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【図解】Webサイト診断のやり方|脆弱性チェック項目と無料ツール

【図解】Webサイト診断のやり方|脆弱性チェック項目と無料ツール

Webサイト診断とは、自社サイトの集客力(SEO)と安全性(セキュリティ)の両面を点検し、課題を可視化する取り組みです。「診断」と聞くとSEOを思い浮かべがちですが、検索順位を伸ばす「攻め」のSEO診断と、情報漏えいや改ざんを防ぐ「守り」のセキュリティ(脆弱性)診断は、どちらも欠かせません。この記事では脆弱性診断を中心に、自分でできる確認手順、チェック項目、無料・有料ツールの違いまでを実務目線で解説します。

この記事でわかること

  • Webサイト診断は「攻め」と「守り」の両輪: SEO診断とセキュリティ(脆弱性)診断は目的が異なり、サイトを健全に保つにはどちらも必要です。
  • 脆弱性は自分でも探せる: 無料ツールの自動スキャンで全体を把握し、重要箇所だけ手動・専門診断で補うのが現実的な進め方です。
  • 最大のリスクは「うちは大丈夫」という思い込み: 多くの企業は異常を検知できておらず、認証(ログインID・パスワード)など基本の徹底が被害を防ぎます。
目次

Webサイト診断とは?SEO診断とセキュリティ(脆弱性)診断の違い

Webサイト診断には、大きく「SEO診断」と「セキュリティ(脆弱性)診断」の2つの軸があります。車に例えるなら、集客や機能を担うエンジンと、安全を守るブレーキ・エアバッグの関係です。どちらか一方でも欠ければ、Webサイトは正常に走り続けられません。

SEO診断は検索順位や表示速度、ユーザーの使い勝手を改善し、売上を伸ばす「攻め」の施策です。一方のセキュリティ(脆弱性)診断は、情報漏えいやサイト改ざんを防ぎ、企業の信頼を守る「守り」の施策です。どれだけ集客できても、サイトが改ざんされれば信頼は一瞬で失われます。診断内容を整理すると、次のように対比できます。

項目SEO診断(攻め)セキュリティ(脆弱性)診断(守り)
主な目的集客・CV率向上・UX改善安全性確保・情報保護・信頼維持
チェック内容検索順位・表示速度・被リンク脆弱性・設定ミス・改ざん検知
代表的ツールGoogle Search Console・PageSpeed Insights 等OWASP ZAP・専門ベンダー診断 等
放置した場合機会損失(集客できない)情報漏えい・改ざん・信頼失墜

このように、両者は目的もチェック内容も異なります。SEO・アクセス面の診断手順は「Webサイト分析の正しい手順:KPI設定からツール活用・AI時代の戦略まで」で詳しく解説しているため、本記事ではセキュリティ(脆弱性)診断を中心に掘り下げていきます。

Q. Webサイト診断とは何ですか?

A. Webサイト診断とは、サイトの集客力を見るSEO診断と、安全性を見るセキュリティ(脆弱性)診断の両面から、課題を可視化する点検のことです。検索順位や表示速度だけでなく、情報漏えいや改ざんのリスクもあわせて確認します。

まずは「なぜ脆弱性診断が欠かせないのか」を、実際の被害事例から見ていきましょう。

なぜ脆弱性診断が重要なのか|アスクル事例と中小企業のリスク

脆弱性を放置したままのサイト運営は、鍵をかけずに店を営業しているようなものです。攻撃の手口は日々高度化しており、被害は一社にとどまりません。

2025年10月、通販大手のアスクルがランサムウェア感染で受注・出荷を停止し、2025年11月度(10月21日〜11月20日)の月次売上は前年同月比で約95%減となりました。個人情報を含む業務情報は72万件以上の流出が確認され、物流を委託していた無印良品やロフトのECサイトも一時停止に追い込まれ、第2四半期決算の発表も延期されました。たった一つの侵入が取引先まで巻き込み、経営を揺るがしたのです。

公的データもこの傾向を裏づけます。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威としてランサムウェアが引き続き上位を占め、取引先や委託先を踏み台にする「サプライチェーン攻撃」は8年連続でランクイン、さらに「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初登場で3位に入りました。Webサイトの脆弱性は、こうした攻撃の侵入口になり得ます。

法的なリスクも見逃せません。個人情報保護法では、脆弱性の放置などで個人情報が漏えいした場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられています(2022年の改正で義務化)。安全管理措置を怠ったと判断されれば、企業の責任が問われます。

(アイダイム分析)当社が中小企業のサイトを点検していて最も多いのが、「うちは規模が小さいから狙われない」「特に問題は起きていないから大丈夫」という思い込みです。しかし実態は、”問題が起きていない”のではなく”異常を検知できていない”だけのケースがほとんどです。臨床検査の世界では、まず基準となる「正常範囲」を定め、そこから外れた値を異常として早期に捉えます。サイトのセキュリティも同じで、正常な状態を定義しておかなければ攻撃の予兆にも気づけません。(自社検証)当社代表は臨床検査技師として10年以上、この精度管理(QC)の実務に携わってきました。その「正常範囲の設定→異常検知→是正」という考え方を、サイト運用の点検フレームに転用しています。

Q. 中小企業の小さなサイトでも本当に狙われるのですか?

A. はい。近年は対策の弱い中小企業を踏み台にして取引先を狙うサプライチェーン攻撃が増えており、規模の小ささは安全を意味しません。被害に気づいていないだけのケースも多く、定期的な点検が必要です。

では、自社サイトに脆弱性があるかどうかは、どうやって確認すればよいのでしょうか。

Webサイトの脆弱性を探す方法|自分でできる確認の手順

「自社サイトに脆弱性があるか確認したい」という場合、いきなり専門業者に依頼しなくても、まずは自分でできる範囲から始められます。基本の流れは、無料ツールで全体を自動スキャンし、検出された問題に優先度をつけ、重要な箇所だけを手動・専門診断で精査する、という3ステップです。

脆弱性を探す3ステップ ①無料ツールで自動スキャン ②結果を確認し優先度づけ ③手動・専門診断で是正

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 診断の対象と範囲を決める: 公開サイト、管理画面、問い合わせフォーム、WordPress等のCMSなど、点検する範囲を洗い出します。
  2. 無料ツールで自動スキャンする: OWASP ZAPなどの無料ツールでサイトを自動診断し、既知の脆弱性や設定ミスを広く検出します。
  3. 結果を確認し優先度をつける: 検出項目を「緊急度×影響度」で整理します。誤検知が混じることもあるため、内容を読み解く必要があります。
  4. 重要箇所は手動・専門診断で精査する: 自動ツールはログイン後の画面遷移やAPIなど複雑なケースを見落としがちです。重要な機能は手動診断や専門業者の診断で補います。
  5. 是正して再診断する: 見つかった問題を修正し、再度診断して解消を確認します。

診断の手法は、URLを入力するだけの自動診断と、人の手でシナリオを組む手動診断に大別されます。手軽さでは自動診断ですが、ECの購入フローや会員機能のような複雑な処理は、手動診断でなければ検証しきれません。また、診断の対象という観点では、OS・ミドルウェアを対象とする「プラットフォーム診断」と、サイトのプログラムを対象とする「Webアプリケーション診断」に分かれます。自社サイトのどこを点検したいかで、適した診断は変わります。

Q. 自分でWebサイトの脆弱性を確認できますか?

A. ある程度は可能です。OWASP ZAPなどの無料ツールでURLを指定して自動スキャンすれば、既知の脆弱性や設定ミスを広く検出できます。ただしログイン後の機能など複雑な箇所は、手動診断や専門診断で補うのが安全です。

診断の種類について、もう少し補足します。

Q. セキュリティ診断にはどんな種類がありますか?

A. 大きく、OSやミドルウェアを対象とするプラットフォーム診断と、サイトのプログラムを対象とするWebアプリケーション診断に分かれます。また、ツールによる自動診断と、人がシナリオを組む手動診断という分け方もあります。

それでは、診断で実際に何を見るのか、具体的なチェック項目を確認しましょう。

Webサイト脆弱性診断の診断内容|セキュリティチェック重要度TOP10

ここからは、Webサイトを構築・運用するうえで外せない技術的なチェック項目をTOP10で示します。自社サイトでこれらが実装されているかを確認してください。

  1. 入力値の無害化: ユーザーからの入力はすべて「悪意がある可能性」を前提に扱います。データベース操作はプリペアドステートメントでSQLインジェクションを防ぎ、HTML表示時はエスケープ処理を徹底します。
  2. 認証の強化とパスワード管理: パスワードは必ずハッシュ化して保存し、平文管理は厳禁です。総当たり攻撃を防ぐレート制限や、推測されにくい管理画面URLも有効です。
  3. セッション管理: セッションIDはURLに含めず、CookieにHttpOnly属性とSecure属性を付与し、盗用・盗聴のリスクを下げます。
  4. XSS(クロスサイトスクリプティング)対策: 掲示板やコメント欄など、投稿内容を表示する箇所では必ずエスケープ処理を施します。
  5. CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)対策: フォーム送信に使い捨てトークンを発行し、CookieのSameSite属性を適切に設定します。
  6. ファイルアップロードの制限: 拡張子・MIMEタイプで実行ファイルを弾き、保存名をランダム化し、アップロード先でスクリプトを実行させません。
  7. 機密情報の管理: APIキーやデータベースのパスワードはソースコードに直書きせず、環境変数で管理します。詳細なエラーメッセージも画面に表示しません。
  8. HTTPS化と通信保護: 全ページを常時SSL化し、混在コンテンツを排除します。HTTPSはセキュリティだけでなく、Googleが2014年に表明したとおり検索ランキングのシグナルでもあります。
  9. 運用面の対策とログ監視: 二要素認証の導入、パスワード使い回しの禁止、アクセスログ・エラーログの保存と監視で、不審な動きを早期に検知します。
  10. バックアップと復元: 定期バックアップを本番とは別の場所に保管し、実際に復旧できるかのリストアテストを行います。

IPAへの脆弱性届出でも、XSSとSQLインジェクションは引き続き高い割合を占めています。基本的な対策ほど効果が大きいといえます。

(アイダイム分析)この10項目のうち、特に多くの企業が軽視しがちなのが【2】の認証まわりです。推測されやすいIDやパスワードの使い回し、二要素認証の未設定は、高度な攻撃を待つまでもなく突破口になります。派手な対策よりも、ログインID・パスワードという「基本の正常範囲」を確実に守ることが、被害を防ぐ最短ルートです。

なお【8】のHTTPS化の仕組みやメリットは「SSL化とは?導入する前に抑えておきたい仕組みやメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しています。

Webサイト診断ツール比較|無料・有料の違いとおすすめ

手作業の点検には限界があるため、診断ツールの活用が現実的です。無料ツールは手軽な反面、検出範囲が限られ誤検知も混じります。有料ツールや専門ベンダーの診断は網羅性が高く、レポートや改善支援も受けられます。違いを整理すると次のとおりです。

項目無料ツール(例:OWASP ZAP)有料・ベンダー診断
コスト無料対象範囲で変動(数万円〜数百万円規模)
手軽さ導入に一定の知識が必要導入サポートあり
精度・網羅性誤検知の可能性あり・範囲は限定的高精度・網羅的
サポート基本なし(コミュニティ依存)専門家のアドバイスあり
向くケースまず現状を把握したい・小規模サイト重要度の高いサイト・複雑な機能の精査

用途別では、表示速度やUXの診断にはPageSpeed InsightsやLighthouse、Webアプリの脆弱性スキャンにはOWASP ZAPやBurp Suite Community Editionといった無料ツールが定番です。表示速度の改善は「ページの読み込み速度はSEOと関係する?測定方法や改善方法を解説」で詳しく解説しています。なお、Google Search Consoleもサイトのマルウェア感染など重大なセキュリティ問題を検知してくれるため、必ず登録しておきましょう。

(自社検証)当社のトップページでは無料のサイト診断を提供しており、技術的な信頼性・安全性を含む項目をスコア化しています。合格の目安は90点以上で、これを下回る場合は一度しっかり分析することをおすすめしています。まず現状を数値で把握することが、改善の出発点になります。

📌 サイトのセキュリティやSEOの現状を、プロの視点で一度確認しませんか?
→ SEO無料相談で失敗しない!プロに聞く診断内容と業者の選び方

費用やツールの選び方について、よくある疑問にお答えします。

Q. Webサイトの脆弱性診断の費用相場はどのくらいですか?

A. 無料ツールを使えばコストはかかりません。専門ベンダーによる診断は内容や対象範囲で大きく変わり、数万円規模から数百万円規模まで幅があります。まず無料ツールで現状を把握し、必要に応じて有料診断を検討するのが現実的です。

Q. 無料の診断ツールだけで十分ですか?

A. 簡易な確認には十分役立ちますが、検出範囲が限られ誤検知も混じります。ECの購入フローや会員機能など重要度の高いサイトは、無料ツールで全体を把握したうえで、有料・専門診断を組み合わせるのが安全です。

ツールの話題に関連して、利用者の多いWordPress特有のポイントも押さえておきましょう。

WordPressの脆弱性診断と対策

世界中で使われるWordPressは、シェアの高さゆえに攻撃の標的になりやすいCMSです。脆弱性の多くは、古いプラグインやテーマから狙われます。更新通知をこまめに確認し、コアファイルも含めて最新に保つのが基本です。使っていないプラグインは、停止するだけでなくサーバーから完全に削除しましょう。

SiteGuardやWordfenceなどのセキュリティプラグインを導入すれば、ログイン試行回数の制限や不審なアクセスのブロックができます。ただし入れすぎはサイトを重くするため、必要な機能を見極めて導入してください。

Q. WordPressは脆弱性を狙われやすいですか?

A. シェアが高いぶん攻撃の標的になりやすいです。多くは古いプラグインやテーマが原因のため、コアを含めて最新に更新し、不要なプラグインは削除し、セキュリティプラグインを導入することでリスクを大きく下げられます。

最後に、診断を一度きりで終わらせないための運用について解説します。

診断後の運用|継続的なセキュリティ点検サイクル

診断はスタート地点にすぎません。本当に重要なのは、見つかった課題を優先度順に修正し、点検を継続することです。

継続的な点検サイクル(精度管理の考え方) ①定期点検 ②異常検知 ③是正・再発防止 ↺ 再点検へ

脆弱性が見つかったら、社内の開発チームや制作会社と連携して、速やかにパッチ適用やコード改修を行います。Webサイトは生き物のようなもので、日々新しい脆弱性が発見されます。一度きりの診断で満足せず、定期的に再診断と修正のサイクルを回すことが、安全を守り続ける唯一の方法です。

定期的な診断(年1回以上)を実施している企業は、まだ多数派とはいえないとの調査もあります(※確認中)。裏を返せば、点検を習慣化するだけで、多くの同業他社より一歩進んだ状態を保てるということです。

経営の観点でも、経済産業省とIPAが公表する「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」(2023年公開)は、経営者が認識すべき3原則と重要10項目を示し、サプライチェーン全体での対策を求めています。脆弱性管理は、もはや現場任せではなく経営課題です。

(アイダイム分析)臨床検査の精度管理では、「測って終わり」にはしません。正常範囲を定め、定期的に測定し、外れ値が出たら原因を特定して是正し、また測る——この循環でこそ品質が保たれます。サイト診断も同じで、点検→異常検知→是正→再点検のサイクルを回して初めて、診断は意味を持ちます。

サイトのセキュリティやSEOの現状を一度プロの目で確認したい方は、「SEO無料相談で失敗しない!プロに聞く診断内容と業者の選び方」もご活用ください。

参考情報

  • IPA(情報処理推進機構)「情報セキュリティ10大脅威 2026」 https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html
  • IPA「ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出状況」 https://www.ipa.go.jp/security/vuln/report/
  • 経済産業省・IPA「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」 https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html
  • 個人情報保護委員会 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/
  • Google 検索セントラル「HTTPS as a ranking signal」 https://developers.google.com/search/blog/2014/08/https-as-ranking-signal
  • OWASP ZAP(公式) https://www.zaproxy.org/

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