インバウンドMEO対策の重要性と具体的な施策について解説

「外国人旅行者の集客数を増やしたい」

「訪日外国人に向けたMEO対策を実施したい」

コロナ渦以降、日本への外国人観光客の数が急増しており、インバウンドビジネスの重要性がますます高まっています。

その中で、Googleマップでの上位表示を目指す「MEO対策」が、多くの店舗やサービスで注目されています。

地図アプリといって、まず頭に浮かぶのがGoogleマップではないでしょうか。

Googleマップは外国人観光客にとっても店舗を探す主要なツールです。

MEO対策をおこなえば、自店舗を目立たせ外国人観光客の目を惹き、来店を促す効果が期待できます。

本記事では、インバウンド向けのMEO対策の重要性と具体的な施策について詳しく解説します。

Googleビジネスプロフィールを訪日外国人向けに最適化し、集客を増やす方法を知るためにも、ぜひ最後までお読みください。

インバウンドとは？

インバウンドとは、外国から日本を訪れる旅行者を指します。

2015年頃から訪日観光客が増加し、日本の観光業におけるインバウンドの重要性が高まりました。

コロナの影響で一時は減少した訪日観光客数も、2023年以降急速に回復し、2024年1月から9月の累計では前年同月比＋31.5％の2,688万人（※）が来日しています。

このように日本の文化や観光地への関心が、世界的にさらに広がっています。

外国人旅行者を効率よく呼び込むためには、インターネットでの情報発信が大切です。

そのなかでも、GoogleマップやGoogleビジネスプロフィールを使った「MEO対策（マップエンジン最適化）」は効果的な施策です。

MEO対策により、観光客が目的地を簡単に見つけられ、観光地や店舗への集客を促進できるでしょう。

※参考：日本政府観光局

インバウンドビジネスにおけるMEO対策の重要性

• MEOはGoogleマップの検索順位最適化施策である
• 外国人観光客はGoogleマップで店舗検索し来店する
• MEO対策は増加中のインバウンド集客に効果的である

MEO（Map Engine Optimization）は、Googleマップ上での店舗の検索順位や位置情報を最適化する施策です。

ローカルSEOが地域に関連する検索全般の最適化を指すのに対し、MEOはその中でもマップ検索に特化した取り組みとなります。

インバウンドビジネスにおいて、MEO対策は特に重要な意味を持ちます。

なぜなら、Googleマップは外国人が日本でよく利用する地図アプリだからです。適切なMEO対策により、Googleマップで店舗の視認性が高まると、来店客数の増加が期待できます。

たとえば「大阪　たこ焼き」など「地域名＋サービス」で検索する外国人観光客は「すぐに来店したい」というニーズがあります。

そのため、Googleマップで店舗で目立たせられれば効果的な集客につながるでしょう。

現在、インバウンド需要が急速に回復しているため、Googleマップで店舗の表示順位を上げられれば、集客力向上に直結します。

多言語対応も合わせて行うと、より効果的な集客が期待できるでしょう。

インバウンド集客に効果的なMEOの理由

インバウンド集客においてMEOが効果的な理由は、主に以下の3点です。

• 外国人観光客がGoogleマップを多用する背景
• 口コミやレビューの重要性とその影響
• 多言語対応のメリット

わかりやすく解説しますので、みていきましょう。

外国人観光客がGoogleマップを多用する背景

Googleマップは、世界240以上の国でサポートされている、最も利用されている地図アプリです。

日本を訪れる外国人観光客は、言語や地理に不慣れな場合が多いため、行きたい場所や飲食店を見つけるためにGoogleマップを活用します。

また、公共交通機関の利用やルート検索も簡単に行えるため、観光中のナビゲーションとしてGoogleマップが便利です。

さらに、Googleマップには口コミや評価機能があるため、事前に評価を確認しながら訪れる場所を決められる点も利用される理由です。

特に、初めての土地での信頼できる情報源としてGoogleマップは欠かせません。

口コミやレビューの重要性とその影響

Googleマップの口コミやレビューは、外国人観光客が訪れる場所を決める際に大きな影響を与えます。

高評価の店舗やポジティブなレビューが多いと、観光客にとって「行きたい場所」として認識されやすくなります。

また、口コミには店舗の特徴や実際のサービス内容についての情報が含まれており、事前に知りたい情報が得られるため、口コミを重要視する外国人観光客が多いです。

MEO対策として、良い口コミを増やすことは集客に効果的です。

多言語対応のメリット

Googleマップは2024年10月時点で74言語に対応しています。

外国人観光客にとって、母国語で情報が表示されると安心感が増し、店舗を訪れるハードルが低くなります。

たとえば、、店舗名や説明文、メニューなどに英語や中国語などを併記しておくと、観光客にわかりやすく情報を提供でき、店舗の信頼性や訪問意欲を高めるのに効果的でしょう。

Googleマップでは英語をはじめとする多言語で情報を提供することは大きなメリットです。

関連記事：MEO対策が効果的な業種の特徴と不向きな業種の特徴について

インバウンドMEOの具体的な施策5選

本章では、インバウンドMEO対策で効果的な5つの施策について説明します。

• 翻訳されないビジネス情報には、英語を併記する
• Googleマップのビジネス名を多言語登録する
• 訪日外国人向けの投稿作成
• 訪日外国人の口コミを集める
• キャッシュレス決済の項目を最適化

外国人観光客の来店数を増やすために、対策しておきましょう。

翻訳されないビジネス情報には、英語を併記する

Googleビジネスプロフィールでは、自動翻訳される情報と、自動翻訳されない情報があります。たとえば、以下の項目においては自動翻訳がされません。

• ビジネス名
• 商品名
• サービス名
• メニュー
• カテゴリ

これらは、お店をアピールするうえで非常に重要な項目です。そのため、英語を併記し、外国人旅行者が理解できるようにすることが大切です。

外国人観光客は、Googleマップを使用してお店を探します。

その際、営業時間や口コミなどは自動翻訳されますが、肝心の店舗名やメニューなどは自動翻訳されません。

こうした状況を避けるためにも、日本語表記の後に英語を併記しておくと、外国人観光客への情報伝達がスムーズになります。

このように、自動翻訳されない項目に英語を追加することで、外国人ファーストな印象を与え、インバウンド集客の効果を高められるでしょう。

Googleマップのビジネス名を多言語登録する

Googleマップでは、ビジネス名を最大20言語まで登録できます。

店舗名などの固有名詞は自動翻訳では正確に表示されない場合が多いため、多言語での登録が重要です。

特に、訪日外国人の多いエリアでは、英語、中国語、韓国語を基本としての登録をおすすめします。

さらに、近年増加している東南アジアからの観光客向けに、タイ語やベトナム語での登録も効果的です。

このように、想定される旅行者の母国語でビジネス名を登録しておけば、検索時の認知度が向上し、集客効果を高められるでしょう。 

関連記事：Googleビジネスプロフィール（旧Googleマイビジネス）の登録代行とは？業者選び方と知っておくべきポイントを解説

訪日外国人向けの投稿作成

Googleビジネスプロフィールには、投稿機能があり、定期的に情報発信が可能です。

訪日外国人観光客を意識した投稿で、店舗の認知度を高められます。

たとえば、季節限定のイベントや外国人に人気のメニューなどを紹介すると、興味を持ってもらいやすくなります。

訪日外国人の口コミを集める

口コミはインバウンド集客において重要な要素の一つです。

訪日外国人からの口コミを積極的に集められれば、他の観光客にも安心感を与えられます。

口コミを増やすためには、以下のような方法がおすすめです。

• 来店後にレビューをお願いするメッセージカードを渡す
• 店内に口コミ投稿を促すPOPを設置する
• よい旅の思い出になるようなサプライズやおもてなし

良い口コミが増えると、他の外国人旅行者も来店しやすくなるでしょう。

参考記事：MEO対策で口コミが重要な理由と増やすための効果的な方法

キャッシュレス決済の項目を最適化

Googleビジネスプロフィールでは、「お支払い」の属性情報から、対応している決済手段を設定できます。

外国人観光客は、クレジットカードやスマホ決済を利用する場合が多いです。

全世界で広く普及しているApple Pay、Google Payのほかにも、中華圏で人気のAlipay、Wechat Pay、UNION Pay（銀聯）、韓国のKakao Payなどの対応状況を明記しておきましょう。

特に、観光地にある店舗では、外国人旅行者が利用可能な決済手段が整っていると集客効果が高まり、ビジネスへの信頼感も向上します。

また、属性情報だけでなく、ビジネスの説明や投稿、質問と回答などでも利用可能な決済手段を積極的にアピールすると、より多くの外国人観光客に情報が届きやすくなります。

このように、適切なキャッシュレス決済情報の設定で、訪日旅行者が安心して来店できる環境を整えましょう。

Googleビジネスプロフィールを多言語対応する方法

Googleビジネスプロフィールでは、多言語対応が可能です。多言語設定を行うと、外国人観光客が母国語で情報を閲覧できるようになり、来店のきっかけ作りができます。

本章では、設定手順と設定後の効果について解説します。

多言語設定の手順

Googleビジネスプロフィールで多言語対応を行うには、以下の手順を参考にしてください。

1. Googleビジネスプロフィールにログインする
2. 言語をクリックし、対象言語を設定する
3. 多言語設定の内容を確認する
4. 確認後に日本語に戻す

まず、ビジネスプロフィールに、管理者アカウント以外のGoogleアカウントでログインします。

検索バーに自社のビジネス名とエリア名を入力して情報カードを表示させましょう。

次に「Googleマップで見る」のリンクからマップ画面に切り替えます。

メニューアイコンの「言語」から、設定したい言語（例：英語の場合はEnglish）を選択してください。この操作でGoogleマップの表示が選択言語に変更されます。

設定後、ビジネス情報が正確に翻訳されているかの確認が重要です。

店舗名の翻訳がおかしければ、必要に応じて「変更を提案」または「Suggest an edit」機能で修正提案が可能です。最終確認ができたら、元の言語に戻しましょう。

ビジネス名は20言語まで登録可能です。主要となる、顧客層の言語から優先的に設定し、多くの外国人観光客の来店につなげましょう。

多言語設定後の検索結果への影響と確認方法

Googleビジネスプロフィールで多言語設定後、実際にどのように検索結果に反映されているかの確認が大切です。

Googleマップの言語設定を変更し、異なる言語で検索を試し、多言語対応が正しく行われているかを確認しましょう。

多言語設定により得られる効果は以下の5つです。

• 外国語での検索時に店舗情報が表示されやすくなる
• 不自然な自動翻訳が避けられる
• 顧客の安心感向上
• 利便性の増加
• ユーザー体験の改善

外国人観光客が多い地域では、インバウンドMEO対策として多言語設定が重要です。

顧客満足度を向上させ、競合に差をつけて、ビジネスの競争力を強化しましょう。

インバウンドMEO導入後の効果測定と改善ポイント

インバウンドMEO対策を導入した後は、施策の効果をしっかりと測定し、改善を重ねることが重要です。せっかく導入したMEO対策も、効果を検証せずに放置してしまっては集客力の向上につながりません。本章では、以下について解説します。

• Googleビジネスインサイトの活用方法
• レビュー管理の自動化ツールの紹介
• キャンペーン効果の分析と次の施策

継続的な分析と改善で、インバウンドMEOの効果を最大限に引き出し、安定した集客を実現しましょう。

Googleビジネスのパフォーマンス（旧インサイト）の活用

Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」（旧インサイト）機能は、店舗のGoogleマップでの実績を数値で確認できる重要なツールです。具体的には、以下のデータを把握できます。

• 店舗ページの閲覧数と検索回数
• 使用された検索キーワード
• ユーザーの行動データ

インバウンドMEO対策では、多言語対応や口コミ施策の効果の定期的な確認が重要です。

パフォーマンスデータを継続的にチェックし、競合店との比較分析を行いながら、訪問者のニーズに応じた情報の最適化を図りましょう。

これにより、インバウンド集客の効果が一層向上します。

また、季節や特定イベントがデータに与える影響も考慮し、長期的な視点での分析が必要です。

レビュー管理の自動化ツールの活用

口コミやレビューの管理には、自動化ツールの利用が便利です。

自動化ツールでは、口コミの収集、削除リクエスト、返信機能、返信テンプレートの作成、ネガティブ・ポジティブの判定などが簡単に行えます。

以下、おすすめの自動化ツールを3つ紹介します。

• MEOチェキ for レビュー：口コミ運用、ネガポジ判定、自動返信など
• Canly（カンリー）：口コミの一元管理、口コミの削除・返信・分析・テンプレート作成など
• Gyro-n MEO：多言語検索対応、口コミ管理・返信など

自動化ツールの使用は非常に便利です。しかし、ツールに任せっきりにするのはやめ、定期的に内容を確認し、重要なレビューにはヒトが直接対応するようにしましょう。

定期的なレビューへの返信は、店舗の信頼度向上にもつながります。自動化ツールをうまく活用し、スムーズな口コミ対応を実現し、インバウンドMEO対策を成功させましょう。

キャンペーン効果の分析と次の施策

インバウンドMEO対策の一環として、季節限定やイベントに合わせたキャンペーンの実施も効果的です。

たとえば、観光シーズンや、地域のイベントに合わせた特別メニューなどは、訪日外国人や観光客の目に留まりやすく、来店を促進するきっかけになります。

キャンペーンを実施すれば、特定期間に集中的に集客が見込め、インバウンド市場への影響も大きくなるでしょう。

キャンペーン後には、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス機能を使用して効果分析をおこない、来店数や売上の変化を分析します。

分析結果をもとに、次の施策につなげ、継続的に集客効果を高めていきましょう。

まとめ

コロナの影響で落ち込んでいた訪日外国人数も、2023年以降急激に回復しています。

この状況を踏まえ、インバウンドMEO対策は、外国人観光客をターゲットとした集客において、ますます重要な役割を果たしています。

多くの外国人観光客が、目的の店舗や場所を探すのに使用する地図アプリがGoogleマップです。

「地域名＋サービス名」といったキーワードで検索し「すぐに情報を手に入れたい」というニーズが強い場合が多いです。

自社のビジネスをGoogleマップで上位表示させるMEO対策は、集客の成果に大きな影響を与えます。

多言語対応や口コミの管理、キャンペーンの実施など、インバウンド集客に適した戦略を展開することで、外国人旅行者の来店を促進させられます。

さらに、これらの施策の効果を定期的に分析し、改善を続けることで、より効果的な集客が可能となり、ビジネスの成長につながるでしょう。