検索ボリュームとは、特定のキーワードが検索エンジンで一定期間(通常は月間)に検索された回数を示す指標です。SEO対策では「どのキーワードで記事を書くか」を決める出発点になりますが、調べ方やツールの選び方、数値の読み解き方がわからず手が止まる方も多いのではないでしょうか。本記事では、検索ボリュームの調べ方と無料・有料ツール、目安、そして実際のキーワード選定での使い方までをまとめて解説します。
この記事でわかること
- 調べ方とツール: 検索ボリュームは無料ツールで十分に調べられ、用途に応じて使い分けるのが基本です。
- 目安と競合性: ボリュームが多いほどトラフィックの上限は大きい一方、競合も強くなり上位表示は難しくなります。
- KW選定の判断軸: ボリュームの数値だけでなく、自社との親和性・E-E-A-T・競合優位で「狙うべきか」を決めます。
検索ボリュームとは?SEOで重要な理由
検索ボリュームとは、あるキーワードが月間でどれだけ検索されているかを示す数値で、そのキーワードに対する「需要の大きさ」を表します。SEOにおいて重要なのは、検索ボリュームが流入の上限を左右するからです。上位表示できても、そのキーワードがほとんど検索されていなければ、訪問者の増加は見込めません。
一方で、ボリュームが多いキーワードほど競合も多く、上位表示の難易度は上がります。つまり検索ボリュームは「多ければ多いほど良い」という単純な指標ではなく、後述する競合性や検索意図とセットで判断すべき材料です。なお、各ツールが示す数値はあくまで推定値であり、ツールごとに差が出ます。絶対的な数値ではなく「桁感の目安」として扱うのが基本です。
このセクションの内容を踏まえ、まずよくある疑問に答えておきます。
Q. 検索ボリュームとは何ですか?
A. 検索ボリュームとは、特定のキーワードが検索エンジンで一定期間(通常は月間)に検索された回数を示す指標です。キーワードの需要の大きさを表し、SEOのキーワード選定で優先順位を判断する材料になります。数値はツールによる推定値であり、目安として扱うのが基本です。
需要の大きさが把握できたら、次は実際に数値を調べる段階に進みます。
検索ボリュームの調べ方【無料・有料ツール7選】
検索ボリュームは無料ツールで十分に調べられます。ここでは代表的な7つのツールを、料金・取得できる指標・利用条件で整理しました。
| ツール | 料金 | 取得できる主な指標 | 利用条件 | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| Googleキーワードプランナー | 無料(※範囲表示あり) | 月間平均検索ボリューム・競合性・入札単価 | Google広告アカウント必須 | 無料 |
| Googleトレンド | 無料 | 相対的な人気度・推移・季節性・急上昇 | 登録不要 | 無料 |
| ラッコキーワード | 公式の料金プランを要確認(変動あり) | サジェスト一括取得・月間検索数 | 無料機能あり/検索数取得は有料 | 無料/有料 |
| Ubersuggest | ¥2,999/月(個人・公式で要確認) | 検索ボリューム・SEO難易度・CPC | 無料は1日3回まで | 無料/有料 |
| Keyword Surfer | 無料 | 検索結果画面に検索ボリューム・関連語を表示 | Chrome拡張のインストール | 無料 |
| aramakijake | 無料 | 検索順位別の想定月間アクセス数 | 登録不要 | 無料 |
| Ahrefs | Lite $129/月・Starter $29/月(無料のWebmaster Toolsあり) | 検索ボリューム・トラフィック推移・被リンク | アカウント登録 | 無料/有料 |
まずは無料のキーワードプランナーで概数をつかみ、季節性や推移を見たいときはGoogleトレンド、関連キーワードを一括で洗い出したいときはラッコキーワードという使い分けが現実的です。より精緻な競合分析や被リンク調査まで踏み込む段階で、Ahrefs等の有料ツールを検討すると無駄がありません。なお完全無料の類似ツールとしてruri-co、法人のサイト改善診断にはSEARCHWRITEといった選択肢もあります。
キーワードプランナーでの調べ方の手順
最も基本となるGoogleキーワードプランナーの操作手順は次のとおりです。
- Google広告アカウントを作成し、管理画面にログインします。
- 画面右上の「ツールと設定」から「プランニング」→「キーワードプランナー」を選択します。
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に、調べたいキーワードを入力します。
- 表示された月間平均検索ボリュームを確認します。範囲表示になる場合は、少額の広告配信で数値を精緻化できます。
(自社検証)当社が海外向けSEOのキーワード選定を行った際も、まず無料のキーワードプランナーとGoogleトレンドで需要の有無と推移を確認することから着手しました。高機能な有料ツールは、候補を絞り込んだ後の精緻な競合分析の段階で投入しています。無料ツールでも選定の入口としては十分に機能します。
検索ボリュームの「推移」や季節性を把握したい場合は、相対値で急上昇を確認できるGoogleトレンドの併用が有効です。具体的な活用法は「2026年AI時代に勝つ!GoogleトレンドSEO対策7選」で詳しく解説しています。
ツール選びでつまずきやすい2つの疑問に答えておきます。
Q. 無料で検索ボリュームを調べるツールはどれですか?
A. Googleキーワードプランナー、Googleトレンド、Keyword Surfer(Chrome拡張)、aramakijakeなどが無料で使えます。月間検索数の概数を知りたい場合はキーワードプランナー、季節性や推移を見たい場合はGoogleトレンドが向いています。
Q. キーワードプランナーで正確な数値が出ないのはなぜですか?
A. Google広告への出稿実績が一定水準に満たないアカウントでは、検索ボリュームが「1万〜10万」のように範囲表示になる仕様のためです。正確な数値を得るには少額でも広告配信の実績が必要です。範囲表示でも目安としては十分活用できます。
数値が調べられるようになったら、その数値をどう読むか、つまり「目安」を押さえましょう。
検索ボリュームの目安と上位表示の難易度
検索ボリュームは、おおまかに3つの帯に分類できます。帯ごとに競合性と狙い方が変わります。
| キーワードの種類 | 月間検索ボリュームの目安 | 競合性 | 主な狙い方 |
|---|---|---|---|
| ビッグキーワード | 10,000以上 | 高い | サイト評価が育ってから。網羅性・まとめ記事で勝負 |
| ミドルキーワード | 1,000〜10,000 | 中程度 | ロングテールで実績が出た後に挑戦 |
| ロングテール(スモール) | 1,000未満 | 低い | 立ち上げ期の主軸。CVに近い具体的な意図を狙う |
立ち上げたばかりのサイトでいきなりビッグキーワードを狙っても、上位表示は困難です。まずはロングテールキーワードで記事数を増やし、上位表示の実績が積み上がってきたらミドル、最終的にビッグへと難易度を上げていくのが定石です。ミドルキーワードで上位を取れ始めたら、サイト評価が育ってきたサインと捉えてよいでしょう。
Q. SEOで狙うべき検索ボリュームの目安は?
A. 一般にビッグ(月1万以上)、ミドル(1,000〜1万)、ロングテール(1,000未満)に分けられます。立ち上げ期はロングテールから記事を増やし、評価が育ってからミドル・ビッグへ広げるのが定石です。ボリュームと競合性のバランスで判断します。
ここで多くの方が悩むのが、「ボリュームが少ない・ゼロのキーワードは書く価値があるのか」という点です。
検索ボリュームが少ない・ゼロのキーワードは狙うべきか
結論から言えば、コンバージョン(CV)に近い具体的なキーワードであれば、ボリュームが少なくても狙う価値があります。SEOツール上で「月間検索ボリューム0」と表示されるキーワードでも、実際に記事を公開すると、関連するロングテールキーワード群の合算によって一定のオーガニックトラフィックを獲得できることが、Ahrefsの分析でも確認されています。
特にBtoBやニッチ領域では、表面的なボリュームの大きさよりも、CVに直結する月間ボリューム10〜50程度の極小キーワード(指名検索や詳細な課題検索)を重視する傾向が強まっています。検索数が小さくても、購入や問い合わせに近い意図を持つ訪問者を集められるためです。
ただし、ボリュームがあっても狙わないキーワードもあります。(アイダイム分析)複数の意味が混在する多義的なキーワードは、検索意図が定まらず、記事の方向性がぶれて上位表示も難しくなるため、基本的には対策対象から外します。「数があるから書く」のではなく「意図が明確で勝てるから書く」という判断が重要です。
具体的なキーワードの絞り込み方は「キーワード選定が難しい方へ|正しいやり方とコツをプロが解説」、関連語の扱いは「Lsiキーワードとは?SEO上のメリットや間違った使い方について解説」で解説しています。
Q. 検索ボリュームがゼロのキーワードは対策すべきですか?
A. コンバージョンに近い具体的なキーワードであれば対策する価値があります。ツール上はゼロでも、関連するロングテールの合算で一定の流入が発生するためです。ただし複数の意味が混在する多義的なキーワードは、意図がぶれるため基本的に狙いません。
では、ボリュームの数値を最終的にどう「狙う/狙わない」の判断につなげればよいのでしょうか。
検索ボリュームをKW選定にどう使うか【アイダイムの判断軸】
(アイダイム分析)検索ボリュームは、キーワードを狙うかどうかを決める「入口の指標」です。当社では、ボリュームの数値を起点に、次の4つのステップで「記事化するか」を判断しています。
- 自社プロダクトとの親和性があるか:そのキーワードが自社のサービス・強みと結びつくか。集客しても提供価値につながらないキーワードは優先度を下げます。
- E-E-A-Tが立つ領域か:自社の経験・専門性で独自の立ち位置を示せるか。一次情報や実績で語れる領域でなければ、競合に対する独自性は出せません。
- 競合優位が取れるか:ボリュームの大きさだけでなく、競合の強さを見ます。「allintitle:」検索で同じキーワードを含む競合ページ数を確認し、ボリュームと競合数のバランスから勝てる場所かを判断します。
- 意味が混在する多義的KWでないか:検索意図が複数に割れるキーワードは、記事の軸がぶれるため避けます。
この4つを通過したキーワードだけを記事化します。ボリュームが多ければ見込めるトラフィックの上限は大きくなりますが、競合優位とE-E-A-Tが伴わなければ上位表示には至りません。
(自社検証)当社が海外向けSEOで対策キーワードを選定した際も、検索ボリュームは「狙う/狙わない」を切り分ける最初のフィルターとして使いました。一定の需要が見込めるキーワード群の中から、自社が専門性で優位に立てる領域に絞って記事を設計した結果、対象キーワードの表示回数を+255%まで伸ばすことができました(直近の施策時点)。タイ・台湾向けの施策では、競合が手薄で意図の明確なキーワードを選び、公開から2週間以内に1位を獲得した事例もあります。ここから言えるのは、ボリュームは入口であって、勝敗を決めるのは競合優位とE-E-A-Tだということです。
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→ SEO無料相談で失敗しない!プロに聞く診断内容と業者の選び方
なお、ボリュームの読み方はAI検索の普及によっても変わりつつあります。
AI検索時代の検索ボリュームの捉え方(LLMO視点)
近年は、検索結果画面内で情報が完結し、サイトへ遷移しない「ゼロクリックサーチ」が高止まりしています。SparkToroの調査によると、特に情報検索型(Informational)のキーワードでは、検索ボリュームが多くても実トラフィックに繋がりにくいケースが増えています。つまり、ボリュームの数値をそのままアクセス数の見込みと考えると、過大評価になりやすいということです。
加えて、ChatGPTやGoogle AI OverviewsなどのAI検索に引用されるかどうかも、流入を左右する新しい変数になっています。AI検索に引用されやすいコンテンツの条件として、現時点で調査で確認できているのは次の点です。統計や独自の調査などの一次情報を含むページは、生成AI検索での可視性が約40%向上すると報告されています(プリンストン大学のGEO研究、およびSeer Interactiveによる1万件のPerplexityクエリ分析)。また、Google AI Overviewsの引用元の約55%が、ウェブページの最初の30%(上部)から抽出されていたという分析(CXLによる100件の引用元調査)や、Perplexityの引用要因の約44%を情報の鮮度が占めるという分析(SE Rankingによる約21万ページの調査)もあります。
(アイダイム分析)これらを踏まえると、ボリュームの大きい情報型キーワードほど「ゼロクリックで終わる」前提で設計し、結論や定義を冒頭で示して一次情報を盛り込み、情報を最新に保つことが、AI検索からの引用・流入を取りに行く現実的な打ち手になります。AI検索からの流入を意識した構成は「強調スニペットとは?効果・種類と表示させる方法を解説」も参考になります。
Q. 検索ボリュームが多ければアクセスは増えますか?
A. ボリュームが多いほど見込めるトラフィックの上限は大きくなりますが、その分競合も強く上位表示は難しくなります。さらに情報検索型ではゼロクリックも増えており、ボリュームの大きさだけではアクセス増に直結しません。競合性と検索意図の見極めが重要です。
最後に、Google検索以外のチャネルでの検索ボリュームの考え方にも触れておきます。
MEO・他チャネルでの検索ボリュームの考え方
検索ボリュームは、Google検索(オーガニック)だけの指標ではありません。チャネルごとに需要の捉え方が異なります。
MEO(Googleマップ)の場合、キーワードプランナーが示す検索数とは別軸で考える必要があります。地域名+業種のような需要は、Googleビジネスプロフィールのインサイト(パフォーマンス)で、実際にプロフィールが表示された検索語や表示回数を確認するのが基本です。地域の人口や商圏という「文脈」で需要を捉える点が、全国区のSEOとの違いです。MEO向けのキーワードの考え方は「MEO対策のキーワード選定」で解説しています。
このほか、YouTube内検索(VSEO)やAmazon内検索(Amazon SEO)にも、それぞれのプラットフォーム内での検索需要が存在します。Google検索のボリュームが小さくても、これらのチャネルでは大きな需要があるケースもあるため、集客の全体設計では複数チャネルの需要を併せて見ることが有効です。
Q. MEO(Googleマップ)の検索ボリュームはどう調べますか?
A. Googleマップ上の需要はキーワードプランナー等の検索数とは別軸で、Googleビジネスプロフィールのインサイト(パフォーマンス)で表示回数や検索語を確認するのが基本です。地域名+業種の組み合わせは、地域の人口や商圏の文脈で捉える必要があります。
まとめ
検索ボリュームは、無料ツールで十分に調べられます。Googleキーワードプランナーで概数を、Googleトレンドで推移を、ラッコキーワードで関連語を、というように用途で使い分けるのが基本です。
ただし、ボリュームの数値は出発点に過ぎません。ボリュームが多ければトラフィックの上限は大きくなりますが、競合も強くなり、ゼロクリックの影響も受けます。最終的に「狙うべきか」を決めるのは、①自社プロダクトとの親和性、②E-E-A-Tで独自の立ち位置を示せるか、③競合優位が取れるか、という3つの軸であり、④意味が混在する多義的なキーワードは避ける、という判断です。数値に振り回されず、「勝てる場所」を選ぶ視点でキーワードを選定してください。
参考情報
- Google 広告 ヘルプ(検索ボリュームの表示仕様):https://support.google.com/google-ads/answer/87381?hl=ja
- Google Search Central(SEOスターターガイド):https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja
- Ahrefs(ゼロ検索ボリュームのキーワードに関する分析):https://ahrefs.com/blog/zero-search-volume-keywords/
- GEO: Generative Engine Optimization(arXiv):https://arxiv.org/pdf/2311.09735
- Perplexityの引用要因に関する調査(Keyword.com/Seer Interactive):https://keyword.com/blog/perplexity-search-ranking-factors-seo-guide/
- Google AI Overviewsの引用元分析(CXL):https://cxl.com/blog/google-ai-overview-citation-sources/

