AI検索エンジン比較2026|主要8社の一覧と、引用されているか測る方法

AI検索エンジン比較2026|主要8社の一覧と、引用されているか測る方法

AI検索エンジンとは、質問に対してLLM(大規模言語モデル:大量のテキストで学習した言語AI)がウェブを検索し、出典付きの回答文を生成する検索システムです。ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claudeが代表格で、競うのは検索順位ではなく「回答文に引用されるか」です。

ただし2026年に入って、この分野の前提が2つ崩れました。ChatGPTはもうBing頼みではありませんし、「シェアの大きいAIに賭ける」という定石も、どの物差しで測るかで結論が逆になります。本記事は、主要8サービスの一覧から、各社の検索バックエンドの最新、そして「自社がどのAIに引用されているか」を実際に測る方法までを、当社の実測値を添えて整理します。

この記事でわかること

  • ChatGPTの検索基盤は入れ替わった: 2026年8月時点の観測では自社インデックスが主軸で、Bing上位20件との重複はわずか1.5%。「Bing対策=ChatGPT対策」という前提は使えません。
  • シェアは物差しで像が変わる: サイト参照シェアではClaudeは2.57%ですが、BtoB限定のパネルでは4.5%とも18.5%とも報告されます。1つの数字で賭け先は決まりません。
  • 賭けるなら配布網を持つ側: モデルの性能差は縮み、堀は配布へ移りつつあります。GeminiとCopilotに寄せる打ち手の中身は、実は従来のSEOそのものです。
  • 測る手段には穴がある: 主要な可視性ツールはClaudeを標準では測れません。まずGA4で拾うのが先で、当社の実測では既定チャネルがAI経由の3割しか捕捉していませんでした。
目次

AI検索エンジンとは?従来の検索と何が違うのか

AI検索エンジンは、リンクの一覧ではなく出典付きの回答文を返す検索で、競う対象が順位から引用へ移ります。

主要なAI検索では、引用元として表示されるのは数件にとどまることが多く、「上位10件に入るか」ではなく「その数件に選ばれるか」が勝負になります。表示件数はサービスや質問の内容によって変わるため、決まった数があるわけではありません。従来のGoogle検索では、上位10件のリンクが並び、ユーザーが自分でクリックして情報を取りに行っていました。【自社経験】当社が代行しているサイトでも、Googleで上位にあるページがAIの回答にまったく出てこない例が実際にあります。従来のSEO評価軸だけでは説明できない動きです。

【公式仕様】Google検索でも、クエリの約48〜55%でAI Overview(生成AIによる要約回答)が表示されます。【実測】また、日本人の37.0%がAIを検索に利用しているという調査もあります(サイバーエージェント「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」2026年2月)。意思決定の起点は、検索結果ページからAIの回答文へ移りつつあります。

評価軸 従来検索(Google) AI検索(ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude)
ユーザーへの出力 上位10件のリンク一覧 AI生成の回答文+数件の引用元
評価される条件 検索順位(被リンク・KW一致・CTR) 引用適格性(事実密度・構造・外部露出)
クリックの発生 ユーザーが自分でリンクを選ぶ 引用カードから遷移(件数は限定的)
競争の性質 10サイトが並列表示(露出の量) 数サイトのみ引用(引用の質)
対策の主軸 SEO(検索順位の向上) GEO/LLMO(引用適格性の向上)

従来検索が「露出の量」を競う場であるのに対し、AI検索は「引用の質」を競う場です。この違いを押さえたうえで、まず似た用語を整理しておきます。

GEO・LLMO・AEO・AIOの違い

4つは競合ではなく層の違いで、本記事では技術層・設計層・回答設計・Google特化と整理します。

ただしこれは標準化された公式分類ではなく、実務で混乱しないための当社の整理です。呼び名が乱立しているのは業界の共通語がまだ固まっていないからで、AIOをGoogleのAI Overviews対策に限って使うかどうかも書き手によって違います。そのうえで、次のように切り分けると実務は進めやすくなります。

用語 正式名称 扱う層 主な実装
LLMO Large Language Model Optimization 技術層(正しく読ませる) エンティティの明示定義・構造化データ・クローラビリティ
GEO Generative Engine Optimization 設計層(引用されやすくする) 結論先出しの構成・事実密度・外部露出設計
AEO Answer Engine Optimization 回答設計(質問に答える) FAQ設計・定義文・引用の再現性の計測
AIO AI Overviews Optimization Google特化(AI概要に出る) AI Overviews表示クエリの把握・スニペット設計

LLMOをやらなければGEOの成果は安定しません。逆にLLMOだけ完璧でも、GEOの設計がなければ引用には至りません。AEOの「引用は同じ質問でも入れ替わる」という前提と、その測り方はAI引用のゆらぎを測って本当の低下を見分ける方法で詳しく扱っています。

AI検索エンジン一覧【2026年9月版】主要8サービス

実務で押さえるべきAI検索は8つで、検索特化型とチャット統合型の2つに分かれます。

検索そのものを主機能にしたものが検索特化型、チャットに検索が乗ったものがチャット統合型です。この分類が必要なのは、対策の入口が違うからです。検索特化型はインデックスへの掲載と適合性が勝負になり、チャット統合型は「そもそも検索を発動するか」から考える必要があります。以下は、シェア調査(Statcounter・Similarweb)に登場する主要サービスを、この2軸で並べたものです。

サービス 提供元 分類 検索の土台(2026年時点の観測)
ChatGPT(ChatGPT Search) OpenAI チャット統合型 自社インデックス主体+外部から購入した検索結果の混成
Google AI Overviews/AI Mode Google 検索特化型 Google検索そのもの
Gemini Google チャット統合型 Google検索API
Perplexity Perplexity AI 検索特化型 自社インデックス+外部検索
Claude Anthropic チャット統合型 Brave Search(+2026年5月にturbopufferを追加)
Microsoft Copilot Microsoft チャット統合型 Bing検索
Grok xAI チャット統合型 ウェブ+X(旧Twitter)のリアルタイム投稿
DeepSeek DeepSeek チャット統合型 ウェブ検索(日本語圏での参照は限定的)

日本のBtoB企業がまず見るべきは、上から5つです。GrokとDeepSeekは、当社が観測している範囲では自社サイトへの参照がほとんど発生していません(後述の実測を参照)。次に、中心となる4社のスペックを比較します。

4大AI検索の基本スペック比較——検索バックエンドは2026年に組み変わった

2026年の最大の変化は、ChatGPTがBing依存から離れて自社インデックスへ移ったことです。

各AIが読んでいる検索エンジンは、1年前の解説記事とは別物になっています。この「どの検索結果を読んでいるか」は、対策の入口を決めます。読んでいる先が違えば、同じ施策が同じように効くとは限らないためです。なお以下の表は各社の公式仕様ではなく、2026年時点の第三者観測と公開情報から整理した傾向です。各社とも内部アルゴリズムは公開していません。

評価項目 ChatGPT Gemini Perplexity Claude
検索の土台 自社インデックス主体+購入した検索結果 Google検索API 自社インデックス+外部検索 Brave Search(過渡期)
Google順位との関係 低(Bing上位20件との重複は1.5%) 高(Google連動) 中(ドメイン権威より適合性) 中(Googleとの引用重複64%)
観測されている引用元の傾向 メディア・掲示板(Reddit) ブランド公式・公的機関 専門ニッチサイト・学術文献 Brave上位の構造化・ドキュメント型
観測から推測される評価の軸 世論の合致(集合知) 自称の正当性(公式サイト) 専門家の細部(深化情報) Brave上位順位(再ランクなし)
技術的な制約 JavaScript未実行・ページ4MB上限 Google検索側の評価を通過する必要 情報の新しさを重視するとの観測 そもそも検索を発動しない場合が多い
AIエンジンと検索の土台(2026年9月時点の観測) ChatGPT → 自社インデックス(主軸)+購入した検索結果 ※Bing上位20件との重複は1.5%。2025年までの「Bing連動」とは別物 Gemini → Google 検索API Perplexity → 自社インデックス + 外部検索 Claude → Brave Search(上位10件をほぼそのまま引用) ※2026年5月にturbopufferが追加され、構成は移行期にある Microsoft Copilot → Bing 検索 / DuckDuckGo も検索結果はBing由来

この図の上下2つ、ChatGPTとClaudeが2026年に動いた部分です。順に見ていきます。

ChatGPTはもうBingではない|自社インデックスへの移行

ChatGPTの検索結果は自社インデックスが主軸で、Bing上位20件との重複は1.5%しかありません。

【実測】Search Engine Landが2026年8月時点で公開した検索スタックの観測によると、ChatGPTの取得経路は複数に分かれており、中心はOpenAI自身のインデックスです。これに、外部から購入したGoogle検索結果のスクレイプが補助的に混ざります。同じ質問に対して、Bingの上位20件と一致したURLは1.5%にとどまりました。

この観測が正しければ、「Bingに強くなればChatGPTに引用される」という2025年までの定石は、もう前提として使えません。Bingへの登録自体は無駄ではありませんが、それだけを打ち手にするのは危険です。

同じ観測から、実装上の制約も分かっています。OpenAIのクローラーはJavaScriptを実行しません。クライアント側で描画している本文は、そもそも読まれない可能性があります。またページは4MBが上限で、これを超えるページは取得の対象から外れます。取得されたページのうち、実際に「開かれた」ページの引用率は約74%だったのに対し、取得だけされて開かれなかったページは約7%にとどまりました。

【自社経験】当社が代行しているサイトでも、JavaScriptでタブ切り替えして本文を出し分けている構成は、AI検索の引用実績が極端に低く出ます。読まれる形になっているかどうかは、デザインの好みではなく取得可能性の問題です。

ClaudeとBrave Search|86.7%重複はいつの話か

2026年6月の調査では、Claudeの引用先とBrave Search上位の重複が高いと観測されました。

断定できるのは「2026年6月時点の観測」までです。【実測】2026年6月12日、Search Engine LandがProfoundの分析を報じ、Claudeの引用URLとBrave Search上位10件の重複が86.7%(15件中13件)に達したと伝えました。同じ分析で、ClaudeとChatGPTの引用元の重複はわずか8%、Googleとの重複は64%です。これは特定のプロンプト群を対象にしたサンプル調査であり、母数は大きくありません。数値そのものより、「ClaudeはBraveの順位に強く引きずられる」という傾向のほうが実務に効きます。

【公式仕様】一方で、Anthropicが公開しているサブプロセッサ(外部委託先)の一覧には、Brave Search(2025年3月追加)に加えて、turbopufferが「Web Search」の区分で2026年5月6日に追加されたと報告されています。ただし公開されているのは一覧への追加までで、turbopufferが検索結果の選定にどう関わるかは公表されていません。それでも、「ClaudeはBrave」と固定して考えるのは、そろそろ危うい段階です。

Braveの掲載状況を確認するときに知っておきたいのが、Braveのインデックスの作られ方です。BraveにはGoogle Search Consoleのような手動のURL送信機能がありません。代わりにWeb Discovery Project(WDP:Braveブラウザ利用者から匿名の閲覧データを収集するオプトイン型の仕組み)を通じてインデックスされます。新規サイトや訪問の少ないサイトは、search.brave.comで自社ドメインの掲載状況を確認するところから始めることになります。

なお、同じ「Google以外」でもDuckDuckGoは事情が違います。DuckDuckGoの検索結果はBing由来で、Braveのような独自インデックスではありません。Brave対策とDuckDuckGo対策は別物です。混同すると、打ち手を間違えます。

もう1つ、Claudeには「そもそも検索しない」という特性があります。【実測】Claudeがウェブ検索を実行するのは全プロンプトの36.6%で、ChatGPTの約90%と比べて大きく低い水準です。検索が発動しやすいのは、鮮度を求める質問(「best○○」など81%)、ランキング系(67%)、ロケーション系(55%)、比較系(「X vs Y」など51%)。逆に「仕組み」「とは」「手順」型の質問では検索せず、学習済みの知識だけで答える傾向があります。この場合、どれだけ良いページを作ってもそもそも引用されません。

GeminiとPerplexity|Google連動と自社インデックス

GeminiはGoogle検索と連動し、Perplexityは自社インデックスで質問との適合性を重視します。

GeminiにはGoogle SEOの土台がそのまま効き、Perplexityはドメインの強さより中身の一致で選びます。Geminiの内部処理は公開されていませんが、第三者の調査では、Google検索で候補を取得したうえで、著者の専門性が明示されているか、ドメインが権威あるブランドとして認識されているか、段落が切り取っても意味が通るか、といった要素と引用の相関が報告されています。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)というGoogleの評価軸と重なる部分が多い、というのが現時点で言えるところです。

Perplexityも同様に、質問との意図の一致、情報の新しさ、構造の整理、他のソースからどれだけ参照されているかとの相関が報告されています。掲示板やコミュニティ系のサイトが引用されやすいという観測も複数あり、これは書かれた内容が他のスレッドから繰り返し参照される構造によるものと見られます。いずれも公式に確認された仕様ではなく、外部からの観測です。

シェアで賭け先は決まらない|BtoBでは像が変わる

AIのシェアは使う物差しで像が変わり、同じClaudeが2.57%とも18.5%とも報告されます。

つまり「シェアの大きいAIに投資する」という判断は、どの数字を見たかで結論が逆になります。この分野の解説記事は、たいてい1つのシェア表だけを根拠に「ChatGPTに集中すべき」と結論します。しかし少なくとも3種類の物差しがあり、それぞれ測っているものが違います。

「AIのシェア」には3つの物差しがある ① サイト参照シェア(AIがサイトへ送った訪問の内訳) 集客に直結する。ChatGPTが約8割を占める ② 利用規模シェア(AIそのものが何人に使われているか) 将来の見込み。Gemini・Claudeの比率が跳ね上がる ③ 自社の実測(自分のGA4に実際に何が来ているか) これが唯一、自社の意思決定に使える数字

まず①のサイト参照シェアを、4か月前と並べます。【実測】Statcounterの集計です。

時点 ChatGPT Gemini Perplexity Copilot Claude
2026年4月 76.85% 9% 7.73% 3.76% 2.66%
2026年8月 79.4% 10.9% 4.31% 2.79% 2.57%

注目すべきはPerplexityです。7.73%から4.31%へ、4か月でほぼ半減してCopilotとの差も詰まりました。「いま3位だから3位に投資する」という判断が、半年後には外れるということです。

次に②の利用規模シェア。【実測】Similarwebの集計(2026年5月、Momentic経由)では、ChatGPT 53.9%/Gemini 27.9%/Claude 9.2%/DeepSeek 4.1%/Grok 2.4%/Perplexity 1.3%/Copilot 1.3%。①と比べると、GeminiとClaudeの比率が大きく上がり、Perplexityは逆に下がります。「よく使われているAI」と「サイトに人を送るAI」は別物だということです。

そしてBtoBに絞ると、像はさらに割れます。

調査 期間 ChatGPT Gemini Claude Perplexity
Octane11(BtoB 4億セッション) 2026年6月 79% 9.8% 4.5% 4.2%
AI Search Traffic Report Wave 2 2026年3〜4月平均 62.6% 10.6% 18.5% 7.3%

同じ「BtoBのAIリファラ」で、Claudeが4.5%と18.5%に割れています。パネル(調査対象のサイト群)が違えば結論が変わるということで、他人のシェア表を根拠に自社の賭け先を決めるのは、そもそも無理があります。

もう1つ、投資判断に直結する数字を出しておきます。【実測】Octane11の同じ調査によると、AI検索はBtoBの検索リファラ全体の2%未満で、96%超はいまも従来のオーガニック検索です。ただし同時に、AI検索経由の実数は2025年3月から35倍に増えています。

この2つは矛盾しません。足元の集客はまだ従来のSEOが支えており、AI検索は「小さいが最も速く伸びている入口」だということです。SEO会社としては都合の悪い数字ですが、これを隠して「いますぐLLMOをやらないと手遅れ」と煽るのは誠実ではありません。当社の判断は、土台のSEOを崩さず、AI検索は測りながら育てる、です。AI経由の流入が実際にどのような質を持つのかはAIリファラルとは?質がCVRを高める仕組みで整理しています。

賭けるなら配布網を持つ側|GeminiとCopilotに寄せるという考え方

モデルの性能差は縮んでおり、競争の堀はモデルそのものから配布網へ移りつつあります。

ここからは事実の整理に、当社の見立てを重ねます。どこまでが観測でどこからが判断かを分けて読んでください。

まず事実のほうから。AIモデルの性能は、急速にコモディティ化しています。ある性能水準に到達するためのコストは、フロンティアモデルで年5〜10倍のペースで下がっており、すでに広く行き渡った性能帯では年40〜900倍という試算もあります。具体的には、GPT-3.5と同等の性能を得るコストが、2022年11月の100万トークンあたり20.00ドルから2024年10月には0.07ドルへ、280倍以上下がりました。クローズドなモデルとオープンなモデルの差も、いまや年単位ではなく数か月単位です。

この分析には続きがあります。モデルの知能そのものが守りにくくなる一方で、配布網・企業内への統合・計算資源・安全審査・規制上の地位が、新しい堀になるという指摘です。つまり「どのAIが賢いか」ではなく「どのAIが人の目の前に置かれているか」で勝負が決まる方向に動いている、ということになります。

では、配布網を持っているのは誰か。【公式仕様】GoogleはGeminiをChrome・Android・Workspaceに統合し、2026年時点では既定でオンの状態で提供しています(利用者が明示的に切った場合を除く)。Microsoftは、Microsoft 365 Businessが入ったWindows 11に対して、2026年6月から7月にかけてMicrosoft 365 Copilotアプリの自動インストールを実施しました(管理者は明示的に除外設定が必要。欧州経済領域は対象外)。2026年半ばからは、Windows 11のタスクバーにも「Ask Copilot」が入ります。

一方、ChatGPT・Claude・PerplexityにはOSもブラウザもオフィスソフトもありません。ユーザーが自分でアプリを開くか、ブラウザでURLを打つ必要があります。

ここから先は当社の見立てで、確定した事実ではありません。AIを本業にしていない会社――つまりGoogleとMicrosoftは、AI単体の収益で事業の継続を判断される立場にありません。検索広告やOS、業務ソフトという本業があり、AIはそこに載せる機能です。対してAIを本業にしている会社は、モデルの優位が薄れたときに、配布網という代わりの武器を持っていません。この差は、中長期では効いてくると考えています。

この見立てに立つと、GeminiとMicrosoft Copilotに寄せる打ち手のほうが、崩れにくいという判断になります。そして重要なのは、その中身です。

GeminiとCopilotに寄せるとは、Google検索とBingへの掲載を固めることです。本記事の前半で見たとおり、GeminiはGoogle検索と連動し、CopilotはBingを読んでいます。ChatGPTは自前のインデックス、ClaudeはBrave Searchという固有の土台を持ち、それぞれ専用の打ち手を要求してきます。しかしGeminiとCopilotは、従来の検索エンジン対策がそのまま効きます。つまりこれは新しいLLMO予算ではなく、いままでやってきたSEOそのものです。

ただし足元とは逆を向いている点も、正直に書いておきます。2026年9月時点のサイト参照シェアはChatGPTが79.4%で、当社サイトの実測でもCopilot経由は90日で12セッション(AI経由の1.9%)しかありません。いますぐCopilotに振り切れば、足元の流入を落とします。だから当社は「振り切る」のではなく、土台を固めることが結果的にGeminiとCopilotへの備えになる、という順序で考えています。土台のSEOは、いま8割を占めるChatGPTにも無駄にはなりません。

そしてもう一つ。この見立てが正しいなら、いま買うべきものは「AIに引用されるための小手先の施策」ではありません。配布網を持つ側に載るのは従来のSEOであり、そこで差がつくのは結局、誰も書いていないことを、一次情報で書けているかどうかです。AI検索の技術が横並びになるほど、コンテンツそのものの中身に戻ってきます。

引用アルゴリズムの違い|4社が見ている変数

公開情報と外部観測を単純化すると、4社とも「検索→絞り込み→並べ替え→引用」という流れをたどります。

AI検索の引用判定フロー(4社に共通) 検索 絞り込み 並べ替え 引用元に表示

違うのは、絞り込みと並べ替えで何を見ているかです。同じRAG(外部情報を検索して回答に組み込む仕組み)を土台にしていても、重みの置き方が違うため、同じ記事でも「引用されるAI」と「されないAI」に分かれます。以下の表は因果が確認された打ち手ではなく、観測されている傾向と、そこから導かれる検証候補です。「うちの記事はPerplexityには出るのにGeminiには出ない」という現象は、偶然ではなく構造です。

AI 観測されている傾向 検証する価値のある打ち手
ChatGPT 構造化されたHTML・事実密度・第三者からの参照量 結論先出し・数字と出典・外部メディアでの言及
Gemini E-E-A-T(とくに著者の専門性)・段落の抽出可能性 著者情報の明示・更新日の明示・段落の自己完結
Perplexity 意図の一致・新鮮度・相互参照 更新日の維持・専門コミュニティでの言及
Claude Brave Searchでの順位(再ランクをほぼ行わない) Braveでの掲載確認・比較/ランキング型のコンテンツ整備

たとえばChatGPTの引用ではWikipediaが上位を占めるという分析が複数あります(調査によって対象と分母が異なるため、比率そのものは幅を持って見る必要があります)。WikipediaはSEO的な最適化をほとんどしていません。効いていると考えられるのは「第三者から広く参照されている」という外部の信頼シグナルです。

引用元に選ばれるサイトの共通項

引用されやすいサイトには、ドメインの強さ・記事の構造・外部からの言及に共通点があります。

1つだけ突出していても、他が低ければ引用から外れる傾向があります。「SEOで1位なのにAIに無視される」という現象の背景はここにあると考えられます。SEO評価とAI引用評価は部分的に重なるものの、同じ変数セットでは動いていません。引用の常連になっているサイトに繰り返し観測される共通点は、次の5つです。

  • 事実密度が高い: 段落ごとに数字・事例・出典が入っている。「増加傾向にある」で終わらせない。
  • 結論が先にある: 各見出しの1文目が答えになっている。前置きや背景説明から始まらない。
  • 更新が続いている: 公開日と更新日が明示され、放置されていない。
  • 定義文がある: 「○○とは△△である」という文が各セクションに置かれ、切り取っても意味が通る。
  • 外部から言及されている: 自社サイト内で完結せず、他者が触れている。

最後の項目については、自社サイト内の記述より、第三者のメディア経由で言及されているほうがAIに発見されやすい、という報告があります。ただし調査ごとに測っている指標が違うため、倍率のような具体的な数字は本記事では扱いません。

【自社経験】当社が引用されない記事を診断するときは、「コンテンツが悪い」で終わらせず、事実密度・構造・外部露出のどれが欠けているかを分けて見ます。元は臨床検査の精度管理の考え方で、ばらついた結果に対して原因を変数ごとに切り分けるのと同じ手順です。3つのうち欠けているのはたいてい1つで、そこだけ直せば動くことが多くあります。

自社がどのAIに引用されているかを測る

対策より先に計測で、有料ツールの前に無料のGA4で拾えるものがあります。

しかもGA4は既定の設定のままだと大きく取りこぼします。「AIに自社が出てこない」という相談で最初に確認するのは、そもそも自社に何が来ているかです。ここを見ずにツールを契約すると、数字を見る仕事だけが増えます。

AI引用モニタリングツールの比較

AI引用モニタリングツールを選ぶ軸は、機能ではなく対応しているAIエンジンです。

AI回答の中で自社がどう扱われているかを追うツールは、国内外に出そろっています。代表的な3つを、対応エンジンと料金の考え方で並べます。料金は変わりやすいので、契約前に必ず公式で確認してください(以下は2026年9月時点の公開情報です)。

ツール 提供元 対応エンジン 料金の考え方
ミエルカGEO Faber Company ChatGPT・Gemini・Google AI Overviews 単一サイト月49,800円〜(税抜・別途初期費用・原則年間契約)
LinkSurge リンクシェア・ジャパン(楽天グループ) Google AI Overviews・ChatGPT(US/英語のみ) ポイント消費制(登録時に無料の試用ポイントあり)
Otterly.ai Otterly.ai(海外) 基本はChatGPT・Google AI Overviews・Perplexity・Copilotの4つ 月29ドル〜。Claude・Gemini・Google AI Modeは有料アドオン

日本語で日本のクエリを追うならミエルカGEO、まず無料で試すならLinkSurge、対応エンジンの数を優先するならOtterly.ai、という整理になります。

このうちLinkSurgeの「AIO引用サイトランキング」は、商品名やブランド名を入力すると、AIの回答がどのサイトを引用しているかをドメイン単位・ページ単位で回数の多い順に並べる機能です。自社が引用されているかだけでなく、競合がどのメディア経由で引用されているかを見られます。ポイント消費制で、ドメイン分析とページ分析がそれぞれ1グループあたり30ポイント、両方あわせて50ポイントという設計です(2026年9月時点)。

では「すべてのAI検索を横断して、自社と競合のブランドを一つの画面で比較できるプラットフォーム」はあるのか。2026年9月時点では、主要AIを完全に横断できるツールは見当たりません。複数ブランドの比較が目的ならミエルカGEOかOtterly.aiが該当しますが、どちらも対応エンジンは4つ前後で、Claudeは標準では含まれません。「全AI横断」をうたう説明を見かけたら、対応エンジンの一覧を必ず確認してください。ただしこの表には、もっと大きな問題が写っています。

対応エンジンの穴|Claudeを標準で測れるツールはほぼない

上の3つのうち、Claudeを標準プランで測れるものは1つもありません。Otterly.aiでも有料アドオン扱いです。

これは記事の前半とつながります。ClaudeはBrave Searchという別の土台を読んでいて、他のAIと引用元がほとんど重なりません(ChatGPTとの重複は8%)。つまり、いちばん独自の動きをするエンジンが、いちばん測りにくい。BtoBのパネルによってはClaudeが18.5%を占めると報告されていることを思い出すと、この穴は小さくありません。

当面の現実的な対処は2つです。1つは、Claudeについてはツールに頼らず、search.brave.comで自社の掲載順位を手で定点確認すること。もう1つは、下で説明するGA4での実測を、ツールの数字より優先することです。

なお、ツールで見る「引用されたか」という数字自体が日ごとに揺れます。同じ質問でも引用元は入れ替わるため、1回の確認で「引用された・消えた」を判定できません。この揺れの扱い方はAI引用のゆらぎを測って本当の低下を見分ける方法に分けて書いています。

まずGA4で拾う|既定チャネルはAI経由の3割しか捕まえていなかった

GA4の既定チャネル「AI Assistant」だけでは、AI経由の約3割しか捕捉できません。

当社サイトで実際に取りこぼしていた数を出します。【実測】当社サイト(aidaim.co.jp)の2026年6月5日〜9月2日の90日間、全11,340セッションでの実測です。

見方 AI経由のセッション 全体に占める比率
GA4の既定チャネル「AI Assistant」 188 1.7%
参照元/メディアで拾い直した実数 632 5.6%

差の444セッションはどこへ行ったのか。「openai / organic」という参照元で、Organic Search(自然検索)に分類されていました。AI経由の流入を既定のレポートだけで見ていると、3分の1しか見えません。「うちはAI経由がほとんどない」という認識の多くは、この分類の問題です。

拾い直した632セッションの内訳は次のとおりです。

AI セッション AI経由に占める比率
ChatGPT系(openai / chatgpt.com) 487 77.1%
Gemini系(gemini.google.com ほか) 113 17.9%
Claude(claude.ai) 15 2.4%
Microsoft Copilot 12 1.9%
Perplexity 5 0.8%

この内訳は、世界のシェア表ともBtoBパネルとも一致しません。ChatGPTの比率(77.1%)はStatcounterの79.4%に近いものの、Geminiは17.9%とStatcounterの10.9%より高く、Claudeは2.4%でBtoBパネルの4.5%・18.5%のどちらより低い。これが「他人のシェア表で賭け先を決められない」ことの実物です。

同時に、都合の悪い数字も出しておきます。この90日間、AI Assistantチャネルからのキーイベント(問い合わせなど)は0件でした。滞在時間は平均207秒で自然検索の140秒より長く、読まれてはいます。しかし当社の場合、まだ問い合わせには結びついていません。加えて、上記の「openai / organic」399セッションはエンゲージメント率が0.06と極端に低く、実質的な訪問ではない可能性があります。AI経由の数字は、増えた分をそのまま成果として数えないほうが安全です。

GA4で拾い直す手順は難しくありません。探索レポートで、参照元/メディアに「openai」「chatgpt.com」「gemini.google.com」「claude.ai」「perplexity.ai」「copilot.com」を含む条件を作り、セッション・エンゲージメント率・キーイベントを並べるだけです。有料ツールの契約より先に、これを1回やってください。

AI検索に引用される5つの実装条件【明日からできる】

当社が引用適格性の診断で優先して確認するのは、次の5項目です。上から順に着手してください。

条件1:結論を先に置く(最優先) 各見出しと各段落の1文目に答えを書きます。「このセクションで最も重要な事実は何か」を先に書き、根拠と詳細を後に続けます。AIが段落の冒頭を抜き出して回答文に組み込むケースが観測されており、切り取られても意味が通る形にしておくためです。

条件2:事実密度を上げる 【自社経験】当社では1段落(200字前後)に数字・事例・出典を2件以上入れることを社内の基準にしています。「増加している」ではなく「2026年2月時点で37.0%(サイバーエージェント)」と書く、ということです。この2件という閾値は当社の運用基準であり、外部で検証された数値ではありません。

条件3:定義文とFAQを置く 見出しを「○○とは何か」「○○の条件は何か」という質問の形にし、各セクションの冒頭に「○○とは△△である」という定義文を置きます。切り取られても意味が通る段落にすることが目的です。

条件4:構造化データを実装する FAQPage・Article・HowToの3種を優先順に実装します。構造化データの役割は、著者・公開日・更新日といったページの情報を検索エンジンに明示することです。AI検索の引用への直接的な効果は、現時点では確立されていません。どこまで効くかはAI検索のエンティティ設計|構造化データはどこまで効くかで実測を交えて検証しています。

条件5:外部露出を設計する 自社サイト内だけで完結させないことです。専門メディアへの寄稿、実測値の公開、プレスリリース配信を通じて、第三者が言及している状態を作ります。前述のとおり、第三者経由の言及は自社サイト内の記述より6.5倍高い引用効果を示したという分析があります。

なお、この5つに「llms.txtを設置する」は入っていません。llms.txtは、AIに自社の重要コンテンツを案内するためのファイルですが、設置しただけで引用が増えるという裏づけは現時点でありません。判断材料はllms.txtは意味がないのか?効果の見分け方にまとめています。設置を対策の中心に据える提案には、根拠を確認してください。

【自社経験】当社の構造化マークアップ代行では、条件4にあたるFAQPage・Article・HowToを記事の内容に応じて出し分け、headタグへのJSON-LD追記までを定型の手順にしています。条件4は属人的な判断を排して手順化できる領域なので、最初に着手する価値があります。土台となるSEOの考え方はSEOとは?基本的な考え方と対策についてで整理しています。

AI検索エンジンの比較でよくある質問

Q. Google検索で1位なのにAIに出てきません。何から確認すればよいですか?

A. 3つの順で確認します。①GA4でAI経由の流入があるか(後述の6つの参照元で抽出)②そのAIに実際に自社の主要クエリを入力して、引用元に誰が出ているかを見る③自社が使われていないなら、そのAIが読んでいる検索エンジン側での掲載を確認する(ChatGPTならBing登録とJavaScript描画の有無、ClaudeならBrave)。順位を上げる作業に戻る前に、この3つで原因の層を切り分けてください。

Q. 共通施策とエンジン別の施策は、どう配分すればよいですか?

A. 【自社経験】当社では、工数の8割を全エンジン共通の土台(結論先出し・事実密度・構造化データ・内部リンク)に、2割を自社のGA4で最も流入が多いAIへの個別対応に充てています。ClaudeとChatGPTの引用元の重複が8%と報告されているように、エンジン別の施策は他へ転用しにくく、先に個別対応から入ると工数が分散します。配分の根拠は自社の流入内訳なので、まずそこを測ってからになります。

Q. すべてのAI検索を横断して自社と競合を比較できるツールはありますか?

A. 2026年9月時点では、主要AIを完全に横断できるツールは見当たりません。複数ブランドの比較ができるものはありますが、対応エンジンは4つ前後で、Claudeは標準プランに含まれないのが一般的です。「全AI対応」という説明を見たら、対応エンジンの一覧と、Claudeが標準かアドオンかを確認してください。

Q. AI検索対策に、いくら予算を割けばよいですか?

A. 判断の基準は3つです。①自社のGA4でAI経由が全体の何%か(当社は5.6%でした)②そのうちキーイベントに至っている数(当社は0件)③従来の自然検索の実数。①が数%で②が0のうちは、AI検索専用の予算を新設するより、既存のSEO予算の中で構造化と結論先出しを進めるほうが費用対効果は高くなります。②が動き始めた時点で、モニタリングツールの検討に進んでください。

まとめ:土台を崩さず、自社の数字で決める

AI検索は順位を競う場から引用条件を満たす場へ移り、その条件自体もまだ動いています。

2026年に分かったのは、その条件が固定されていないということです。ChatGPTは検索の土台を入れ替え、Claudeも移行期に入りました。シェアは4か月で順位が入れ替わり、BtoBに絞れば調査ごとに4倍違う数字が出ます。この状況で確実なのは、結論先出し・事実密度・構造化データという全エンジン共通の土台と、自社のGA4で測った実数だけです。加えて当社は、モデルの性能差が縮むほど堀は配布網へ移ると見ています。配布網を持つGeminiとCopilotに載る道は従来のSEOと同じ道であり、そこで差がつくのは結局コンテンツの中身です。他人のシェア表ではなく、自社に何が来ているかから始めてください。

最後に、この記事を読み終えたあとの手順を3つに絞ります。①GA4の探索レポートで6つの参照元(openai/chatgpt.com/gemini.google.com/claude.ai/perplexity.ai/copilot.com)を抽出し、AI経由の実数とキーイベントを出す。②いちばん流入の多いAIを1つ特定し、そのAIに自社の主要クエリを実際に入力して、引用元に誰が出ているかを月1回記録する。③そのうえで、既存記事の見出し直下を結論から書き直す。モニタリングツールの検討は、この3つを回してからで間に合います。

参考情報

  • Search Engine Land「Inside ChatGPT’s retrieval stack: The index, cache, and pages it actually reads」(2026年8月時点の観測。自社インデックス主体・Bing重複1.5%・JavaScript未実行・4MB上限)
  • Search Engine Land「Claude visibility may depend heavily on Brave Search rankings, new data suggests」(Danny Goodwin、2026年6月12日)
  • Profound「What is Claude Web Search, Explained」(Claude×Brave上位の重複86.7%=15件中13件のサンプル調査、ChatGPTとの重複8%、Googleとの重複64%、検索発動率36.6%)
  • Anthropic Trust Center サブプロセッサ一覧(Brave Search 2025年3月/turbopuffer 2026年5月6日)
  • Statcounter Global Stats「AI Chatbot Market Share」(サイト参照シェア、2026年4月・8月)
  • Similarweb/Momentic「Top AI Chatbots and Assistants by Market Share」(Web訪問シェア、2026年5月)
  • Octane11「State of B2B AI Search Vol. 2」(BtoB 4億セッション、2026年6月。AI検索はBtoB検索リファラの2%未満、2025年3月比35倍)
  • 2026 AI Search Traffic Report Wave 2(BtoBパネル、2026年3〜4月平均)
  • サイバーエージェント「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026年2月、日本人のAI検索利用37.0%)
  • ミエルカGEO(Faber Company)公式サイト/LinkSurge(リンクシェア・ジャパン)公式サイト/Otterly.ai 公式料金ページ(いずれも2026年9月時点)
  • フロンティアモデルの性能あたりコスト低下に関する分析(年5〜10倍、コモディティ化した性能帯で年40〜900倍。GPT-3.5相当が2022年11月20.00ドル→2024年10月0.07ドル/100万トークン)
  • Google Workspace Updates/Chrome Enterprise ヘルプ(Gemini in Chrome の既定オン提供、2026年)
  • Microsoft 365 Copilot の Windows 11 自動インストール(2026年6〜7月、EEA除外・管理者opt-out)およびタスクバーの Ask Copilot(2026年半ば)に関する各報道
  • 当社サイト(aidaim.co.jp)のGA4実測(2026年6月5日〜9月2日/全11,340セッション)
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