カニバリとSEOの関係は?意味と見つけ方、対処法まで解説
「なかなか上位に表示されない」
「コンテンツの順位が安定しない」
とお悩みではありせんか。SEO対策を実施しても、なぜか上位表示されず理由を調べていて、本記事にたどり着いた方も多いでしょう。
上位表示されない一因として「カニバリゼーション」が考えられます。もしかしたら、あなたの記事もカニバリの影響を受けているかもしれません。
本記事では、カニバリの意味、発見方法、さらに対処法について解説しています。
さらに、カニバリにおけるGoogleの見解についても掲載しています。本記事を参考にし、悪いカニバリを防ぎ、記事を上位表示をさせるための対策を進めましょう。
カニバリ(カニバリゼーション)とは
カニバリ(カニバリゼーション)は「共食い」の意味を持ち、SEO上ではキーワードの重複を指します。
同じキーワードや内容のページが増えると、Googleの検索エンジンが、どのページを検索結果に表示するか迷ってしまいます。
その結果、ページごとに評価がばらばらになり、全体の検索順位が上がりにくくなってしまうのです。
本章では、カニバリの問題点や原因、良いカニバリと悪いカニバリについて、わかりやすく説明しています。
自社サイトで同じKWで足を引っ張り合う事
あなたのウェブサイトで、「順位が安定しない」「上位表示されない」といった問題が起きた場合、その原因はカニバリゼーションかもしれません。
SEOにおけるカニバリゼーションとは、自社のウェブサイト内の異なる記事が同じキーワードで競合している状態です。結果的にお互いの検索順位の低下につながります。
カニバリゼーションが発生している記事がある場合、Googleの検索エンジンは、どのページを表示すべきか判断するのが困難です。カニバリゼーションは、サイト全体のランキング向上を妨げる原因となります。
カニバリゼーションの問題点
カニバリゼーションが引き起こす問題点が3つあります。
- 検索順位が不安定:似たような内容のページが多いと、Googleがどのページを評価すべきか判断できません。そのため、ユーザーのアクセスやGoogleの評価が分散され、結果として、検索順位が不安定になります。
- 上位表示されない高品質な記事:SEO対策を施した高品質なコンテンツを作成しても、過去に同じキーワードのコンテンツがあれば、Googleはどのページを上位表示すべきか判断できません。どんなに高品質なコンテンツも上位表示が難かしくなるでしょう。
- CVの分散:CVRが高いコンテンツがカニバリすると、検索順位が安定せずアクセスが減少します。結果的に獲得できたはずのCVが減少します。
これらの問題により、SEOのポテンシャルが十分に活用できません。
流入ユーザーや被リンクが分散するため、コンテンツの評価も低下します。コンテンツの質が高くても、評価が分散されるため、本来得られるはずの評価が得られなくなるでしょう。
カニバリゼーションは検索順位、アクセス数、CVに大きな影響を与えるため、適切な対策が必要です。
カニバリゼーションが起こる原因
カニバリゼーションは、同じまたはよく似たキーワードがウェブページ内のさまざまな場所に使われているときに起きます。
- ページタイトルやキーワードが同じまたは類似:タイトルタグ内に同じキーワードが多用されると、Google検索エンジンはその違いを認識できず、カニバリが発生します。
- コンテンツ内容が類似:内容が似ていたり、同じターゲット向けだったりするコンテンツが同じウェブサイト内に存在すると、カニバリを起こします。
- アンカーテキストやaltタグへの同じキーワードの使用:大量のリンクや画像のaltタグに同一のキーワードを使うと、キーワードのカニバリが起きるリスクが高まります。
これらの原因を避け、それぞれのコンテンツに独自性を持たせられれば、Googleからの評価を得られるでしょう。
良いカニバリと悪いカニバリ
カニバリゼーションには良いカニバリと悪いカニバリがあります。
良いカニバリは、同じキーワードでも検索意図が異なる場合にGoogleが認識し、複数のページが上位表示される場合です。
例えば、同じ「iPhone」がキーワードでも、「iPhoneの特徴が知りたい」ページと「iPhoneを購入したい」ページは検索意図が違います。これら2つが上位に表示される場合は良いカニバリのため、対処の必要はありません。
一方、悪いカニバリは、検索順位が安定しない、意図しないページが上位に表示される、良質記事でも順位が上がらない場合などです。これらの状況ではカニバリが起きている可能性が高く、対策が必要です。
後述の「カニバリゼーションを見つけた時の対処法」を参考に対策してください。
カニバリゼーションに対するGoogleの見解
GoogleのJohn Mueller氏は、同じような内容のページを複数作成してもSEOには有利に働かないと述べています。
【私たちは、コンテンツを手に入れたら順位をつけるだけです。大体同じような内容のページがたくさんあると、お互いに競争することになり、子供の集団が列の一番になりたがるようなもので、最終的には誰かがその前に割り込むことになるのだ。) 個人的には、弱いページがたくさんあるより、少なくて強いページの方が好きだ。サイトの価値を下げないでください。
引用元:reddit – I am John Mueller, Webmaster Trends Analyst at Google. AMA.】
類似したページがサイト内に存在している場合、それらを統合し情報を充実させたページの作成がSEOに効果的です。ただし、前述したようにカニバリには改善が必要なケースとそうでないケースがあるため気をつけましょう。
カニバリゼーションを見つける方法
カニバリゼーションは、検索エンジン最適化(SEO)では避けたい問題です。まずは、カニバリがウェブサイトで起きていないかどうかのチェックを始めましょう。
本章では、カニバリを確認するための無料・有料ツールを紹介します。
Googleのサーチコンソールを使う
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)を使えば、同じニーズに対して作成されたコンテンツを特定できます。検索パフォーマンス内の検索結果を確認してみましょう。
弊社が推奨しているカニバリ確認方法です。
全てのコンテンツを確認するのは大変なため、まず、以下のようなカニバリが疑われるコンテンツから調査を始めてください。
- 順位が不安定
- 質が高い割に順位が低い
- 予期せぬページが検索結果上位に表示される
ツールの利用は無料です。上手く活用しカニバリを防ぎ、サイト内のコンテンツの整理や、SEOの効果を高めましょう。
Googleサーチコンソールの『検索結果』の検索キーワードに対象のキーワードを入力して『適用』を押します。その際、『正確なクエリ』を選択してください。
『ページ』を選択してください。ここで、複数のページで表示回数とクリックが確認できた場合、カニバリの可能性があります。クリック数の各数値が近ければ近いほど、カニバリの影響は大きいです。
上記はカニバリが起きていない例となります。
Google検索をする
カニバリゼーションを確認するにはGoogleで「site:[あなたのドメイン] キーワード」と検索する方法があります。
出てきたコンテンツを一つ一つ確認し、同じニーズのコンテンツがあればカニバリの可能性があるため対策しましょう。
また、新しいコンテンツ制作時に、重複するキーワードがあるかどうかを調べるのにもこの方法が使えます。
既に関連記事がある場合は、新たな記事を作成するのではなく、既存の記事をリライトするなどして、キーワードをずらしてカニバリゼーションを解消しましょう。
有料SEOツールAhrefsを利用する
Ahrefs(エイチレフス)は、月額$99(USD)〜$999(USD)で利用できる有料のSEOツールです。
スプレッドシートやエクセルと組み合わせ、サイト内のカニバリゼーションを一括で抽出し、簡単に確認できます。
Google Search Consoleとは異なり、一括でカニバリゼーションをすべて抽出できる点が便利です。それぞれのコンテンツを個別に確認する手間が省けるため効率的に作業できます。
- Site Explorerにドメイン名を入力
- オーガニックキーワードを選択
- エクスポートでCSVデータをダウンロード
CSVを確認し、同じキーワードで複数のURLが表示されている場合、カニバリが発生している可能性が高いです。
ただし、有料での契約になるため、カニバリの確認だけを目的にしたAhrefsの契約はおすすめできません。もし、既に契約している場合は、活用してみましょう。
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カニバリゼーションがよく見つかる場所
カニバリゼーションが起こりやすい場所は以下の2つです。
- メタデータ
- ページコンテンツ
カニバリゼーションが発生していると、SEOに悪影響を与えます。カニバリゼーションが見つかる場所を確認し、対策を進めましょう。
メタデータ
タイトルや見出しなどのメタデータで、同じキーワードを使うと、カニバリゼーションが起こりやすくなります。
例えば、オンラインショップに、スニーカーに関連した3つのページがあるとしましょう。1つは2種類のスニーカーをまとめたページ、他の2つはローカットスニーカーやハイカットスニーカーについてです。
以下の表の違いを比べてみてください。
【変更前:カニバリが起こりやすい】
タイトルタグ | 見出し |
Men’s Sneakers – Highcut & Lowcut Sneakers | 男性用ハイカットスニーカーとローカットスニーカー |
Men’s Highcut Sneakers | 男性用ハイカットスニーカー |
Men’s Lowcut Sneakers | 男性用ローカットスニーカー |
【変更後:カニバリが起こりにくい】
新しいタイトルタグ | 新しい見出し |
Men’s Sneakers – All Types of Sneakers | 男性用スニーカー |
Men’s Highcut Sneakers | 男性用ハイカットスニーカー |
Men’s Lowcut Sneakers | 男性用ローカットスニーカー |
この場合、変更するのはスニーカー全体に関連するタイトルタグだけです。タイトルタグと見出しを「2種類のスニーカー名」から「スニーカー全て」に変更します。他の2つのページはそのままで、それぞれ特定のスニーカーに焦点を当てています。
メタデータを適切に調整し、カニバリゼーションを防ぎましょう。
ページコンテンツ
同じサイトで似たトピックを扱う複数のページがある場合、カニバリゼーションが起きる可能性があります。
例えば、異なる切り口の2つのブログ記事が同じトピックについて書かれている場合です。それらの記事は同じ検索意図になるため、googleから類似ページと判断されるでしょう。
新しいページを作成する前に、まずは、既存のページの見直しをおすすめします。
特に、大企業では、多くのチームがコンテンツの制作に関わるため、全体のバランスを見失いやすいです。そのため、全ての部門が協力して進めていく必要があるでしょう。
カニバリゼーショを見つけた時の対処法
本章では、カニバリが見つかった際の対処法を解説します。主な対処方法は、以下の4点です。
- 上位表示させたいページの内部リンク残す
- 上位表示させたくないページのキーワードを調整
- 類似ページを統合したい場合は301リダイレクトを使う
- 類似ページをサイト内に残すにはcanonicalタグでURLを正規化(削除したくない場合)
順番に解説していきます。
上位表示させたいページの内部リンク残す
カニバリゼーションを解消する方法の一つに、内部リンクの最適化があります。上位表示させたくないページへの内部リンクを削除し、逆に上位表示させたいページへの内部リンクを増やすとよいでしょう。
Googleは、内部リンクを参考にしてページの重要度を評価するため、リンクが多いページを重要と判断します。
ただし、リンクのテキスト(アンカーテキスト)にも注意が必要です。上位表示させたいページのリンクテキストには、キーワードを含め、逆に、上位表示させたくない場合はキーワードを取り除きます。
これにより、Googleにどのページが特定のキーワードに関連しているかを示せるでしょう。
まずは内部リンクの調整から試していきましょう。
上位表示させたくないページのキーワードを調整
SEO対策の一つとして、表示させたいキーワードをページのタイトルタグに含めるのは基本です。しかし、同じサイト内に同じキーワードを含むコンテンツが複数ある場合、カニバリゼーションが発生します。
まず、カニバリが起こっている記事を確認しましょう。検索結果で表示させたくないページのタイトルからは、そのキーワードを削除し、新しく書き換える必要があります。
一方、検索結果で表示させたいコンテンツの場合、タイトルに対象のキーワードを必ず含め、できるだけタイトルの最初の部分にキーワードを配置しましょう。そのページが特定のキーワードに関連していると、検索エンジンに伝わりやすくなります。
難易度高めの方法となります。キーワードを調整するとコンテンツも調整する必要があります。初心者にはお勧めできません。
類似ページを統合したい場合は301リダイレクトを使う
カニバリゼーションが起きている場合「301リダイレクト」を使用して、類似コンテンツのページを1つに統合しましょう。
例えば、コンテンツAとコンテンツBが同じキーワードでカニバリを起こしているとします。この場合、コンテンツBに301リダイレクトを設定し、コンテンツAを転送先として指定します。すると、コンテンツBを訪れたユーザーは自動的にコンテンツAに転送されるのです。
また、301リダイレクトを使用すると、転送先のページの評価が引き継がれるため、これまでに獲得した評価は失わず、転送先のページの強化が可能です。
そのため、複数のコンテンツを301リダイレクトによって統合すれば、カニバリの効果的な対処法となるでしょう。
内部リンク調整でうまくいかない場合に試してみましょう。
類似ページをサイト内に残すにはcanonicalタグでURLを正規化(削除したくない場合)
コンテンツ中心のメディアでは非推奨の方法です。
カニバリゼーションを解決する方法の一つが、canonicalタグを使用したURLの正規化です。
例えば、コンテンツAとコンテンツBが類似しており、カニバリが発生していると仮定しましょう。コンテンツAを上位表示させたい場合、コンテンツBの<head>タグ内にrel=”canonical”を記述し、コンテンツAのURLを指定します。
これにより、GoogleはコンテンツAを正規のページとして認識し、検索結果に表示します。また、301リダイレクトと違い、canonicalタグを使うと、ユーザーはコンテンツBにもアクセス可能です。
canonicalタグは、内容が似通っているが、どちらのページも保持する必要がある場合に、非常に効果的です。
まとめ
カニバリゼーションとSEOの関係について解説してきました。カニバリとは、複数の類似ページが存在し、検索エンジンがどのページをインデックスすべきか判断できなくなる現象です。
カニバリゼーションを見つける方法には、Google検索を使う方法のほかに、無料・有料ツールを使う方法があります。
効果的な対処法として以下の4つがあります。
- 上位表示させたいページの内部リンク残す
- 上位表示させたくないページのキーワードを調整
- 類似ページを統合したい場合は301リダイレクトを使う
- 類似ページをサイト内に残すにはcanonicalタグでURLを正規化(削除したくない場合)
カニバリゼーションは予想以上にSEOに影響を与えます。今回学んだ対策法をしっかりと実施し、ウェブサイトの質を高めランキング向上を目指しましょう。