次世代画像フォーマットとは、JPEGやPNGに代わり、同等の画質をより小さなファイルサイズで配信できる新しい画像形式の総称です。代表は2010年にGoogleが公開したWebPと、2019年に登場したAVIFで、いずれもPageSpeed Insightsが推奨します。表示速度の改善を通じてCore Web Vitalsの最適化に寄与しますが、「結局どちらを使うべきか」「どう実装すれば失敗しないか」で迷う方は少なくありません。本記事ではAVIFを主役に、WebPとの違い・選び方・出し分け実装を、自社サイトでの計測結果も交えて整理します。
この記事でわかること
- 結論はAVIF優先のWebP併用: 圧縮率と画質ではAVIFが優位で、pictureタグでAVIF→WebP→JPEGと出し分けるのが2026年の現実解です。
- 効果は表示速度を通じた間接効果: 画像形式の最適化はLCPを改善し、Core Web Vitals経由でページ体験の評価に効きます(直接の順位要因ではありません)。
- 実装条件まで確認が必要: WordPressは6.5でAVIFにネイティブ対応しましたが、サーバ環境とフォールバック設計を押さえないと「次世代フォーマット」の指摘は消えません。
次世代画像フォーマットとは?なぜ今AVIFが主役なのか
次世代画像フォーマットは、従来のJPEG・PNGより高い圧縮効率と画質を両立する画像形式を指します。代表的なのがWebPとAVIFです。WebPはGoogleが2010年に公開した形式で、動画コーデックVP8の技術を応用しています。AVIFは2019年にAlliance for Open Mediaが公開した新しい形式で、動画コーデックAV1の静止画版という位置づけです。
GoogleのページスピードツールであるPageSpeed Insightsやその基盤のLighthouseには、「次世代フォーマットでの画像の配信(Serve images in next-gen formats)」という監査項目があり、対象となるのがこのWebPとAVIFです。JPEGやPNGのまま配信していると、この監査で改善余地として指摘されます。
WebPはすでに広く普及していますが、いま改めてAVIFが注目される理由は、同じ見た目をさらに小さいファイルサイズで配信できる圧縮効率の高さにあります。容量が小さくなるほどページの読み込みが速くなり、表示速度の改善余地が大きい形式として、写真やメインビジュアルを多用するサイトで採用が広がっています。画像最適化の全体像は「画像SEOとは?ポイントと注意点を詳しく解説」もあわせてご覧ください。
AVIFとWebPの違いと選び方
AVIFとWebPは、どちらもJPEG・PNGより軽量という点で共通しますが、圧縮効率・ブラウザ対応・変換負荷に差があります。判断材料を一覧で整理します。
| 項目 | AVIF | WebP |
|---|---|---|
| 登場年・ベース技術 | 2019年・AV1コーデック由来 | 2010年・VP8コーデック由来 |
| 圧縮率(JPEG比) | 約50%減 | 約25〜35%減 |
| AVIF同士の比較 | 同一画質でAVIFはWebPより約20〜30%小さい(画像・条件で変動) | |
| 画質・色 | 高(HDR・広色域・10〜12bit対応) | 標準 |
| ブラウザ対応率(2026年) | 約94% | 約97% |
| 変換(エンコード)負荷 | 重い(時間がかかる) | 軽い(速い・安定) |
| 向く用途 | ヒーロー画像・写真・効果が大きい箇所 | 記事内の挿入画像・互換性重視 |
選び方の指針はシンプルです。圧縮率と画質を極めたい主要画像はAVIF、変換の速さと安定性を優先する挿入画像はWebP、というように役割で使い分けます。そのうえで、対応ブラウザにはAVIF、非対応ブラウザにはWebPを自動で出し分ける運用が理想です。WebP単体のSEOへの影響や変換方法は「次世代フォーマットwebpのSEOへの影響について|変換方法も紹介」で詳しく解説しています。
Q. AVIFとWebPはどちらを使うべきですか?
A. 圧縮率と画質を重視するならAVIF、変換の速さや古い環境での安定性を重視するならWebPです。最適なのはpictureタグでAVIFを優先し、非対応環境にWebPを出し分ける運用です。
この使い分けが、実際のサイトでどのくらいの表示速度につながるのか。次に自社サイトでの計測結果を示します。
自社検証|WebP構築サイトのLCPは1.8秒
(自社検証)当社サイトは構築当初からすべての画像をWebPで配信しています。2026年時点でのLCP(最大コンテンツの描画=メインの画像やテキストが表示されるまでの時間)は1.8秒で、Core Web Vitalsの「良好」とされる2.5秒未満に収まっています。

この結果から言えるのは、JPEG・PNGのままではなく次世代フォーマットで配信するだけでも、表示速度は十分に改善余地を埋められるということです。当社では感覚ではなく計測値で現状を把握したうえで、次の一手を決める進め方を取っています。臨床検査技師の精度管理(QC)と同じく、まず数値で現在地を確認するという考え方です(アイダイム分析)。
現在は、このWebP構築サイトをAVIFへ置き換えた場合にどこまで容量と表示速度を詰められるかを検証中です。結果が出次第、実測値を本記事に追記します(※確認中)。数値の裏付けがない段階で「AVIFにすれば速くなる」と断定はせず、計測ベースで判断します。
ブラウザ対応とフォールバック設計
AVIFは2026年時点で、Chrome・Safari(16以降)・Firefox・Edgeの最新版が対応しており、グローバルでの普及率は約94%です。WebPの約97%に近い水準まで広がっており、もはや実験的な形式ではありません。
ただし、ごく古いブラウザや一部の環境では表示できないケースが残ります。そこで必要になるのがフォールバック(代替)設計です。AVIFが表示できない環境にはWebPを、WebPも表示できない環境にはJPEG/PNGを、というように段階的に代替を用意します。この出し分けを担うのが、次のセクションで解説するpictureタグです。
Q. AVIFのブラウザ対応状況はどうなっていますか?
A. 2026年時点で、Chrome・Safari(16以降)・Firefox・Edgeの最新版が対応しており、グローバルで約94%の普及率です。WebPの約97%に近い水準まで広がっています。
それでは、対応状況の差を吸収する具体的な実装を見ていきます。
pictureタグでのAVIF→WebP→JPEG出し分け実装
非対応ブラウザでも表示が破綻しないようにするには、HTMLのpictureタグを使います。pictureタグは内部に記述した候補を上から順に評価し、ブラウザが対応する最初の形式を採用します。記述順をAVIF→WebP→JPEG/PNGとすることで、対応環境では最も軽いAVIFが、非対応環境では確実に表示できるJPEG/PNGが選ばれます。
<picture> <source srcset="image.avif" type="image/avif"> <source srcset="image.webp" type="image/webp"> <img src="image.jpg" alt="画像の説明"> </picture>
最後の img タグは必須で、これがすべてのブラウザ共通のフォールバックになります。なお、フォールバックのJPEG/PNGに対してPageSpeed側で「次世代フォーマットではない」と指摘されることがありますが、対応ブラウザへAVIF/WebPの配信が成立していれば実害は小さく、互換性確保のための想定内の挙動です。
Q. pictureタグではどう出し分けますか?
A. pictureタグ内にAVIF→WebP→JPEG/PNGの順でsource要素を記述します。ブラウザは上から評価し、対応する最初の形式を採用するため、非対応環境でも表示が破綻しません。
この出し分けをCMSで運用する場合、最も利用者が多いWordPressでの導入手順も押さえておきましょう。
WordPressでのAVIF導入手順と注意点
WordPressは2024年のバージョン6.5で、AVIFにネイティブ対応しました。これにより、特別なプラグインなしでAVIF画像をメディアライブラリにアップロードでき、サムネイルや中間サイズの自動生成も利用できます。
ただし、利用には条件があります。サーバのPHPが8.1以上で、画像処理ライブラリのGDまたはImageMagickがAVIFに対応している必要があります。まずは契約中のホスティング環境がこの条件を満たすかを確認してください。
注意したいのは、WordPress 6.5の標準機能はAVIFの「アップロード対応」であり、アップロードしたJPEGを自動でAVIFに変換出力する機能ではない点です。既存画像をまとめてAVIF化したい場合は、image_editor_output_format フィルタや対応プラグインを使うか、Googleが提供する無料の変換ツールSquooshなどで事前に変換します。Squooshはブラウザ上で画質と圧縮後サイズをリアルタイムに比較できるため、形式選定の検証にも使えます。
Q. 次世代画像フォーマットのデメリットは何ですか?
A. 変換(エンコード)に時間がかかる点と、古いブラウザでは表示されない点です。そのためJPEGやPNGをフォールバックとして用意する実装が前提になります。
エンコード負荷は実装設計に関わるため、もう一点補足します。AVIFは圧縮率が高い反面、画像生成時に消費するCPUと時間がWebPより大きくなります。大量の画像を動的にリアルタイム変換する構成では、サーバ負荷やキャッシュ設計に注意が必要です。
Q. WordPressでAVIFは使えますか?
A. はい。2024年のWordPress 6.5でネイティブ対応し、アップロードや自動リサイズが可能です。ただしサーバのPHP 8.1以上と、GDまたはImageMagickのAVIF対応が条件です。
AVIFとWebPの実装が固まったところで、将来候補として話題に上るJPEG XLの現況も確認しておきます。
JPEG XLの現況と今後の扱い
JPEG XLは、JPEGの正統な後継を目指して標準化された画像形式です。圧縮性能はAVIFに匹敵し、既存JPEGを劣化なしに変換できる特徴を持ちますが、ブラウザ対応が長く課題でした。
経緯を整理すると、Googleは2022年末にChromeからJPEG XLサポートを削除しました。その後、2026年2月のChrome 145でRust製デコーダとして復活しましたが、デフォルトでは無効で、利用にはフラグの有効化が必要です。標準で表示できる主要ブラウザは現状Safariのみで、実効カバレッジは約20〜25%にとどまります。Chromeでのデフォルト有効化は2026年下半期に見込まれていますが、確定ではありません(※確認中)。
したがって、公開WebサイトでJPEG XLを単独の配信形式として採用するのは時期尚早です。現時点での実配信はAVIF→WebP→JPEGの連鎖が確実で、JPEG XLは将来の選択肢として注視する位置づけになります。
Q. JPEG XLは使わない方がよいですか?
A. 2026年2月のChrome 145でフラグ付きで復活しましたが、デフォルトは無効で、標準で表示できるのはSafariのみです。現状の実配信はAVIFかWebPが確実です。
まとめ|画像形式は技術SEOの一項目。構造化と束ねて実装する
2026年の現実解は、AVIFを優先しpictureタグでWebP・JPEGへ出し分ける構成です。AVIFは圧縮率・画質で優位、対応率も約94%まで広がり、WebPと併用すればほぼ全環境をカバーできます。効果は表示速度の改善を通じた間接的なもので、「形式を変えれば順位が上がる」という飛躍は避け、LCPの改善という事実ベースで捉えるのが適切です。
あわせて押さえたいのは、画像形式の最適化はCore Web Vitalsを構成する一手段であり、そのCore Web Vitals自体も技術SEOの一項目に過ぎないという全体観です(アイダイム分析)。画像を軽くしても、構造化データの整備やサイト構造など他の技術要素が抜けていれば成果は伸びません。個別最適ではなく、技術要素を束ねて実装してはじめて効果が出ます。構造化データの考え方は「JSON-LDとは|SEO効果やメリット、構造化マークアップについて具体例付きで解説」で解説しています。
📌 画像形式の最適化は技術SEOの第一歩です。構造化データまで含めて整えるなら
→ 構造化データとは?SEOへの影響と具体的な記述例を解説
参考情報
- AVIF・出し分け実装の解説(Google web.dev):https://web.dev/articles/serve-images-webp
- Lighthouse監査「Serve images in next-gen formats」(Google Chrome):https://developer.chrome.com/docs/lighthouse/performance/uses-webp/
- AVIFのブラウザ対応状況(Can I use):https://caniuse.com/avif
- JPEG XLのChrome対応状況(Chrome Platform Status):https://chromestatus.com/feature/5155708811345920
- WordPress 6.5のAVIF対応(Make WordPress Core):https://make.wordpress.org/core/2024/02/23/wordpress-6-5-adds-avif-support/
- Core Web Vitals(Google検索セントラル):https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-web-vitals

