「会社のWebサイトを作りたいが、どんな種類があるのか分からない」「コーポレートサイトとオウンドメディアは何が違うのか」——新規制作の入り口で、多くの中小企業のご担当者がつまずくのがこの部分です。WEBサイトの種類とは、達成したい目的(会社紹介・集客・採用・販売など)ごとに最適化されたサイトの型のことで、目的と種類がずれると、費用をかけても成果につながりません。
この記事では、代表的な10種類を目的別に整理し、費用相場・選び方・依頼先の決め方・失敗しないポイントまでを一気通貫で解説します。
この記事でわかること
- WEBサイトは目的別に10種類: コーポレート・オウンドメディア・LP・ECなど、達成したい目的ごとに最適な型が異なります。
- 費用相場は種類と規模で大きく変動: 名刺代わりの数万円から、ECの数百万円まで幅があり、費用が跳ねる主因はページ数とプロダクト数です。
- 選ぶ順序は「目的→予算→運用体制」: 種類から決めるのではなく、何を達成したいかを起点に、後から変えにくい設計まで見据えて選ぶことが失敗回避の近道です。
Webサイトとホームページはどう違う?
結論から言うと、日本語の日常表現では「Webサイト」と「ホームページ」はほぼ同じ意味で使われています。ただし本来の定義は異なります。Webサイトは、複数のWebページがまとまった「サイト全体」を指す言葉です。一方でホームページは、本来ブラウザを起動したときに最初に表示されるページや、サイトの入り口となるトップページを指す言葉でした。
英語圏では今もこの区別が残っており、サイト全体は「website」、トップページは「homepage」と呼び分けられます。日本では1990年代以降、ホームページがサイト全体を指す言葉として広く定着したため、実務上はどちらを使っても問題ありません。本記事でも、以降は「Webサイト」に表記を統一して解説を進めます。
このあとの種類分けを読むうえでは、「Webサイト=目的を持ったページの集合体」という理解だけ押さえておけば十分です。
Q. Webサイトとホームページに違いはありますか?
A. 本来は別の意味ですが、日本ではほぼ同義で使われます。Webサイトはページ全体の集合を、ホームページは本来トップページを指しますが、実務上はどちらを使っても差し支えありません。
以上を踏まえたうえで、次章から目的別の具体的な種類を見ていきます。
目的別・WEBサイトの主な種類【10分類】
WEBサイトは、達成したい目的によって最適な型が変わります。まず押さえておきたいのは、中小企業が新規で1サイトを立ち上げるなら、多くのケースで最初に固めるべきは「コーポレートサイト」であり、採用課題があればそこに「採用ページ(採用サイト)」を加える、という優先順位です(アイダイム分析)。あれもこれもと同時に複数種類を作るのではなく、事業の土台となる1本を先に整えるほうが、費用も運用も破綻しにくくなります。
代表的な10種類を、目的・向いている企業・向いていない企業・費用の目安で一覧にまとめました。
| 種類 | 主な目的 | 向いている企業 | 向いていない企業 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| コーポレートサイト | 会社紹介・信頼獲得 | ほぼ全ての企業 | — | 30〜150万円 |
| オウンドメディア | 中長期の集客・見込み客育成 | 継続的に情報発信できる企業 | 短期で成果が必要な企業 | 50〜300万円(目安) |
| ランディングページ(LP) | 単一商材の申込・問い合わせ獲得 | 広告と組み合わせて売る企業 | 自然検索で幅広く集めたい企業 | 10〜100万円 |
| ECサイト | 商品のオンライン販売 | 物販・通販を行う企業 | 販売商品を持たない企業 | 50〜300万円超 |
| 採用サイト | 人材の確保・採用力強化 | 継続的に採用を行う企業 | 採用予定がない企業 | 30〜150万円(目安) |
| サービスサイト | 特定サービス・商品の訴求 | 主力サービスを深く伝えたい企業 | 商材が1つに絞れない企業 | 30〜150万円(目安) |
| ブランドサイト | ブランド・世界観の認知向上 | ブランド価値を重視する企業 | まず問い合わせ数が欲しい企業 | 50〜300万円(目安) |
| ポートフォリオサイト | 作品・実績の提示 | 制作系・クリエイター・士業 | 見せる実績が少ない企業 | 5〜50万円(目安) |
| ポータルサイト | 情報集約・検索機能の提供 | 地域・業界情報を束ねる企業 | 単独商材を売りたい企業 | 100万円〜(目安) |
| イントラサイト | 社内向けの情報共有 | 従業員数が多い企業 | 少人数の企業 | 50万円〜(目安) |
費用の目安は各Web制作会社が公開している相場情報に基づくもので、ページ数や機能によって上下します。以下、それぞれの種類の中身を簡単に補足します。
コーポレートサイト
会社概要・事業内容・理念などを掲載し、企業の「信頼の土台」となるサイトです。取引先や求職者が会社を確認する起点になるため、業種を問わずほぼ全ての企業に必要です。デザインの見栄えより、知りたい情報にすぐたどり着ける構成(UI/UX)が重要になります。
オウンドメディア
自社が保有し、読者の悩みに答える記事を継続発信して見込み客を集めるメディアです。効果が出るまで時間はかかりますが、広告費に頼らない集客資産になります。運用を続けられる体制があるかどうかが成否を分けます。運用の考え方は「オウンドメディアは「意味ない」のか?運用の判断基準」でも解説しています。
ランディングページ(LP)
1つの商品・サービスの申込みや問い合わせに絞って設計された縦長の1ページです。広告からの流入を受け止め、行動(申込・購入)まで一直線に導くのが役割です。フォームの入力しやすさや訴求の順序が成果を左右します。
ECサイト
商品をオンライン販売するためのサイトです。商品の探しやすさ(検索性)と、決済まわりのセキュリティが制作上の重点になります。BtoC・BtoBを問わず、物販を行うなら必須の型です。
採用サイト
職種・待遇・社風などを具体的に伝え、人材確保につなげるサイトです(現行の「リクルートサイト」と同義で、検索では「採用サイト」の表記が一般的です)。求職者が知りたい情報と、働くイメージが伝わる設計が鍵になります。
サービスサイト
特定のサービスや商品に絞って、その魅力や導入メリットを深く訴求するサイトです。コーポレートサイトとは別に、主力商材の認知・集客に特化させたい場合に有効です。
ブランドサイト
商品・サービス・企業ブランドの世界観を伝え、認知度やイメージを高めるサイトです。直接の問い合わせ獲得より、ブランド価値の醸成を主目的とします。
ポートフォリオサイト
自分(自社)の作品や制作実績を掲載し、新規案件の獲得につなげるサイトです。制作系・クリエイター・一部の士業に向いており、最小限の情報で作品の魅力を伝えます。
ポータルサイト
特定テーマの情報を集約し、検索機能を提供するサイトです。地域情報サイトや業界情報サイト、社内ポータルなどが該当します。構築規模が大きくなりやすい型です。
イントラサイト
社内向けに情報を共有・発信するためのサイトです。従業員数が多い企業ほど効果が高く、アクセス制限などのセキュリティ設計が求められます。
Q. Webサイトの種類はいくつありますか?
A. 明確な決まりはありませんが、ビジネスで使われる代表的な型は本記事の10種類に整理できます。目的が同じであれば呼び方が異なるだけの場合も多いため、種類名より「達成したい目的」で捉えるのが実務的です。
種類が把握できたら、次に気になるのが「結局いくらかかるのか」という費用でしょう。
【種類別】制作費用の相場
Webサイトの制作費用は、種類・ページ数・機能によって大きく変わります。まずは主要な種類ごとの目安を一覧で確認してください。
| 種類 | 費用の目安 | 費用が変わる主因 |
|---|---|---|
| 名刺代わりの小規模サイト | 5〜30万円 | ページ数・テンプレ有無 |
| コーポレートサイト | 30〜150万円 | ページ数・オリジナルデザイン |
| ランディングページ(LP) | 10〜100万円 | デザイン・原稿制作の範囲 |
| オウンドメディア | 50〜300万円 | 初期記事本数・CMS構築 |
| ECサイト | 50〜300万円超 | 商品点数・カート/決済の実装方式 |
上記は各Web制作会社が公開している相場情報に基づく目安であり、実際の見積もりは要件で変動します。ここで押さえておきたいのは、同じ種類でも費用が大きく跳ね上がる分岐点があるという点です。実際に制作のご相談を受けるなかで、費用を大きく左右するのは「ページ数」と「プロダクト(商材)数」の2つだと感じています(実務知見)。掲載したい商品・サービスが多いほどページ数と設計工数が増え、同じ「コーポレートサイト」でも見積もりが数倍変わることは珍しくありません。この経験から言えるのは、見積もりを比較する前に、自社が載せたいページ数と商材数をざっくり洗い出しておくと、各社の金額差の理由を正しく読み解けるということです。
なお、HP制作にかかった費用をどの勘定科目で処理するかは「HP制作費用の勘定科目は?経費にできる仕訳を解説」で整理しています。
自社に合うサイトの選び方|目的×予算×運用体制で決める
Webサイト選びで失敗する最大の原因は、「種類」から入ってしまうことです。正しい順序は、目的→予算→運用体制の順に絞り込むことです。
第一に、目的を1つに定めます。問い合わせを増やしたいのか、指名検索を作りたいのか、採用を強化したいのかで、選ぶ種類は変わります。第二に、予算の上限を決めます。前章のとおり費用はページ数とプロダクト数で跳ねるため、載せたい範囲を先に決めると予算がぶれません。第三に、公開後に誰が更新・運用するのかという運用体制を確認します。更新できない体制でオウンドメディアを選んでも、成果は出ません。
種類の選定で特に重視しているのが、プロダクト(商材)の数です(アイダイム分析)。商材が多い企業ほど、設計段階で「最終的にどうしたいのか」を丁寧にヒアリングします。サイトの情報設計は後から大きく変えることが難しく、公開後に構造を作り直すと費用も時間も余計にかかるためです。そのため、目先の見た目だけでなく、ブランディングやLTV(顧客生涯価値)まで含めて初期設計に織り込むことをおすすめしています。この判断の背景には、設計をやり直す事例を何度も見てきた経験があります。ターゲット設計の考え方は「WEB設計におけるペルソナとは?」も参考にしてください。
📌 「自社にはどの種類が合うのか」を専門家に整理してほしい方へ
→ SEO対策・Web集客の無料相談サポート
作り方と依頼先の選び方(CMS・制作会社・フリーランス)
種類と目的が決まったら、次は「どう作るか」「誰に頼むか」です。
自社制作(Wix・WordPress等)と制作会社の比較
近年はWixやWordPress、ノーコードツール(Framer等)を使えば、専門知識が浅くても自社でサイトを作れるようになりました。初期費用を大きく抑えられるのが最大の利点です。一方で、集客まで見据えた設計や、公開後の改善には知見が必要で、「安く作れたが問い合わせが増えない」という状態になりやすいのも事実です。名刺代わりの小規模サイトなら自社制作、集客や売上に直結させたいなら制作会社への依頼、という切り分けが現実的です。無料ツールの注意点は「無料ホームページ作成のデメリット」で詳しく解説しています。
CMS(サイトを更新・管理する仕組み)を使うなら、更新のしやすさとSEOとの相性で選ぶのがポイントです。選び方は「CMSの種類は?選び方やメリット・デメリット」にまとめています。
依頼先は「数字から話す会社」を選ぶ
制作会社を選ぶとき、最初の打ち合わせで「デザインの話」から入る会社よりも、「集客経路・客単価・解決したい数字」から入る会社のほうが、事業視点で本質的な提案をしてくれる傾向があります。作ること自体が目的化すると、公開後に成果が出ないミスマッチが起きやすくなります。
当社でも、単にサイトを作るのではなく、公開後の集客・検索評価まで見据えて設計しています。たとえば台湾・タイ向けのSEO施策では、対策開始から2週間以内に対象キーワードで1位を獲得した実績があります(自社検証・2026年時点の自社施策データ)。こうした集客の設計力があるかどうかも、依頼先を見極める判断材料になります。加えて、構造化マークアップ(検索エンジンにページ内容を正しく伝えるためのコード)の実装代行のように、公開後の検索評価を高める工程まで対応できる会社を選ぶと、作って終わりになりません(実務知見)。
よくある失敗と成功のポイント
Webサイト制作で後悔につながりやすいのは、作る前の準備不足と、公開後の運用設計の欠如です。
まず作る前の段階では、目的を決めずに制作へ進んでしまうケースが典型です。「とりあえずホームページを」という発注は、要件が固まらず修正が繰り返され、費用と時間を無駄にしがちです。目的を1つに絞り、載せる情報を決めてから依頼することが、最も効くコスト削減策です。
もう1つ、種類と目的のミスマッチで多いのが「LP1枚でSEO集客をしたい」というご相談です。このご要望に対しては、基本的には難しいとお伝えしています(実務知見)。LPは広告からの申込獲得に最適化された型で、検索で幅広く上位を取る構造には向いていないためです。まれにLP単体で検索順位を取れている例もあり不可能ではありませんが、条件がそろわない限り基本は難しい、というのが実際のところです(アイダイム分析)。検索からの集客が目的なら、LPではなくオウンドメディアやコンテンツSEOを選ぶのが筋の良い打ち手です。具体的な進め方は「コンテンツSEOのやり方|自社運用で失敗しない手順」で解説しています。
公開後の運用・保守体制を決めておく
制作でもう1つ見落とされがちなのが、公開後に誰が更新・保守するのかという体制です。サイトは作って終わりではなく、更新されないまま放置されると情報が古くなり、成果も検索評価も下がっていきます。制作の依頼段階で、更新の担当・頻度・保守の範囲まで決めておくことが、長く成果を出し続けるための条件です。
WEBサイトの種類に関するよくある質問
最後に、Webサイトの種類・制作でよく寄せられる質問をまとめます。
Q. LP(ランディングページ)だけでSEO集客はできますか?
A. 基本的には難しいです。LPは広告からの申込獲得に特化した型で、検索で幅広く上位を取る構造には向きません。まれに成功例はありますが、検索集客が目的ならオウンドメディアやコンテンツSEOが適しています。
Q. Webサイトの制作費用の相場はどのくらいですか?
A. 種類と規模によります。名刺代わりの小規模サイトで5〜30万円、コーポレートサイトで30〜150万円、ECサイトで50〜300万円超が目安です。費用はページ数と商材数で大きく変動します。
Q. 無料でWebサイトは作れますか?
A. 作れます。WixやWordPress、ノーコードツールを使えば初期費用を抑えて制作できます。ただし集客や公開後の改善には知見が必要で、成果を出したい場合は制作会社への依頼が向いています。
Q. Webサイトの制作期間はどのくらいかかりますか?
A. 種類と規模によりますが、小規模サイトで数週間、コーポレートサイトやECサイトで2〜4か月程度が一般的です。掲載ページ数や機能が多いほど期間は長くなります。
まとめ
WEBサイトの種類は、達成したい目的ごとに最適な型が異なります。コーポレート・オウンドメディア・LP・EC・採用など10種類を押さえたうえで、「目的→予算→運用体制」の順に絞り込むことが失敗回避の近道です。費用はページ数とプロダクト数で大きく変わるため、載せたい範囲を先に決めてから見積もりを比較しましょう。種類選びと集客設計は密接に関わるため、迷ったら制作前の段階で専門家に相談することをおすすめします。Webサイトを持つ意義そのものは「ホームページの重要性を解説|持たないデメリットや役割とは?」でも解説しています。
参考情報
- 費用相場:各Web制作会社が公開する料金・相場情報を参照(金額は要件により変動する目安)
- 用語の定義(Webサイト/ホームページの違い):一般的なWeb用語の定義に基づく

