ドメインランク・パワーの調べ方と目安は?SEOへの影響と上げ方を解説

「自分のWebサイトは、競合と比べてどれくらい強いのだろう?」SEO対策を進めていると、こんな疑問が浮かんでくるものです。

その強さを数値で表したものが「ドメインランク(ドメインパワー)」なのですが、実はGoogle公式の指標ではないことをご存じでしょうか。

この記事では、MozのDAやAhrefsのDRといった主要な指標の違いから、無料でドメインパワーを調べる方法、そしてスコアを上げるための正しいSEO施策まで、最新の海外SEO事情も交えてお伝えしていきます。

ただ数字を追いかけるのではなく、本当に勝てるサイトを作るための考え方を見ていきましょう。

ドメインランク(ドメインパワー)とは?SEOにおける意味

SEOの世界でよく耳にする言葉ですが、その定義を正しく理解しておくことが大切です。実はこの数値、あなたのサイトが検索エンジンからどの程度信頼されているかを示す「予測値」に過ぎないんです。

実際にドメインパワーが弱くても競合には特定のキーワードで勝つことは可能です。

弊社でもクライアントページでAmazonや楽天よりも上位に出した実績は多数あります。

ドメインランク・ドメインスコアの定義

ドメインランク(ドメインパワー)というのは、Webサイトが持つ「検索エンジンからの評価」を数値化したものです。一般的に0から100のスコアで表されていて、数値が高いほどサイトの信頼性が高いとみなされます。

ただし、これはGoogleが直接算出しているわけではありません。MozやAhrefsといったSEOツールの開発会社が、独自のアルゴリズムで計算した「第三者指標」なんですね。この点をまず押さえておきましょう。

Googleのランキング要因ではない(公式見解)

“Just to be clear, Google doesn’t use Domain Authority at all when it comes to Search crawling, indexing, or ranking.” （はっきりさせておきますが、Googleは検索のクロール、インデックス、ランキングのいずれにおいても、ドメインオーソリティを一切使用していません。）

ここが最も重要なポイントです。ドメインランク自体は、Googleの直接的なランキング要因ではありません。Googleのジョン・ミューラー氏も「Googleはドメインオーソリティという指標を使っていない」とはっきり述べています。

つまり、ツールのスコアを上げることだけを目的にしても、必ずしも検索順位が上がるわけではないということです。Googleは各ページごとのコンテンツの質をより重視しています。

それでもドメイン評価を確認すべき理由

では、なぜ多くのマーケターがこの数値を気にするのでしょうか。それは、競合サイトとの「相対的な力関係」を把握するのに役立つからなんです。

自分のサイトの評価が競合より著しく低い場合、同じキーワードで上位表示を狙うのは難しいかもしれません。ドメインランクは、今の立ち位置を知って戦略を立てるための有効なベンチマークになります。

ドメインパワーの調べ方と無料おすすめチェックツール4選

ドメインパワーを計測するツールはいくつかありますが、世界的に信頼性が高いのは以下の4つです。ツールによって指標の呼び名が異なりますが、役割は同じ。それぞれ無料での利用枠がありますので、自分に合ったものを試してみてください。

1. Semrush(セムラッシュ)

世界中のプロのマーケターが愛用する、高機能SEOツールです。

指標名:Authority Score(オーソリティスコア)

無料利用:無料アカウント作成で、1日10回まで検索可能。

特徴:単純なリンクの数だけでなく、「検索トラフィック(実際のアクセス傾向)」や「リンクの質」を高度に分析して算出されます。スパム的な手法を除外した「実態に近い信頼性」を測れるのが最大の強みです。

2. Ahrefs(エイチレフス)

Semrushと並ぶ業界標準ツールで、被リンクデータの更新頻度が非常に高いのが特徴です。

指標名:DR(Domain Rating)

無料利用:公式サイトの「Website Authority Checker」にて、登録・ログインなしで即座にチェック可能(簡易版)。

特徴:手軽にサクッと数値を調べたい時に最適です。SEOツールの中でも非常にシビアな評価を下すことでも有名です。

3. Moz(モズ)

ドメインパワー(ドメインオーソリティ)という概念を広めた老舗ツールです。

指標名:DA(Domain Authority)

無料利用:「Link Explorer」で月10回まで(要アカウント)。またはChrome拡張機能「MozBar」を利用。

特徴:拡張機能を入れると、Googleの検索結果画面に常にDAを表示できるため、競合調査に便利です。「Googleでランクインしやすいか」という予測性を重視しています。

4. Ubersuggest(ウーバーサジェスト)

画面が見やすく、ブログ初心者の方に人気のツールです。

指標名:DA(Domain Authority)※Mozのデータを参照

無料利用:1日3回まで検索可能。

特徴:日本語のUIが分かりやすく、具体的な改善アドバイスも表示されます。

ツール機能比較表

それぞれの特徴を比較しました。迷った場合は、精度の高いSemrushか、手軽なAhrefsがおすすめです。

ツール名	指標名	アカウント登録	無料利用の範囲	おすすめポイント
Semrush	Authority Score	必要	1日10回	精度重視。実態に近い数値が出る
Ahrefs	DR	不要	無制限(簡易)	手軽さ重視。登録なしですぐ使える
Moz	DA	必要	月10回	拡張機能で検索結果上に表示可能
Ubersuggest	DA	不要	1日3回	初心者向けで見やすい画面

具体的な調べ方(Semrushの例)

最も多角的に分析できるSemrushを使った手順を紹介します。

• Semrush公式サイトへアクセス
• 無料のアカウント登録を行います(メールアドレスのみで可能です)。
• URLを入力
• トップページの検索窓に、調べたいサイトのURL(自サイトや競合サイト)を入力して検索します。
• 「Authority Score」を確認

表示されたダッシュボードの中にある「Authority Score」という数値が、あなたのサイトのドメインパワーです。

数値を分析する際の3つの注意点

ドメインパワーを見る際、以下のポイントを理解しておくことが重要です。

複数のツールで見比べない(1つのツールに絞る)

ツールごとに計算式(アルゴリズム)が全く異なります。

NG:「Semrushでは20だったのに、Ahrefsでは10しかない!下がった?」

OK:「Semrushで先月18だったのが、今月20になった。順調だ。」

このように、同じツールの数値を使って、過去の自サイトと比較して成長を測ってください。

開設直後は「0」でも焦らない

サイトを開設して数ヶ月は、どれだけ良い記事を書いても数値は「0」付近です。運用歴が長くなって、他サイトからのリンク(被リンク)が増えるにつれて徐々に上がっていきます。

あくまで「目安」として捉える

これらは各ツール会社が独自に算出したもので、Google公式の数値ではありません。ドメインパワーが低くても、コンテンツの質が高ければ検索1位を取ることは十分に可能です。

数字を上げること自体を目的にせず、「良質なコンテンツ作り」の結果として数値がついてくると考えましょう。

ドメインランク・パワーランクの目安と評価基準

「私のサイトのスコアは30点ですが、低いですか?」という質問をよく頂きます。しかし、このスコアは絶対的な通知表ではありません。

スコアは「絶対値」ではなく「相対評価」で見る

ドメインランクは、ウェブ上の他のすべてのサイトと比較した「相対評価」です。そのため、自分のサイトのスコアが下がっていなくても、競合サイトの評価が上がれば、相対的に自分のランクが下がることがあります。

重要なのは「何点取れたか」ではなく、「狙っているキーワードの上位サイトと比較してどうか」という比較の視点です。

【業界別】ドメインパワーの目安・平均

一般的な目安として、以下の数値を参考にしてください。

• 新規サイト:0〜10程度(運用初期は皆ここから始まります)
• 中小規模ビジネス:30〜50程度(地域密着型や特化型サイト)
• 大手メディア・企業:60〜80以上(長年の運用歴と大量のリンクを持つ)
• 世界的プラットフォーム:90以上(Wikipedia、Facebook、Googleなど)

業界全体の平均スコアは異なります。ニッチな業界であればスコア30でもトップになれますが、激戦区では60でも足りない場合があります。

スコア60以上は「非常に強い」?数値の読み解き方

これらのスコアは「対数スケール」を採用しています。これは、スコアを20から30に上げる難易度よりも、70から80に上げる難易度の方がはるかに高いことを意味します。

RPGのレベル上げのように、高レベルになるほど次のレベルへの経験値が指数関数的に増えるイメージです。ですので、初期段階でスコアが急上昇しなくても焦る必要はありません。

ドメインパワー(ドメイン評価)を上げる3つの方法

スコアを上げるための特効薬はありませんが、地道で確実な上げ方は存在します。本質は「他者から参照される価値あるサイト」になることです。

高品質な被リンク(バックリンク)の獲得

ドメインパワーに最も大きな影響を与えるのが被リンク(バックリンク)です。権威あるサイトからのリンクは、Googleに対して「このサイトは信頼できる」という投票となります。

ただし、リンクを購入するなどの人工的な外部対策はペナルティのリスクがあるため厳禁です。関連性が高く、信頼できるサイトからのリンク獲得を目指しましょう。

質の高いコンテンツによる自然なリンク誘発

最も安全かつ効果的な戦略は、質の高いコンテンツを作成することです。「一次情報が含まれている」「独自の調査データがある」「図解がわかりやすい」といった記事は、他のブロガーやメディアから自然と引用されます。

これを「リンクアセット(リンクされる資産)」と呼びます。ユーザーの役に立つ記事を書くことが、結果としてドメインの改善に繋がります。

内部リンク構造の最適化とテクニカルSEO

外部からの評価だけでなく、サイト内の構造も重要です。関連する記事同士を内部リンクで適切に繋ぐことで、サイト全体の専門性と権威性が高まります。

また、トップページに集まったリンクジュース(評価)を、内部リンクを通じて重要な下層ページへ分配することも可能です。クローラビリティを向上させるテクニカルな施策も忘れずに行いましょう。

ドメインランクをチェックする際の注意点と誤解

ツールの数値を盲信するのは危険です。ここでは、数値の裏に隠されたリスクや、正しい検索意図の捉え方について解説します。

インデックス削除されたサイトでも高スコアが出る矛盾

驚くべきことに、Googleからペナルティを受けてインデックス削除(BAN)されたサイトであっても、ツールのドメインスコアが高いままというケースがあります。これはツールがGoogleのペナルティ状況まで完全に把握できないためです。

つまり、独自ドメインのスコアが高くても、実際の検索流入がゼロという事態があり得ます。中古ドメインを購入する際などは特に注意が必要です。

スコアの急落・変動が起きる原因

「何もしていないのにスコアが下がった」という場合、原因はいくつか考えられます。一つは、リンク元サイトの評価下落やリンク削除。もう一つは、スパムスコアの高い低品質なリンクが増えたことによるマイナス評価です。

また、ツール側のアルゴリズム更新によって数値が変動することもあります。短期的な変動に一喜一憂せず、運用歴を通じた長期的なトレンドを見ましょう。

ドメインパワーだけを目的にしてはいけない理由

低品質なリンクを大量に集めれば、見かけ上のスコアを上げることは可能かもしれません。しかし、それはGoogleのガイドライン違反であり、最悪の場合リンク否認を行う手間やペナルティのリスクを招きます。

目的はあくまで「検索ユーザーへの価値提供」であり、ドメインパワーはその結果としてついてくる「ご褒美」だと捉えてください。

まとめ:ドメインランクは競合比較の「ものさし」として活用しよう

ドメインランク(ドメインパワー)は、Google公式の指標ではありませんが、SEO戦略を立てる上での重要な「ものさし」です。

• 絶対値ではなく相対評価で競合と比較する
• MozやAhrefsなどの特性を理解して使い分ける
• 被リンク獲得は「高品質なコンテンツ」の結果である

数値そのものを目標にするのではなく、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信し続けることが、最終的に強いドメインと検索上位獲得に繋がります。

まずは無料ツールを使って、自社サイトと競合サイトのドメインパワーを比較してみましょう。もし競合より数値が大幅に低い場合は、コンテンツの見直しや内部リンクの強化から始めてみませんか?