リンクビルディングとは、他サイトから自社サイトへ向けられる被リンクを、検索エンジンのガイドラインに沿って安全に増やしていく施策の総称です。かつては数を集めるほど順位が上がった時代もありましたが、2026年現在は「質」と「自然さ」が評価を分けます。そして当社は、被リンクの相対的な価値は以前より下がっていると考えています。本記事は手法カタログではなく、リンクビルディングをやるべきか、どこまでやるか、どこで止めるかを判断するための記事です。
この記事でわかること
- 2026年の優先度: 被リンクの相対的な価値は下がっており、いま重いのは自社名が言及されているかどうか(サイテーション)です。
- 当社が実際にやっていること: 被リンク営業はしません。内部リンクによるリンクビルディングを主戦術にしています。
- やめる判断: 6か月続けて参照ドメインも指名検索も動かないなら、被リンクから内部リンクとコンテンツへ資源を移します。
リンクビルディングとは?被リンク獲得との関係
リンクビルディングとは、他サイトから自社サイトへの被リンクを、Googleのガイドラインに沿って安全に増やしていく施策の総称です。
日本語では「被リンク獲得」とほぼ同義で使われます。被リンクとは、外部のWebサイトから自社サイトへ張られたリンクのことで、Googleはこれを「そのページが他者から参照・推薦されている証拠」の一つとして扱ってきました。つまりリンクビルディングは、他サイトからの参照を意図的に、かつ健全に増やしていく取り組みだといえます。
3つのうち、安全で長続きするのは自然獲得だけです。以下では、それぞれの違いをもう少し具体的に見ていきます。
リンクビルディングと被リンク獲得の違い
リンクビルディングと被リンク獲得はほぼ同義ですが、実際には性質の異なる3種類が含まれています。
3種類を混同すると、安全な施策と危険な施策の線引きを見誤ります。
自然獲得(オーガニックリンク)は、相手が自発的に自社の記事やデータを参照して張ってくれるリンクで、最も価値が高くリスクもありません。アウトリーチ(リンク営業)は、こちらから相手に働きかけて掲載を提案するリンクで、やり方次第で健全にもスパムにもなります。自社設置リンクは、SNSプロフィールや無料ディレクトリなど自分で設置できるリンクで、多くはnofollow扱いのため順位への直接効果は限定的です。
個別の獲得手法を一覧で確認したい場合は「被リンクの獲得方法20選|SEO効果の高い増やし方」にまとめています。本記事は、その手法を実行するかどうかを決めるための記事です。
なぜ今もリンクがSEOで重要なのか
リンクは、Googleがページを発見し、関連性や信頼性を評価するための仕組みとして機能し続けています。
信頼できる第三者サイトから自然に参照されることが、その情報源の評判を示す材料になり得るためです。
ただし注意したいのは、「被リンクがE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)のスコアを直接高める」とGoogleが公式に説明しているわけではない点です。E-E-A-Tは単一の数値やランキング要因ではありません。被リンクは評判を映す一つのシグナルとして捉え、過度に「被リンク=E-E-A-T向上」と結びつけない姿勢が安全です。
リンクビルディングはいま本当に必要か
結論として、2026年のリンクビルディングは以前ほど優先度が高くありません。被リンクの相対的な価値は下がっています。
被リンクが無意味になったわけではありません。ただし、限られた工数をどこに割くかという配分の問題として見たとき、被リンク獲得は上位に来なくなった、というのが当社の見立てです。以下では、その理由と、それでも優先度が高くなるケースを分けて説明します。
被リンクより、いま重いのはサイテーション
(アイダイム分析)当社は、いま重いのは被リンクよりサイテーション、つまり自社名が言及されているかどうかだと考えています。
クライアントから「AI検索の時代でも被リンクは必要ですか」と聞かれたときも、当社は「被リンクの価値は相対的に下がっている」と説明しています。理由は、生成AIによる回答が参照先を選ぶとき、リンクの本数よりも、その名前が業界の文脈でどれだけ言及されているかが効いていると見ているためです。リンクは張られなくても言及はされる、という状態が増えており、そこを取りにいくほうが投資対効果が高いという判断です。
ただし、この見方をGoogleが公式に認めているわけではありません。Googleが公表しているのは、AI検索においても従来のSEOのベストプラクティスが有効であり、追加の特別な最適化は不要だという説明までです。被リンクがAI回答への引用を直接増やす、という公式見解は存在しません。断定を避けたうえで、当社は言及側に重心を置いています。
言及と引用の違いについては「AIに”引用”されても”推薦”されない理由——co-mention(共起言及)とは」で詳しく解説しています。
優先度が高いサイト・低いサイト
コンテンツの差が小さく外部評価の差が大きい業界なら優先度は高く、リンクを買わないと取れない状態なら着手しないのが安全です。
自社がどちらに当てはまるかは、次の表で判断できます。
| サイトの状況 | 判断 |
|---|---|
| 競合とのコンテンツ差は小さいが、順位差が大きい | 優先度が高い。外部評価が差になっている可能性がある |
| 自社データ・導入事例・登壇などPR材料がある | 実行しやすい。自然獲得から着手する |
| インデックスや検索意図に問題が残っている | 優先度は低い。先にそちらを直す |
| 買う以外にリンクを取る手立てが思いつかない | 着手しない。買った時点でリスクだけが残る |
表の下2行に当てはまる場合、被リンクに工数を割いても回収できません。この点は次で詳しく説明します。
始める前に、先に直すべきSEOがないか
インデックス不良・検索意図のズレ・技術的な欠陥のどれかが残っているなら、被リンクより先にそちらを直します。
インデックスされていないページに被リンクを集めても順位は動きません。検索意図とずれた内容のページも同様で、外部評価が上がっても求められている答えを返していない以上、クリックとコンバージョンには結びつきません。(実務知見)実際にご相談を受ける案件でも、被リンクを増やす前に直すべき箇所が残っているケースは珍しくありません。被リンク獲得は、土台が整ったサイトの上積みとして効く施策です。
Googleが無効化するリンク・手動対策になるリンク
Googleは不自然なリンクを自動で無効化し、悪質な場合にだけ手動による対策を行います。両者は別の処理です。
「低品質なリンクが張られた=ペナルティを受ける」と考えられがちですが、実際にはほとんどのケースで、そのリンクの効果が打ち消されるだけです。効果が無効化されるのか、手動による対策の対象になるのかを分けて理解しておくと、必要以上に恐れずに済みます。
検索順位・クロール・認知への影響
良質な被リンクは、クロールの促進、ページ評価の後押し、リンク経由の流入と指名検索の増加という3つに効きます。
Googleがリンクをたどって新しいページを発見しやすくなること、関連性の高いサイトからの参照がそのページの評価を後押しし得ること、そしてリンク経由での流入やリンクをきっかけとした認知の拡大です。順位だけでなく、こうした複合的な効果を見込めるのが被リンクの価値です。
リンクスパムポリシーとSpamBrainによる無効化
Googleはリンクの売買や過剰な相互リンクをリンクスパムと定め、SpamBrainなどの自動システムで効果を無効化しています。
検索スパムポリシーが挙げるリンクスパムの例は、順位を上げる目的でのリンクの売買、過剰な相互リンク、自動化されたプログラムによるリンク作成、第三者に修飾属性を選ぶ権利を与えないまま義務づけるリンク、ランキングクレジットをブロックしないテキスト広告、記事広告やネイティブ広告内の作為的なアンカーテキスト、質の低いディレクトリやブックマークサイトのリンク、ウィジェットに埋め込まれた大量のキーワードを含む非表示リンク、フッターやテンプレートに埋め込まれたリンク、フォーラムコメントにおける作為的なリンク、そしてリンクやランキングシグナルの操作を主目的とした低価値コンテンツの作成です。
こうしたリンクは、SpamBrainなどの自動システムによって検出され、検索結果に与える効果が無効化されます。リンクスパム対策へのSpamBrainの活用は、2022年12月のリンクスパムアップデートで公式に発表されました。スパム対策の中核であるPenguinは、2016年以降は検索の中核システムに組み込まれて常時稼働しています。つまりリンクの評価は、特定のアップデートが来たときだけ動くものではなく、日常的に処理され続けているものです。
なお、広告としてリンクを出すこと自体は禁止されていません。rel=”sponsored” または rel=”nofollow” を付けて評価を渡さない設定にしていれば、ポリシー違反にはなりません。
Googleが見ているのは本数ではなく獲得の作為性
Googleが見ているのはリンクの本数や増える速さではなく、そのリンクが順位操作を目的に作られたものかどうかです。
GoogleのJohn Mueller氏は、「一定期間にいくつリンクを得たか」自体が問題なのではなく、そのリンクが自然か不自然かが重要だと述べています。「◯本を◯日で獲得したらペナルティ」といった速度そのものへの罰則は公表されていません。急に増えたこと自体ではなく、報道や話題性といった理由がないのに作為的なパターンで増えている点が、自動システムの検出対象になります。
(アイダイム分析)だからこそ、作為的に短期間で集めたリンクは、たとえ一時的に順位へ効いても長続きしないことが多く、1か月ほどで元に戻ってしまうケースもあります。本質的には、良質なコンテンツを通じて時間をかけて自然に集まったリンクのほうが、安定して効き続けます。
良質な被リンクと低品質な被リンクの見分け方
良質かどうかは、テーマの関連性と、相手の編集判断による自然な掲載かどうかで決まります。ツールの数値では決まりません。
実務で使える見極めの観点を、次の表に整理します。
| 観点 | 良質な被リンク | 低品質・危険な被リンク |
|---|---|---|
| テーマの関連性 | 自社と関連する分野のサイトから | 無関係なジャンルから大量に |
| 掲載の文脈 | 本文中で自然に紹介・引用 | フッターやリンク集に羅列 |
| 設置の判断 | 相手の編集判断による掲載 | 金銭や交換を条件にした掲載 |
| 運営主体 | 実在が確認でき更新されている | 運営者不明・量産された自動生成 |
| アンカーテキスト | 自然な文言・ブランド名 | 狙ったキーワードの過剰な繰り返し |
判断の中心は関連性と、編集判断による自然な掲載かどうかです。一方で、多くの現場が判断材料にしているツール指標には注意が必要です。
DA・DRを過信してはいけない理由
DAやDRはGoogleが算出する指標ではなく、外部のSEOツール会社が独自に推定した数値です。
Googleがランキングにこれらを直接使用しているという公式情報はありません。DAが高くても無関係なサイトからの1本より、DAが低くても業界内で関連性が高く、実際に読者が使うページからの1本のほうが価値を持つ場合があります。ツール指標は候補を比較する参考値に留め、過信しないことが大切です。指標の中身は「ドメインパワーの調べ方と目安|DR・DA指標の違い」で解説しています。
外部に営業しないなら何をするのか|内部リンクによるリンクビルディング
外部への営業をやめても打つ手はあります。当社が主戦術にしているのは、サイト内のリンク設計で評価を集める内部リンクです。
(実務知見)当社は被リンク営業を行っていません。自然に集まる被リンクをどう増やすかを考えたうえで、実際に日々動かしているのは内部リンクによるリンクビルディングです。外部に働きかけない前提でも、サイト内のリンクの張り方で評価の集め方は設計できます。
なぜ内部リンクを主戦術にするのか
内部リンクは相手の都合に左右されず、自分の判断だけで今日から動かせるうえ、ガイドライン違反になる余地がありません。
被リンクは相手が張るかどうかを決めるため、こちらの工数が成果に直結しません。営業をかければ返信率の問題になり、対価を持ちかければポリシー違反になります。一方で内部リンクは、どのページからどのページへ、どんな文脈で送るかをすべて自社で決められます。(実務知見)成果が出るまでの時間も読みやすく、施策として管理しやすいというのが実感です。
内部リンクで評価を集めるときの考え方
重要なページに向けて、関連する記事から文脈の合う内部リンクを集め、サイト内でどのページが答えなのかを明示します。
同じテーマで複数の記事がある場合、どれが主役なのかがGoogleに伝わっていないと、評価が分散して両方とも順位が伸びません。主役のページを決め、周辺の記事からそこへ送る。逆に主役のページからは、詳細を扱う記事へ返す。この往復を作ることが、サイト内でのリンクビルディングです。設計と貼り方の具体的な手順は「内部リンク対策の完全ガイド|SEO効果を最大化する設計・貼り方・最適化まで」にまとめています。
リンクビルディングをBtoBで実行する方法|どの経路から始めるか
BtoBでリンクが発生し得るのは、業界団体・自治体・大学・登壇・導入事例など、実際の事業関係にひもづく接点です。
いずれも「必ずリンクが取れる経路」ではありません。掲載ルールは相手ごとに異なり、nofollowが付くこともあります。リンクが発生し得る接点として押さえておく、という位置づけが実態に近いです。
まずリンクされる理由を作る(自然獲得)
まず必要なのは、他社が参照したくなる中身を用意することです。ただし何が参照されるかは、この数年で変わってきています。
(実務知見)当社では以前、情報がひと目でわかる図解や比較表が引用元として選ばれやすく、実際に手応えもありました。ところが生成AIの普及で図解が誰でも短時間で作れるようになり、図解があること自体の優位は薄れています。いま残るのは、自社にしか出せない一次データの側です。業務の中で溜まった数値や、実際の案件から得た観察は、生成AIでは複製できません。(アイダイム分析)ただし、これに代わる決定打を当社もまだ探している段階で、「これをやれば参照される」と言い切れる方法があるわけではありません。
リンクが発生し得る接点
実際の取引や所属にひもづく掲載は関連性が高く、営業しなくてもリンクや言及が生まれる可能性があります。
BtoB企業には、一般的なブログにはない接点があります。導入事例として取引先サイトに紹介してもらう、業界団体や商工会議所のサイトに会員として掲載される、自治体や大学のページから参照される、共催ウェビナーや展示会の告知ページに載る、といった経路です。いずれも実際のビジネス関係に基づくため関連性が高く、自然なリンクとして機能します。ただし掲載条件は相手側の規定によるため、成果を約束できる手段ではありません。
なお、プレスリリースを配信しただけでSEO評価を渡すリンクが得られるとは限りません。配信サイト経由のリンクの多くはnofollow扱いで、狙いは直接のSEO効果よりも、記者やメディアに「取り上げたくなる事実」を届けることにあります。個別の獲得手法は「被リンクの獲得方法20選|SEO効果の高い増やし方」で一覧にしています。
被リンク営業は”する”べき?”受ける”べき?
(実務知見)当社は被リンク営業をしません。届く依頼も原則として断っています。
被リンクの実務でとくに迷いやすいのが、この「営業」の扱いです。ここには自分から掲載を働きかけるかという問いと、他社から届く依頼を受けるかという問いの2つが含まれ、判断軸はそれぞれ異なります。
以下では、それぞれの判断を具体的に説明します。
する側:当社は被リンク営業をしない
当社が被リンク営業をしないのは、作為的に得たリンクの効果が短期で戻ることが多いからです。
(アイダイム分析)テンプレートの大量送信、対価の提示、キーワードを詰め込んだアンカーテキストの指定は、そもそもリンクスパムに該当します。それらを避けた健全なアウトリーチ(相手のページのリンク切れを指摘する、自社名が触れられているのにリンクが張られていない箇所をお願いする、など)も手段としては成立しますが、返信率の壁があり、得られたリンクも自然に集まったものほど安定しません。同じ工数を、参照したくなる中身の制作と内部リンクの設計に振り向けるほうが回収が早い、というのが当社の判断です。
受ける側:依頼が届いたときの判断
届く依頼は原則として断って問題ありません。判断は、SEO効果を売り文句にしているかどうかの1点で足ります。
(実務知見)当社に届く被リンク営業・相互リンクの依頼も、基本的にはお断りしています。SEO効果を前面に出して持ちかけられている時点で、修飾属性を付けない前提、つまり順位操作が目的であることを送り手側が示しているためです。本当に自然な文脈で紹介したい・されたいという正当な依頼であれば受けますが、そうした依頼が届くことは実際にはほとんどありません。
判断に迷ったら、金銭や相互掲載を条件にしていないか、テーマが本当に関連しているか、相手の編集判断による自然な紹介か、の3点で見極めます。ひとつでも怪しい要素があれば、断るのが安全です。
交換条件を出されたときの判断
相互掲載・記事掲載との交換・商品提供・効果保証のいずれかが条件に入っていたら、断るのが安全です。
危ないのは「掲載してください」という依頼そのものより、条件が付いたときです。Googleがリンクスパムとして挙げているのは、順位目的のリンク売買と過剰な相互リンクであり、関連性のあるサイトと自然な文脈で行う相互リンクのすべてが違反というわけではありません。ただし、条件と引き換えに設置されるリンクは、その時点で編集判断ではなく取引になります。相互リンクの現在の扱いは「相互リンクのやり方は?SEO効果やメリット・注意点を解説」で詳しく解説しています。
やってはいけない被リンク施策
順位を上げる目的でリンクを売買する、過剰に交換する、自作自演で張る。この3つは明確なポリシー違反です。
前章の「受けるかどうか」がグレーな判断だったのに対し、ここからは手を出してはいけない領域です。
| OK(安全) | NG(ポリシー違反) |
|---|---|
| 独自データで自然に引用される | 順位目的でリンクを購入する |
| 導入事例で取引先に掲載される | 過剰に相互リンクを張り合う |
| 関連メディアへ個別に寄稿する | 最適化アンカーで大規模にゲスト投稿 |
| 広告リンクにsponsoredを付ける | サテライトサイトから自作自演で張る |
| 実態のある団体・自治体から参照される | シグナル操作目的の低価値ページを量産する |
とくに「高DAサイトから被リンク◯本」とうたう有料サービスは、短期的に本数が増えても効果が無効化され、手動による対策のリスクだけが残ります。過去に購入したリンクが残っている場合の対処は「被リンクペナルティとは?不自然なリンクの基準と解除方法」で解説しています。
否認ツールは使うべきか(2026年の現在地)
ほとんどのサイトで否認ツールは不要です。使うのは、手動による対策の原因になっているリンクが多数ある場合に限られます。
Googleのヘルプは、否認ツールを使う条件として2つを同時に満たすことを挙げています。ひとつはスパム行為のあるリンク・人為的リンク・品質が低いリンクが数多くあること、もうひとつはそれらが手動による対策の原因となっている、または今後なる可能性があることです。そのうえで「ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」と明記されています。
| 状況 | 否認すべきか |
|---|---|
| 不自然なリンクで手動による対策を受けている | 否認する。まず削除を依頼し、消せない分だけ否認 |
| 過去に自社でリンクを購入した心当たりがある | 否認を検討する |
| 身に覚えのないスパムリンクが張られている | 不要。自動で無効化される |
| 順位が下がったので念のため整理したい | 不要。良いリンクまで無効化する危険がある |
実務上の落とし穴が1つあります。否認ツールはドメインプロパティに対応していません。Search Consoleをドメインプロパティだけで運用している場合、否認ファイルは提出できず、URLプレフィックスのプロパティを別途用意する必要があります。
なお、Bingは同種の否認機能を2023年9月に廃止すると告知し、同年10月に削除しました。理由は、リンクの評価を自動で判断できるようになったためとされています。Google側でも社員から否認ツールへの否定的な発言は出ていますが、公式に廃止が発表されたわけではなく、2026年8月時点でもツールは提供されています。廃止が決まったものとして扱わず、現行のヘルプの条件で判断してください。否認の具体的な手順は「不自然なリンクとは?SEOへの影響と否認する方法」で解説しています。
リンクビルディングを続ける・止める判断基準
被リンク本数ではなく、参照ドメイン数・対象ページの流入・指名検索の3つで見て、半年動かなければ止めます。
施策の是非は、始めるときだけでなく続けるかどうかでも問われます。以下の4点で判断します。
何を測るか
測るのは新規の参照ドメイン数、対象ページの表示と流入、指名検索の増減の3つで、被リンク本数そのものは指標にしません。
| 見る指標 | 何が分かるか |
|---|---|
| 新規の参照ドメイン数 | 同じサイトからの本数増ではなく、評価元が広がったか |
| 対象ページの表示回数・順位 | リンクが集まったページ自体が動いたか |
| 指名検索・ブランド露出 | リンク以前に、名前が知られるようになったか |
| 問い合わせ・商談 | 検索指標の改善が事業に届いているか |
被リンク本数を指標にしない理由は2つあります。1本のリンクと順位上昇の因果を切り分けられないことと、Search Consoleのリンクレポートが全リンクの完全な一覧ではなくサンプルであることです。自社の被リンク状況の確認方法は「被リンクの調べ方を完全解説!無料ツールや競合サイトの分析手法」で解説しています。
何か月見るか
被リンクの効果は数週間では判定できません。最低でも3か月、通常は6か月を1区切りとして見ます。
リンクが張られてからGoogleがそれを評価に反映するまでには時間がかかり、さらに順位への反映にも幅があります。1か月で成果が出ないからと施策を切り替えると、判断材料が揃わないまま次の施策に移ることになります。
内製か外注か・危険な代行会社の見分け方
独自データと事例を持つ企業は内製が向きます。「◯本保証」「高DAサイトに設置」とうたう代行は避けてください。
自社の業務データや導入事例を持っている企業は、自然リンクの獲得を内製で進められます。リソースが不足する場合は外注も選択肢ですが、費用はコンテンツ制作費・PR費・営業工数などに分かれ、内訳が説明できる相手を選ぶ必要があります。本数を保証する、設置先のドメイン指標を売り文句にする、獲得方法を明示できない。このいずれかに当てはまる代行は、有料リンクに該当する危険が高いと考えてください。
撤退条件
6か月続けて参照ドメインが増えず指名検索も動かないなら、被リンクから内部リンクとコンテンツへ資源を移します。
(アイダイム分析)撤退といっても、SEO自体をやめるという話ではありません。被リンクは相手が決めるため、こちらの工数と成果が比例しない施策です。半年動かなかったのであれば、自社で完結できる内部リンクの設計と、参照したくなる中身の制作に資源を寄せたほうが、同じ工数で回収できる見込みが高くなります。
リンクビルディングのよくある質問
本編に入らなかった周辺の疑問をまとめます。
Q. 被リンクは何本あれば効果がありますか?
A. 明確な必要本数はありません。本数より、関連性の高いサイトからの自然なリンクかどうかが重要です。無関係な100本より、関連する数本のほうが価値を持つ場合があります。
Q. nofollowのリンクは無意味ですか?
A. 無意味ではありません。評価を渡さない設定でも、リンク経由の流入や、名前を知ってもらうきっかけとしては機能します。順位への直接効果だけで価値を判断しないでください。
Q. 競合から大量のスパムリンクを張られたらどうすればいいですか?
A. 基本的には何もしなくて問題ありません。身に覚えのない不自然なリンクは自動で無効化されます。対応が必要になるのは、手動による対策を受けた場合に限られます。
Q. 相互リンクはすべて違反ですか?
A. すべてが違反ではありません。Googleがリンクスパムとして挙げているのは過剰な相互リンクです。関連性のあるサイトと自然な文脈で行うものまで禁止されているわけではありません。
Q. プレスリリースのリンクにSEO効果はありますか?
A. 直接の順位効果は限定的です。配信サイト経由のリンクの多くはnofollow扱いのため、狙いはメディアに事実を届け、二次的な自然リンクや認知につなげることに置いてください。
参考情報
- Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」(リンクスパムの違反例、sponsored・nofollow属性の扱い)
- Search Console ヘルプ「サイトへのリンクを否認する」(否認ツールの使用条件、ドメインプロパティ非対応)
- Google 検索セントラル ブログ「December 2022 link spam update」(SpamBrainによるリンクスパム対策の公式発表)
- Bing Webmaster Blog「Bing Webmaster Tools to Remove Disavow Links Feature in October 2023」(2023年9月21日告知)

