クエリ側をクリックすると、その語で表示されているページが一覧できます。同じ語で自社の複数ページが表示されている場合は、記事同士が食い合っている可能性があります。
なお、ここで見られるのは「すでに自社サイトへ来ている語」だけです。これから狙う語を探す段階なら、キーワードプランナーやサジェストを使う手順を「検索されているワードの調べ方|上位クエリを把握してSEOに活かす実務手順」で解説しています。
Search Consoleでの調べ方について、よくある質問にお答えします。
Q. 検索クエリはGA4とSearch Consoleのどちらで調べるべき?
A. Search Consoleです。GA4は流入後の行動を見るツールで、検索クエリを持っているのはSearch Consoleだけです。GA4で見る場合も、データの出どころはSearch Consoleになります。
では、そもそもなぜGA4だけでは検索キーワードが見えないのか、その仕組みから整理します。
Googleアナリティクスで検索キーワードが見えない理由
見えない理由は2つあります。Googleの仕様で渡されないぶんと、設定が済んでいないぶんです。
このうち直せるのは後者だけなので、順番を間違えると遠回りになります。
(当社の事例では)「GA4で検索キーワードが見られない」というご相談の中身は、仕様の話ではなく、Search Consoleとの連携やレポートの公開設定であることがほとんどです。仕様のほうは誰にも変えられません。先に設定を疑うほうが早く片づきます。設定側の手順は、この記事の「GA4に検索クエリが表示されないときの対処」にまとめました。
そのうえで、仕様のほうも正確に押さえておきます。まず前提として、GA4の標準ディメンションに「オーガニック検索キーワード」は存在しません。Googleアナリティクス ヘルプのディメンション一覧に載っているキーワード系は、自分で utm_term を付けて渡す「手動キーワード」と、広告側の「Google 広告のキーワード テキスト」だけです(公式仕様)。自然検索で来たセッションは、このうち「手動キーワード」の欄が「not provided」になります。
(当社サイトの実測)2026年6月7日〜9月4日のGA4で、セッションの手動キーワードをチャネル別に見ると次のようになりました。
| チャネル | 手動キーワードの表示 | セッション |
|---|---|---|
| 自然検索(Organic Search) | (not provided) | 7,072 |
| 自然検索(Organic Search) | (not set) | 50 |
| ノーリファラー(Direct) | (not set) | 3,864 |
| 参照元サイト(Referral) | (not set) | 89 |
自然検索はほぼすべてが「not provided」、ノーリファラーや参照元サイト経由は「not set」です。同じ欄に2種類の表示が並びます。だから、まずどちらで止まっているのかを見分ける必要があります。
「not provided」になる理由は、SSL(通信の暗号化)にあります。Googleはユーザーのプライバシー保護のため、2011年頃から検索通信を暗号化しました。この暗号化により、自然検索からの流入キーワードがGoogleアナリティクスに引き渡されなくなり、「not provided」と表示されるようになりました。セキュリティ向上のための仕様であり、サイト側の設定では回避できません。
混同されやすい表示に「not set」があります。意味は異なるため、下表で整理します。
| 表示名 | 原因 | 対処の必要性 |
|---|---|---|
| not provided | SSL暗号化による検索キーワードの秘匿 | Search Console連携での対策が必須 |
| not set | 選択したディメンションについて情報が得られていないときのプレースホルダ。表示される原因はレポートによって異なる(公式仕様) | 減らせる(公式ヘルプが「アクションが通常可能」と明記)。そのディメンションに値が入る条件を満たしているかを見る |
表の通り、検索キーワードを取り戻すために対策が必要なのは「not provided」です。これはGA4とSearch Consoleの連携で補完できます。
一方「not set」は別物で、こちらは減らせます。Googleアナリティクス ヘルプは、これを「ディメンションの情報が得られていないときに、アナリティクスで使用されるプレースホルダ名」と定義し、表示される理由はディメンションによって異なると明記しています。そのうえで、値を減らすアクションを講じられない「(data not available)」とは違い、(not set) は「アクションが通常可能」だと区別しています(公式仕様)。
やることはディメンションごとに変わりますが、考え方は1つです。そのディメンションに値が入る条件を満たしているかを見ます。手動キーワードの「not set」なら、utm_term を付けていないというだけです。自然検索や、自動タグ設定を使っている広告では値が入らないのが正常なので、直す必要はありません。
(当社の支援先サイトでの実測)ある支援先では、リスティング広告の1,336,402セッションが手動キーワード「not set」でした。これは自動タグ設定で計測しているためで、広告のキーワードは「Google 広告のキーワード テキスト」のほうに入ります。直すべきなのは、値が入るはずの設定をしているのに「not set」のままのときだけです。
クエリが表示されない原因に関連して、よくある質問にお答えします。
Q. not providedとnot setの違いは?
A. not providedはSSL暗号化でキーワードが秘匿された状態で、Search Console連携が対策になります。not setはそのディメンションの情報が得られなかった状態で、公式ヘルプは「アクションが通常可能」と区別しています。値が入る条件を満たしているかを確認してください。
連携の前に、Search ConsoleとGA4がそれぞれ何を見るツールなのかを押さえておきましょう。
Search ConsoleとGA4の役割の違い
Search Consoleは流入する「前」、GA4は流入した「後」を見ます。役割が重ならないので両方いります。
この2つは入口と出口の関係にあります。下表で取得できる情報と、実務で引っかかりやすい制約を対比します。
| 項目 | Google Search Console | Googleアナリティクス(GA4) |
|---|---|---|
| 見る場所 | サイトに訪れる「前」の検索データ | サイトに訪れた「後」の行動 |
| 取得できる情報 | 検索クエリ、表示回数、CTR、平均掲載順位 | セッション数、ページ閲覧、エンゲージメント、コンバージョン |
| 検索クエリ | 持っている(一次データ) | 持っていない。Search Consoleとの連携で借りて表示する |
| データ反映 | 収集から48時間後に利用可能(公式仕様) | Search Console由来のデータは同じく48時間後 |
| 指標の掛け合わせ | — | Search Consoleの指標と組み合わせられるのは限られたディメンションのみ。セッション数などGA4側の指標とは同じ表に出せない(公式仕様) |
表の最下段は、実務で最もつまずくところです。「検索クエリごとのコンバージョン数を1つの表で出したい」という要望はよくありますが、GA4の標準レポートではできません。Googleアナリティクス ヘルプは、Search Consoleの指標と組み合わせられるのは特定のディメンションのみと明記しています(公式仕様)。クエリ別の成果を見たい場合は、ランディングページ単位で突き合わせる回り道が必要になります。
役割の違いについて、よくある質問にお答えします。
Q. GA4の検索クエリレポートで、クエリ別のコンバージョンは見られる?
A. 標準レポートでは見られません。Search Consoleの指標と組み合わせられるディメンションが限られているためです。ランディングページ単位で突き合わせて推定します。
それでは、実際にGA4で検索クエリを調べる手順を見ていきます。
GA4で検索クエリ(キーワード)を調べる手順【2026年最新】
GA4で検索クエリを見るには、有効なSearch Consoleリンクが必須です。連携してから「検索クエリ」レポートを開きます。
Googleアナリティクス ヘルプは、検索クエリレポートの前提を「有効な Search Console リンク」と明記しています(公式仕様)。連携によって、not providedで失われたキーワードをレポートとして確認できるようになります。
STEP1:GA4とSearch Consoleを連携する
GA4の[管理]>[プロダクトのリンク]>[Search Console のリンク]から、対象プロパティを選んで連携します。
GA4の左メニューから歯車マークの「管理」を開き、「プロダクトのリンク」内の「Search Console のリンク」を選択します。「リンク」ボタンから連携したいSearch Consoleプロパティを選び、データ取得先となるウェブストリームを選択して送信すると、連携が完了します。両方のツールで管理者権限を持っているアカウントで操作してください。
STEP2:「検索クエリ」レポートを確認する
[レポート]に追加された[Search Console]>[検索クエリ]を開くと、クエリごとの4指標を確認できます。
このレポートで扱えるディメンションと指標は決まっています。Googleアナリティクス ヘルプによれば、ディメンションは「Googleのオーガニック検索クエリ」「国」「デバイス カテゴリ」の3つ、指標は「Googleのオーガニック検索のクリック数」「表示回数」「クリック率」「平均掲載順位」の4つです(公式仕様)。Search Consoleで見られる内容とほぼ同じで、GA4の画面から離れずに確認できるのが利点です。
GA4の基本設定やレポート全体の見方から確認したい場合は、「GA4の使い方完全ガイド|基本設定から分析レポートの見方まで図解」で詳しく解説しています。
ここまでが正常な手順です。ただ、実際には「連携したのにレポートが出てこない」というつまずきが非常に多いため、次章で原因ごとに切り分けます。
GA4に検索クエリが表示されないときの対処|4つの原因を上から潰す
原因は4つです。連携の有無、レポートの非公開設定、48時間の反映待ち、仕様上そもそも無い場合の順に見ます。
思い当たるところから直そうとすると遠回りになります。上から順に潰すのが確実です。
| 順 | 原因 | 確認する場所と対処 |
|---|---|---|
| 1 | Search Consoleリンクが無い、または無効 | [管理]>[プロダクトのリンク]>[Search Console のリンク]を確認。検索クエリレポートは有効なリンクが前提(公式仕様) |
| 2 | レポートのコレクションが非公開のまま | [レポート]>[ライブラリ]の「Search Console」カードから公開する。既定は非公開(公式仕様) |
| 3 | データがまだ反映されていない | Search Consoleのデータは収集から48時間後に利用可能(公式仕様)。連携直後は待つ |
| 4 | GA4の標準レポートを見ている | GA4の通常のレポートに検索クエリは存在しない。not providedの仕様のため、Search Console由来のレポートを見る |
最も多いのが2番です。連携は正しく完了しているのに、左メニューに「Search Console」が現れないというケースで、GA4の仕様としてSearch Consoleのレポートコレクションが既定で非公開になっているために起こります。その場合は、左メニュー「レポート」>「ライブラリ」を開き、「Search Console」のコレクションの三点メニューから「公開」をクリックします。公開後にメニューへ表示され、「検索クエリ」レポートが閲覧できるようになります(Googleアナリティクス公式ヘルプに記載の仕様)。
4番は原因というより前提の取り違えです。GA4を隅々まで探しても検索クエリは出てきません。GA4が持っていないデータだからです。それでも急いでクエリを見たいときは、GA4を経由せずSearch Consoleを直接開くほうが早く、48時間の反映待ちの影響も同じです。
表示されない問題について、よくある質問にお答えします。
Q. Search Consoleでは見えているクエリが、GA4の検索クエリレポートに出てきません。
A. まず期間のずれを疑ってください。Search Consoleのデータは収集から48時間後に利用可能になるため(公式仕様)、直近2日を含む期間で比べると件数が合いません。両方を2日以上前までで揃えて比較します。
GA4とSearch Consoleの連携が最も正確な方法ですが、それ以外の流入キーワードの調べ方も押さえておきましょう。
流入キーワードの調べ方|GA4以外も含めた特定法
流入キーワードは、サイト内検索・ランディングページからの推測・キーワードツール・広告の部分一致の4つで補完できます。
Search Consoleで取得できるのは、自社サイトに流入した自然検索クエリです。これに加えて、流入キーワードを別の角度から特定・補完する方法があります。手段ごとの特徴を下表で整理します。
| 調べ方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ランディングページから推測 | 手軽に流入の傾向がわかる | 特定のキーワードまでは絞れない |
| サイト内検索ワードの把握 | 訪問者の潜在ニーズが明確になる | サイト内検索の設置が前提 |
| リスティング広告の部分一致 | 暗号化の影響を受けずデータが正確 | 広告費がかかる |
| キーワードツールの活用 | 広範囲のキーワードと競合状況がわかる | 有料のものが多い |
なかでも見落とされがちなのがサイト内検索ワードの把握です。GA4では「拡張計測機能」の「サイト内検索」を有効化すると、URLのクエリパラメータ(既定では q, s, search, query, keyword の5種)を検知し、view_search_results というイベントとして検索語が search_term パラメータに記録されます(公式ヘルプ記載の仕様)。自社サイトが別のパラメータを使っている場合は、追加で指定することもできます。訪問者がサイト内で何を探しているかは、既存コンテンツに足りない情報を示す貴重なヒントです。
外部ツールを使う場合の料金感も補足します。Ahrefsの公式料金ページによると、日本円の月額プランはStarterが4,460円、Liteが19,900円、Standardが38,400円です(月払い・2026年9月時点の公式表示)。競合サイトの流入キーワードや検索ボリュームを調べる用途で活用できますが、金額を見て分かるとおり、月数万円の固定費です。特定のツールに依存せず、まずは無料のSearch Consoleとサイト内検索から着手するのが費用対効果の高い進め方です。
店舗を持つビジネスの場合は、サイトへの流入キーワードだけでなく、Googleビジネスプロフィール上での反応も同じGA4で確認できます。通話・ルート検索・予約といったローカルの行動をGA4に取り込む手順は「【図解】GoogleビジネスプロフィールとGA4連携|7指標と入らない指標」で解説しています。
📌 検索キーワード分析の設計やクリック減の診断を、自社の状況に合わせて相談したい方へ。
→ SEO会社への無料相談で何を聞く?質問リストと業者の見極め方
複数の方法を組み合わせて流入キーワードを把握する際の疑問にお答えします。
Q. サイト内検索を有効にしたのに、検索語が記録されません。
A. 自社サイトの検索結果ページのURLを見てください。既定で検知されるのは q, s, search, query, keyword の5種だけです。別のパラメータを使っている場合は、拡張計測機能に追加で指定する必要があります(公式仕様)。
ここまでが「調べ方」です。ここからは、調べた結果に必ずと言っていいほど現れる、ある異常の読み方を解説します。
表示は増えたのにクリックが減るときの切り分け方
クリックが減ったら、まず同じ期間の平均掲載順位を見ます。順位が落ちていなければ、原因は順位以外にあります。
検索クエリを調べていると、「表示回数は増えているのに、クリックだけが減っている」ページに出会います。ここで原因をひとつに決めつけると打ち手を外します。順位が落ちたのか、順位はそのままで検索結果での見られ方が変わったのかで、やることがまったく違うためです。
実測|順位が上がったのに、クリックが3割減った
当社の支援先では、平均掲載順位が4.4位から4.1位へ上がったにもかかわらず、クリックが31%減りました。
(当社の支援先サイトでの実測)当社が運用支援しているあるサイトの1ページで、2026年6月から9月にかけて次の動きがありました。サイト名・URL・クエリは伏せますが、数字はSearch Consoleの実測値です。
| 期間 | 表示回数 | クリック | CTR | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-06-07〜07-06 | 49,826 | 4,978 | 9.99% | 4.4位 |
| 2026-07-07〜08-05 | 49,047 | 3,352 | 6.83% | 4.3位 |
| 2026-08-06〜09-04 | 51,851 | 3,414 | 6.58% | 4.1位 |
表示回数は増え、平均掲載順位も4.4位から4.1位へ上がっています。それでもクリックは4,978から3,414へ、31%減りました。順位が下がったからクリックが減った、では説明がつきません。同じサイトの別ページでも、平均掲載順位が3.1位から3.0位とほぼ動かないまま、クリックが1,123から781へ30%減っています。
(当社サイトの実測)一方、いま読んでいるこの記事自身は、同じ期間に表示回数1,645回から1,999回へ増えたのに対し、クリックは23から5へ落ちました。ただしこちらは平均掲載順位も13.2位から15.5位へ下がっています。順位の低下とそれ以外の要因が重なっているケースで、支援先の例とは読み方が変わります。
2つを並べたのは、同じ「クリック減」でも中身が違うことを示すためです。順位が動いていない前者は検索結果での見られ方の問題、順位が下がっている後者は順位の回復も同時に要る問題です。
3ステップで切り分ける|順位・AI表示・タイトルの順に見る
クリック減のページを洗い出し、平均掲載順位を確認してから、AI面での表示が増えていないかを見ます。
③で使うのが、2026年に追加されたレポートです。Google検索セントラルは2026年6月3日に「Search Generative AI performance reports」の提供を発表し、2026年8月31日付けで世界中のすべてのウェブサイトへ展開したと告知しています(公式仕様)。[すべてのレポートとツール]>[パフォーマンス レポート]>[生成 AI パフォーマンス レポート(検索)]から開くと、AIによる概要(AI Overviews)とAIモードでの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付の切り口で確認できます。
ただし、このレポート単体で原因は特定できません。Search Consoleのヘルプによれば、このレポートの指標は表示回数のみで、クリック数もクエリも含まれないためです(公式仕様)。つまり「AI面での露出は増えたが、そこから何人来たか」はレポートに書いていません。だから②の平均掲載順位と、従来の検索パフォーマンスのクエリ別クリックを、必ず突き合わせて読む必要があります。
なお、この生成AIの表示回数は従来の検索パフォーマンス(検索結果)の合計にも含まれています。新しいレポートが増えたからといって、全体の表示回数が水増しされたわけではありません。レポート自体の読み方や、AIによる概要とAIモードで掲載順位の数え方が違う点は「サーチコンソールのAIモードは一律1位ではない|生成AIデータの読み方と点検手順」で詳しく解説しています。
(当社の事例では)3つを突き合わせたうえで、対策に動くかどうかはさらに別の判断になります。順位が動いていないのにクリックだけ減っているページは、本文を機械的に増量しても戻りません。検索結果に出ている自社のタイトルと説明文が、そのクエリの答えを先に見せられているかを直すほうが、当社の事例では先に効いています。
クリック減の切り分けについて、よくある質問にお答えします。
Q. 生成AIパフォーマンスレポートを見ればクリック減の原因が分かる?
A. 分かりません。同レポートの指標は表示回数のみで、クリック数とクエリは含まれないためです(公式仕様)。従来の検索パフォーマンスのクリックと平均掲載順位に必ず突き合わせて読みます。
最後に、調べたクエリを次の一手へ落とし込む手順を整理します。
検索クエリ分析からリライト対象を決める
順位11〜20位で表示が多い語は本文の拡充、順位が高いのにCTRが低い語はタイトルの改善に振り分けます。
検索クエリは、調べて終わりでは意味がありません。指標の組み合わせで打ち手が決まるので、次の3つに仕分けます。
- 表示が多く、順位11〜20位: あと一押しで1ページ目に入ります。その語に答える見出しを増やし、本文を拡充します。優先度は最も高くなります。
- 順位は10位以内、CTRが低い: 中身ではなく検索結果での見せ方の問題です。タイトルとメタディスクリプションを直します。
- 流入しているが直帰が多い: クエリの意図と着地ページの内容がずれています。冒頭でその語の答えを先に出す構成に変えます。
(当社の事例では)表示回数が多い語を見つけたとき、それをH2見出しに昇格させるかどうかは表示回数だけで決めていません。重視しているのは「その語の検索意図に本当に答えられるか」と「読者に新しい気付きを与えられるか」の2点です。答えを持っていない語を見出しにしても、検索意図を満たさない見出しが1本増えるだけで終わります。この線引きが、検索クエリ分析を表面的なキーワード詰め込みにせず、成果に変えるかどうかの分かれ目だと考えています。
季節や話題によって需要が動く語なら、検索需要そのものの推移も併せて見ておくと判断を誤りません。手順は「GoogleトレンドSEO活用7選|急上昇ワードで上位を取る」で解説しています。
狙うキーワードが決まったら、そのキーワードがページのタイトル・H1・本文に実際に入っているかも確認しておきます。当社の無料SEOチェッカーは、URLを入れるとサイトの土台を48項目、狙うキーワードも指定すると51項目で判定します(検索順位や検索ボリュームは判定対象外です)。
検索クエリ分析を起点にしたサイト全体の集客設計については、「AI時代を勝ち抜くSEO集客戦略:企業サイトが取るべき施策」も併せてご覧ください。まずはSearch Consoleの検索パフォーマンスを開いて、表示回数が多いのに11位以下にとどまっている語を3つ書き出すところから始めてください。
検索クエリの調べ方に関するよくある質問
Q. Search Consoleに登録していなくても検索クエリは調べられますか?
A. 自社サイトの実際の流入クエリは調べられません。Search Consoleはサイトの所有権を確認したうえで提供されるデータで、外部ツールが出すのは推定値です。まず登録してください。
Q. 検索クエリとキーワードは同じものですか?
A. 違います。検索クエリはユーザーが実際に入力した語、キーワードは書き手が狙って設定した語です。両者がずれている記事は、狙いと現実が合っていないサインになります。
Q. 連携した直後なのにGA4に何も表示されません。設定を間違えましたか?
A. 設定が正しくても直後は表示されません。Search Consoleのデータは収集から48時間後に利用可能になる仕様です(公式仕様)。2日待ってから、ライブラリでの公開設定を確認してください。
Q. サイト内検索のワードも「検索クエリ」に含まれますか?
A. 含まれません。Search Consoleのクエリはサイトに来る前の検索語で、サイト内検索はサイトに来た後の検索語です。GA4の拡張計測機能で別途取得します。
Q. 表示回数が増えているのは良い兆候ですか?
A. クリックと併せて見るまで判断できません。当社の支援先では、表示回数と順位がともに改善しながらクリックが31%減った例があります。表示回数だけで成果を報告しないでください。
参考情報
- 検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定 – Search Console ヘルプ(Google公式)
- 生成 AI パフォーマンス レポート(検索) – Search Console ヘルプ(Google公式)
- Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console – Google 検索セントラル ブログ(Google公式)
- [GA4] 検索クエリレポート – アナリティクス ヘルプ(Google公式)
- Search Console を Google アナリティクスに接続する – アナリティクス ヘルプ(Google公式)
- [GA4] 拡張計測機能イベント – アナリティクス ヘルプ(Google公式)

